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※中川夏紀 大学3年生 20才↑ ※久石奏 大学1年生 20才↓ 夏紀先輩にファミレスに呼び出されたのはひさしぶりのことだ。 用件はどうやら「パシりになれ」ということらしい。 私と夏紀先輩が高校生の頃に所属していた吹奏楽部のOBを集めて、同窓会のようなものをやろうという話が有るらしく、
2019-03-11 12:59:51各学年の代表格だった卒業生に幹事役という名の雑用係を押し付けているのだ。 言い出したのは夏紀先輩の1つ上の代だった人たちで、あの赤いメガネを掛けていた人も関わっているという。 また、私たちの1つ上の代で幹事役を引き受けたのは久美子先輩だというので、引き受けざるを得ない状況であった。
2019-03-11 12:59:52夏紀先輩は「お礼にジュースを奢ってあげよう」と呼び出しボタンを押したが、ドリンクバーだけで懐柔されて良いのかどうか、少し疑問を持ったが解決は後回しにする事にした。 今は夏紀先輩と楽しく食事をしたいのだ。 私と夏紀先輩は運ばれてきた料理を食べながら、お互いの近況などを話していた。
2019-03-11 12:59:52その時、夏紀先輩が時おり目をそらすことに気が付いた。 どうやらテーブルに張り付けられた広告を見ているらしい。 そこには私のようにがまだ知らない世界、アルコール飲料の写真がきらびやかに散りばめられていた。 「先輩、よかったらお酒も召し上がってください。私のことは気になさらず」
2019-03-11 12:59:53そう伝えると夏紀先輩は「ありがとね、じゃ遠慮なく。自腹だしね」と言って呼び出しボタンを押し、グラスに注がれたお酒を飲み始めた。 ここで、ふと疑問が湧いた。 高校を卒業してからも何度か夏紀先輩とファミレスなどでご飯を食べることはあったが、いつも吉川優子先輩が一緒だった。
2019-03-11 12:59:54しかし、今日の夏紀先輩は1人である。 「ところで、今日は部長…吉川先輩はご一緒ではないのですか?」 ふと口に出した言葉が夏紀先輩の耳に届いた瞬間、表情が変わったのがわかった。 しまった。地雷を踏み抜いたかも。 そう思った。そして、それは正解だった。 「最近さ、アイツと
2019-03-11 12:59:54うまくいってないんだよね。ちょっとしたことでケンカばっかりしててさ」 お酒の力が働いているのか、夏紀先輩口からは聞きたくない内容の話がいくつか出てきた。 話の内容が深刻になるにつれて、夏紀先輩がグラスのお酒を飲み干すペースも早くなっていった。 そして今、酔いつぶれた夏紀先輩は私の
2019-03-11 12:59:55いま投下したなつかな連ツイは、こちらのツイートにインスパイアされたものになります twitter.com/torimeshiisuma…
2019-03-11 13:08:34「先輩が飲みたかったら居酒屋でもいいですよ。私ジュースにするんで」って夏紀をべろべろに酔わせて家上がりこむ襲い受け久石ください
2019-03-10 13:43:44【ココまでのあらすじ】 ※スレッドを開くと最初から読めるよ ファミレスで会っていた中川夏紀(大学生)と久石奏(大学生)だったが、やがて夏紀の飲酒ペースが早くなり酔いつぶれてしまった さて、この後の展開はどうなるのでしょうか? 次のツイートのアンケートにお答えください
2019-03-11 17:47:23【アンケート】 久石奏の目の前で酔いつぶれた中川夏紀は、いまどうしてると思いますか? ①奏の服にゲロを吐いている ②奏の部屋でシャワーを浴びている ③奏とベッドの中で素っ裸になっている ④正座して吉川優子に怒られている
2019-03-11 17:47:24そして今、酔いつぶれた夏紀先輩は私の存在など忘れたかのように眠っている。 ファミレスでお酒を飲み過ぎた夏紀先輩が、テーブルに突っ伏して眠りかけていたので長居は無用と思い、肩につかまらせて表に出たのだった。 ただ、とっさに動いてしまったので、ファミレスから出た後にどこへ
2019-03-11 21:31:43向かうかを何も考えていなかった。 店の外の空気は温度を夜空に吸われたようで、少し冷えていた。 この冷たい空気で夏紀先輩の酔いがさめてくれれば良いのにと思ったが、それは期待できそうになかった。 そして、夏紀先輩はいま帰りたい部屋が無い。かと言って私の部屋まで力の抜けている夏紀先輩を
