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小野憲史 @kono3478
ゲームクリエイター育成会議という対談誌を5冊作って、専門学校の非常勤講師を2年やって、だんだん問題意識が見えてきました。そこで3月26日にファミスタの父として知られる岸本好弘氏をゲスト講師に迎えて勉強会を開催します。peatix.com/event/602873 #ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
岸本先生はナムコ→コーエー→東京工科大学メディア学部と活躍され、現在は「遊びと学び研究所」を主催され、ゲームデザインとゲーミフィケーションについて研究されています。勉強会「ゲーミファイネットワーク」でも代表世話人を務められています。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
さて、明日は「リアルタイムバトル将棋」の発売日ですね。ターン制ではなく、任意のタイミングでコマを動かすことができる将棋ゲームです。動画映えするゲームで、注目を集めています。silverstar.co.jp/2019/03/6248.h… #ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
それでは、このゲームは元の将棋と比べて、どの程度おもしろい(あるいはつまらない)のでしょうか? コマを1回ずつ動かすのではなく、2回ごとに動かすのでもOKです。元のゲームのルールを変えたら、ゲームのおもしろさはどのように変化するのでしょうか? #ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
これを正確に測定するのは不可能です。第1におもしろさの客観的な指標が存在しないこと。第2におもしろさの感じ方は人によって異なるからです。一方でゲームを遊べば誰でも、(その人にとって)おもしろいか否かがわかる。この対称性がゲームの特徴です。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
そのため多くの会社では「売れたゲーム=おもしろいゲーム」としています。しかし売れたゲームがすべて、特定の人にとっておもしろいわけではない。会社やタイトルによっては発売前にフォーカステストやソフトロンチなども行いますが、それも限界があります。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
その一方でオリジナルのゲームを作る場合は、新しいアイディアを出して、ゲームデザインをする必要があります。ちょっとゲームのルールを変えただけでも、おもしろさがどのように変化するか予測できないのに、彼らはどのようにゲームを作るのでしょうか?#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
自分が知る限り、優秀なゲームデザイナーは日頃から大量のゲームを遊び、そこからおもしろさの要素と、それを作り出すメカニクスを抽出して、ファイリングしています。それだけでなく、本や映画など多彩なエンタメに触れて、同様にファイリングしています。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
自分のことだけでなく、他人がゲームをどのように遊ぶか、あるエンタメに触れて、どこで感動したり、喜んだりしているかについても、常にチェックして、ファイリングしています。優秀なゲームデザイナーは皆、勉強家であり、優れた観察家です。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
その上で、必要に応じて過去のファイルから材料を取り出し、それらを組み合わせたり、そこからインスピレーションを受けたりして、ゲームをデザインしていきます。人によっては大量のファイルから自分なりの法則を見つけ出し、体系化して本を書く人もいます。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
これは言語学習のプロセスに似ています。優れたゲームデザイナーはゲームデザインのノウハウを帰納的に学び、そこで構築したメンタルモデルを用いて、演繹的にゲームをデザインします。いろいろな書籍や論文も出ていますが、やはり自分自身の勉強が大事です。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
ちなみに映画では脚本が作品性や興行性を図る指針になります。そのためには脚本を書く力や、脚本から全体像を推し量る力が必要になります。そのための学校や教授法もあります。ただ、ゲームでは、まだまだ(世界的に)発展途上です。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
それでは学生は何をどのように学べば良いのでしょうか。学生とプロとでは、圧倒的に学んだ時間が異なります。メンタルモデルの厚みが違います。これは仕方がありません。どんなベテランでも最初は素人でした。そのため重要なのは学ぶ姿勢と強さです。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
では、学生を指導する講師に求められるのは何でしょうか。学生に目標を示させて、励ます姿勢でしょう。異論があるかもしれませんが、これはプロのゲームデザイナーでなくても可能だと思っています。ゲームを作るプロはゲームについて教えるプロではないからです。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
ただ、ここで講師に欠けているものがあります。業界経験がないと、企業が求めるレベルの高さがわかりません。最初に説明したように、おもしろさの指標がなく、人によっておもしろさの感じ方が違うなら、講師は学生に何をどのレベルまで教えれば良いのでしょうか?#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
