ラブホテルの歴史(みたいなの)

R25モバイル向けの原稿らしい。とりあえず面白かったのでトゥギャりました。
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おぴさん @Opi

昔R25モバイル向けに書いたラブホの原稿を発掘してしまった……

2010-04-08 19:15:16
おぴさん @Opi

日常生活で普通に使われる"ラブホテル"という言葉。そもそもの語源は大阪東淀川区の、とあるホテル。その名も"ホテル・ラブ"。当時の常連は「ほな、ラブ行こか」が合い言葉。このホテルの看板がグルグルと回転していたので、いつの間にかホテルラブからラブホテルになったという説。

2010-04-08 19:16:28
おぴさん @Opi

男女の逢い引き場所もさまざま。江戸時代終わりごろには愛を交わす場所が少ない! ということでソバ屋やうどん屋の2階でコトをいたすという大発明がなされた。最盛期の頃には、ソバ屋から出てくる男女は艶っぽい視線で見られたと言う。意外なところでは、汁粉屋も情事に使われたという記録もある。

2010-04-08 19:17:02
おぴさん @Opi

驚くべきことに、戦前までは屋外で愛を交わす方が一般的だったという。屋内は、芸者遊びに代表されるようにプロの遊び場であった。とはいえ、どんな時代でもルールに収まらない人たちがいるのが世の常。そんな人たちに場所を提供したのが"江戸時代のお茶屋"。ということで、ラブホのルーツはカフェ。

2010-04-08 19:17:26
おぴさん @Opi

ラブホ側もあの手この手のサービスでお客を呼ぼうとするわけだが、学生のグループにフロアごと貸してしまうラブホも存在する。このサービスを女子同士で利用して卒業旅行代わりにしてしまった強者グループも。基本的にはカラオケなどで盛り上がっているだけなので邪推しないように。

2010-04-08 19:18:44
おぴさん @Opi

一見、気楽そうに見えるラブホ経営。実は様々なノウハウが必要とされる難しい商売。特に新規にオープンさせるときは支配人の手腕がモノを言う。腕のいい支配人は、あちこちのラブホがオープンするたびに高額の年棒で引き抜かれることに。こういうさすらいの仕事人を、人は「オープン屋」と呼ぶ。

2010-04-08 19:19:27
おぴさん @Opi

オイルショックが世相に暗い影を落としていた昭和48年。東京・目黒に"超ド派手"なラブホテルがオープン。その名も「目黒エンペラー」。総工費は6億5000万以上。各種メディアが取り上げ、一躍大ブームに。お値段も最高25000円(当時)とデラックス。なんと芸能人や政治家もお忍びで。

2010-04-08 19:19:51
おぴさん @Opi

ラブホ名物回転ベッド。しかし、実際に回転ベッドを観たことのある人は少ないのでは? それもそのはず、1985年の風営法改正により、回転ベッドが禁止に。その理由には「危険だ!」ということもあったようだ。そんな「危険な」回転ベッドの回転数は……3分間に1回転……凄く遅いと思うのだが。

2010-04-08 19:20:20
おぴさん @Opi

ラブホテルのルームメイクは、普通のホテルとはひと味違う。求められるのはとにかくスピード。バスタブの湯を抜くと同時に、その湯をかきだし、風呂床の掃除を完了。風呂場の掃除は、時間にしておよそ5分。恐るべきは熟練の技。こうした技が必要とされるのも、客室の回転数が命のラブホテルならでは。

2010-04-08 19:20:31
おぴさん @Opi

ラブホテルには無茶なアイディアの設備も多数存在する。70年代初頭、大阪万博・サンヨー館の「人間洗濯機」にインスパイヤされて、円筒状の風呂に発泡設備をつけ、渦を回転させる「人間洗濯機風呂」が登場。独自開発で人気を博すも、他のラブホに採用されることはなかったという。しょんぼりである。

2010-04-08 19:20:49
おぴさん @Opi

ラブホは非日常空間。非日常空間を追い求めるために、ハイテク設備が常に導入されるのもラブホの特徴。昭和61年には、3D立体映像を導入したラブホが登場。テレビの画面を3Dで視聴できる画期的なシステムが採用。このシステムにより、何が飛び出たか? 言わずもがな、おっぱいが飛び出した。