2019-03-11 21:31:44連れて行くのも難しい。 結局、周りを見渡して目に入った看板を目指して夏紀先輩を引きずって、いわゆる「ラブホテル」の一室に2人でおさまったのだった。 部屋に入るなり夏紀先輩はトイレに駆け込み、文字通りに便器に抱きついた。 先ほどまで食べたり飲んだりしていたものを容赦なく流しさり、
2019-03-11 21:31:45ベッドに倒れ込んで、あっという間に眠ってしまったのだ。 私という者がここにいるのに。 何もせず。 その事が少し悔しく思われたけれど、「酔った勢い」でかつて抱いていた想いを遂げたとしても、それは意味の無いもののようにも思えた。 それでも、あの日の想いを口に出したくなった。
2019-03-11 21:31:46今はもう、あの想いは思い出に変わっているけれど、一度も伝えられずに心の奥にしまっていたものを、そっと口に乗せてみた。 「夏紀先輩…好きです」 夏紀先輩の耳に届くかどうか心配になるほどのか細い声しか出なかった。 夏紀先輩への私の想いは、こんなものであったのか。 もっと強い想いだと
2019-03-11 21:31:46思っていたが、案外そうでもなかったようだ。 試しに、もう一度口に出してみる。 「ねぇ、夏紀先輩。私、先輩のことが好きだったんですよ。もしかしたら、今も好き…」 先ほどよりは大きな声になった。 すると、眠っていた夏紀先輩が少し身体を動かした。 そして、なにやらつぶやいた。 その声は、
2019-03-11 21:31:47確かに私の耳に届いた。 「優子…私も優子のことが好き…」 わかっていた。 この人の気持ちは知っていた。 それを、確認しただけ。 この人の心の中に、私はいない。 それでも構わない。 私の想いは私のものだ。 それを口に出すのは、私の自由だ。 「先輩、好きです」 夏紀先輩の耳に届くように
2019-03-11 21:31:47つぶやく。 「優子…ごめん。好き…なの。優子が」 誰に何を謝っているのだろう。 夏紀先輩は、いまここにいない誰かに何かを伝えてようとしている。 いまここに居る私ではなく。
2019-03-11 21:31:48やがて、私のスマホにメッセージが届いた。 『遅くなってごめん。着いた』 それは私が呼び出した人からのメッセージ。 私は部屋のドアを開けて、その人を招き入れる。 「久石さん、バカ夏紀が迷惑掛けてごめんなさい」 私は吉川優子先輩を呼び出したのだ。 酔っ払って眠っている夏紀先輩が
2019-03-11 21:31:52目を覚ました時、隣に居るべき人を呼んだのだ。 それだけだ。 夏紀先輩にふさわしい人に、夏紀先輩を託すのだ。 「まったく、なんでこんなになるまで飲んだのかしら」 眠りこけている夏紀先輩を見下ろして吉川先輩がつぶやく。 それはあなたのせいです、と胸の中で告げる。 「こいつ、何か
2019-03-11 21:31:53言ってた?」 「寝言で、優子先輩が好きだ、とおっしゃってました」 そう言うと、吉川先輩は何やら複雑な表情になった。 これはおそらく、会心の一撃だったと思う。 「そ」 吉川先輩の心に打撃を与えられたようだ。 少しうれしい。 「ごめんね、久石さん。こいつがこんな風になったのは、
2019-03-11 21:31:53たぶん私が悪いんだ。ずっと一緒にいるものだから、つい甘えちゃってさ。今日はありがとう。そのうち埋め合わせはするから」 先ほど吉川先輩に連絡を取った時に、私には次の用事があると嘘をついていた。 「それでは、後のことはお願いしますね。あ、料金は後払いなので」 「わかった。
2019-03-11 21:31:54心配しないで。遅い時間になっちゃったから、気をつけてね」 こうして、私は再び夜の街に出た。 そして夏紀先輩と吉川先輩が仲直りする事を願いながら、自分の部屋へと戻ったのだった。
2019-03-11 21:31:54その出来事から数日後。 また夏紀先輩から呼び出された。 今度は私が以前から観たいと思っていた演劇への招待だった。 チケットの抽選に申し込んだものの、見事に外れてしまってあきらめかけていた公演に、夏紀先輩が誘ってくれたのだ。 レアチケットを入手したいきさつを聞くと、元々は吉川先輩が
2019-03-11 21:31:55チケットを持っていたのだという。 どうやら、吉川先輩のバイト先にスポンサー向けのチケットが配られて、それを貰ってきたものらしい。 「埋め合わせ、か」 「あー、そういえば優子がキチンと謝って来いって…」 「何をですか?」 「ほら、この間お酒です失敗しちゃったじゃん…」
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