しかも、あるゲームから受けるおもしろさは、時代によっても変わっていきます。いま初代のスーパーマリオブラザーズを遊ぶと、コンティニューがないため、非常に難しく感じます。いまヒットしているゲームも同様で、10-20年後は違って感じられるかもしれません。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
そのためベテランのゲームデザイナーは皆、ゲームデザインのメンタルモデルを常にアップデートさせています。このように考えると、「いま知っていること」もさることながら、「自分は何について知らないのか」を知り、それを学び続ける姿勢が重要だとわかります。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
では、どの程度まで学び続ける必要があるのでしょうか? 人の内面は外からはわからないので、学生は自分の学習度合いを作品やポートフォリオという形で共有可能にする必要があります。企業で内定が出るレベルまで学ぶ、というのが学生にとっては目安になります。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
一方で企業が求めているのは、学生のレベルではなくて、その後の伸びしろです。作品やポートフォリオはそれを推測するための素材にすぎません。即戦力に達している学生はほとんどいませんし、おもしろさの尺度もどんどん変わっていくからです。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
最近ではゲームエンジンを企画の授業に取り入れる学校も増えてきていて、自分もUnityでそうした授業をやっています。もっとも重要なのは、アイディアを他人に伝えるための、手段の一つとして活用できるようにすることです。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
自分が授業でゲームエンジンを使っているのも、ゲームのおもしろさを分析して文章で表現するスキルを磨くには、作ってみるのが一番だという「経験則」に基づいています。自分では企画の授業をしているのではなく、ライターの授業をしているつもりです。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
余談が続きますがアートやプログラムだと学生のうちから、すごい力を発揮する例がありますが、ゲームデザインだとほとんど聞きません。理由は不明ですが、ゲームデザインが可視化しづらい点が大きいのかな、と思います。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
そこで教員はまたまた悩むことになります。可能性という目に見えない力を、どのように学生に習熟させればいいのか。そして、それをどのようにアピールさせれば良いのか。おそらく、採用する側も同じような悩みを抱えていると思います。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
これがアメリカだと新卒採用がないので、ある意味でシンプルです。企業は求職者リストから、必要に応じて必要なスキルを持った人材を採用します。同一職業・同一賃金なので、若手もベテランも同じ土俵で選ばれます。そのためスキルに乏しい学生は最も不利です。#ゲームクリエイター育成会議
小野憲史 @kono3478
ではどうするか。夏休みなどの長期休暇を使ったり、卒業後に企業でインターンをします。インターンというと聞こえは良いですが、要は無給または低賃金で働き、実践的なスキルを磨きながら、声がかかるのを待つのです。#ゲームクリエイター育成会議
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コメント

hamp@横浜山中 @32hamp 7日前
個人的にはこういう「インゲームの面白さ」「以外」の教育も欲しいなぁと。「ゲームというプロダクト」は「面白くあるべきインゲーム」と「それを操作するツール」で成り立ってるんだけど、慣れた業界人でも、わりとどっちか一方だけしか意識して無くて片方をなおざりにする事があるのよね。
hamp@横浜山中 @32hamp 7日前
最近のソシャゲだとweb出身の人が多いせいか「ツール」偏重がひどい。逆に古い人はそもそも表現力が乏しかったハードで若い時を過ごしてるからUI、UXへの理解が浅いことがある。良い「ゲーム」は人を増やし、良い「ツール」は人を減らさない。どっちもバランス良く見れる人を育てて欲しい。
hamp@横浜山中 @32hamp 7日前
あと、講師は現場にいないからセンスがと言う話題もあるが、この辺り出版の編集と一緒で「面白いことを形にするスキーム」を教え「センスを育てる支援」をする事にはなんも問題はないと思う。コンセプトを明確化させ(明確に捉え)、それがダイレクトに伝わる為の表現、ツールの取捨選択などは、既に他のエンタメ業界でカッチリとしたスキームがある。ハリウッド・プロデューサーの脚本関係とかね。
hamp@横浜山中 @32hamp 7日前
その辺りで「ライターの授業をしているつもり」というのは凄く良い。それで育った子が現場に来るのは助かる。「なんか面白そうな感じはするけどなに言ってる(書いてる)のか解らない」みたいな企画はよく見るので。伝える能力大事。というか、業界人がモチベーション持ち出しで見る企画書で意図が伝わらないなら、ゲーム化したとき、モチベは気紛れで他にも面白いことはいっぱい有るお客さんに、尚更伝わるわけ無い。
小野憲史 @kono3478 7日前
コメントありがとうございました。「良い『ゲーム』は人を増やし、良い『ツール』は人を減らさない。どっちもバランス良く見れる人を育てて欲しい。」ここ興味深いですね!ぜひ詳しく教えていただきたいです・・・
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