編集部イチオシ

3倍の法則(rule of three)のはなし

ツイートのまとめの後に、3が出てくる理由を追記しました。
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宇宙物理たん&けみかたんのツイート

宇宙物理たんbot🌏☄️学術系VTuber @astrophys_tan

「確率1%の10連を10回回しても37%出ないの定理」の詳しい説明は雑誌ニュートンさんの最新号をご覧くださいましね💓🎲✨ amazon.co.jp/dp/B07ML9Y8Z7/ pic.twitter.com/UTjfj7Ksdw

2019-03-06 17:50:54
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けみかたん@(化学/化学工学/生物) @chemica_tan

>RT 俗に3倍回せと言いますよね。 N回に1度起こる事象は、3N回試行を繰り返すと約95%の確率で叶えられるってやつです。 0.7%の確率で引けるカードなら140回に1回と考えて、420連回すくらいは覚悟したいねと言う話です。

2019-03-06 17:55:46
けみかたん@(化学/化学工学/生物) @chemica_tan

Nが20以上で良い近似を与える感じです。

2019-03-06 17:57:41

その名はrule of three

計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

これは統計方面でいうrule of threeの変形ですね! Rule of three (statistics) - Wikipedia en.wikipedia.org/wiki/Rule_of_t… twitter.com/chemica_tan/st…

2019-03-12 23:10:24
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

「100回に1回の割合で成功する事柄は、300回繰り返せば約95%の確率で成功する」 同じことだけど、 「成功確率1/100だとしても、『300回やっても当たりが出ない(300回連続で外れる)』ことが約5%ある」 こっちの言い方で語られることも多いです。

2019-03-12 23:13:55
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

一般化すると、 「θ回に1回の割合で成功する事柄は、θの3倍回繰り返せば約95%の確率で成功する」 この「3倍」という係数は、θが十分大きければ(成功確率が0に近ければ)θの値によらないんですね!これが、rule of threeです。

2019-03-12 23:14:45
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

いくつか視点を変えた言い方があります。 「成功確率1/θだとしても、『θの3倍回やっても一度も成功しない』ことが約5%ある」 「試行をn回繰り返して一度も成功しない結果になったとき、成功確率の95%信頼区間を[0, 3/n]とする」

2019-03-12 23:17:45
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

このrule of three、色々便利に使えて、けみかたんのようにガチャがほぼ確実に当たるまでの回数に見当をつけるのも一つ。ほかには医学分野で稀な事象(珍しい疾病・副作用とか)を捕捉したいとき、何人調査するかを決めるのにも適用できます。

2019-03-12 23:21:53
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

1000人に1人と見込まれる疾病について、3000人を対象に調査すれば約95%の確率で1人以上捕捉される、ということです。

2019-03-12 23:21:53
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

ところで、現実世界の問題では、「成功確率なんか知らないよー」というのが普通ですよね?300回やって全滅だからといって、絶対に成功しない事柄とはかぎりません。その結果は、真の成功確率が1/100だとしても約5%の確率で起こるから…!

2019-03-12 23:28:17
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

「証拠の不在は、不在の証拠にあらず」ってやつです。さらに人間が運営するガチャなら、当たりがないことはないだろうし、覚悟を決めてから突っ込むのも一つの生き様として私は否定しませんよ!(ただし自己責任で)

2019-03-12 23:33:07
計量ちゃん❄️準備中 @Keiryo_tan

@chemica_tan ちょっと実験してみました。「設定確率p = 1/θ」のガチャを、θの3倍回回したときの「全部外れ」確率です。確かにだいたい5%に近づきます。 pic.twitter.com/UrddGpSQsQ

2019-03-13 07:24:02
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係数の3はどこから?

「3」を導いてみます。

ガチャの設定確率をp(= 1/θ)として、
n回連続外れの確率は
(1−p)^n
「xθ回連続で外れる確率が5%になる」の方程式は
(1−p)^xθ = 0.05

式の両辺の対数をとって、
xθ log(1−p) = log(0.05)
⇔ x (log(1−p) / p) = log(0.05)

左辺のかっこ部分は、pが0に近い(θが十分大きい)とき、
(log(1−p) / p) ≈ −1
https://www.wolframalpha.com/input/?i=ln(1-p) / p; p = 0 to 1

よって、
x ≈ −log(0.05) = 2.995…

というわけで、係数は近似的にほぼ3(定数)となりました!

ちなみに、90%の確率で当たる(10%の確率で全部外れ)の場合や99%の確率で当たる(1%の確率で全部外れ)の場合も論理は変わらないので、
−log(0.1) = 2.302…
−log(0.01) = 4.605…
とそれぞれに対応する係数を計算できます。2.3と4.6としちゃってもいいかな。

(余分な話。Wikipediaのページにある導出は、気になる箇所が…。まあ大方の人は気にしないのかも…?)