2010-04-08 19:21:14
おぴさん @Opi

それこそ様々なお風呂が考案されてきた。その歴史には、「透明サラダボウル風呂」なる風呂も登場する。強化ガラスを使って製作された風呂サイズのガラスボウル。最大の欠点は、いかんせん安定が悪く、ひっくり返ってしまうこと。苦情が相次ぎ、あえなく撤去の憂き目に。結局、大流行には至らなかった。

2010-04-08 19:22:01
おぴさん @Opi

70年代のラブホブーム時には、とにかくウケを狙い部屋が多数考案された。アポロが月に着陸すれば、「月面部屋」を。阪神が優勝すれば「タイガース部屋」を。総理辞職やダイアナ妃結婚、政治ネタなど、とにかくネタに食いつく姿は、ロマンティックを通りこして、もはやお笑いの領域とも言えよう。

2010-04-08 19:22:44
おぴさん @Opi

ラブホには地味ながら大ヒット商品がある。「シャワーキャップ」はその代表的な商品。実はこのシャワーキャップ、セットした髪を乱したくない、水商売の方々のニーズに応えたもの。こうしたアメニティは欧米のホテルが源流だが、ラブホのアメニティは海外トップのホテルにもひけを取らない豪華さ。

2010-04-08 19:23:15
おぴさん @Opi

ラブホでは、部屋の設備を失敬してしまう客が後を絶たないという。密室であることも大きな理由だ。灰皿やタオルはかわいい部類。テレビを持ち出した剛の者も。伝説によると、タタミを盗み出したカップルもいたらしい。持ち帰ってそれを一体どうしたのか、疑問はつきない。

2010-04-08 19:23:31
おぴさん @Opi

ラブホのネーミングセンスは凄い。「べんきょう部屋」あたりは何を勉強するんだというツッコミも可能だが、「ゴジラの花束」となるとツッコミもかなり高度だ。「イポパパラニ」に至っては、もはや意味を解するのも不可能である。このネタで小一時間は持つんじゃないかという奥深い世界である。

2010-04-08 19:24:14
おぴさん @Opi

その昔、一般家庭用の健康器具を手がけていた会社があった。しかし、同社が開発した「縦横斜めに動くベッド」にラブホが飛びつき、瞬く間に電動ベッドは業界を席巻。気を良くしたその会社は、次々と面白ベッドを生み出した。そして気がつけば、その会社は、ラブホ業界トップメーカーになってしまった。

2010-04-08 19:24:47
おぴさん @Opi

クラゲをひっくり返したような温泉マークに覚えのある人も少なくなった。明治時代には地図記号として正式採用されていた温泉マーク。ところが、1950年ごろからラブホのマークとして使われ始める。以後、爆発的に普及したため、昭和51年に地図記号は廃止に。逆さクラゲも最近ではめっきりみない。

2010-04-08 19:25:28
おぴさん @Opi

ラブホでは従業員とお客が、極力顔を合わせないようにする。そこで導入されたのがエアシューター。圧縮空気でチューブ内にカプセルを移動されるこのシステム。起源は定かではないが、銀行などで利用されていたシステムらしい。なぜか条例で設置が禁止されている地域もあり、現役は非常に少ない。

2010-04-08 19:25:51
おぴさん @Opi

1990年〜93年にかけて、バブル経済が崩壊。ラブホ業界は過激なサービス合戦を展開。大阪のとあるホテルは90年から96年ごろまでにかけて、1月に一回、車が当たるという太っ腹企画を行っていた。同ホテルでは、600万円クラスの高級外車プレゼント企画なども実施していたというから凄い。

2010-04-08 19:26:22
おぴさん @Opi

2005年の夏ごろ、某有名ネットオークションでラブホ関連の出品が。なんと「ラブホテルまるごと一棟」が出品されたという。「条件が大変良く、お勧めの格安物件」というのは、出品者コメント。果たしてこのオークションの落札価格がいくらだったのか、そもオークションが成立したのかは不明。

2010-04-08 19:26:47
おぴさん @Opi

ラブホの歴史は、一方でベッドの歴史。「新幹線ベッド」「オリエント急行ベッド」「銀河鉄道ベッド」と鉄道系が進歩していけば、「ミグ25ベッド」「スペースシャトルベッド」「UFOベッド」と飛行系も負けていない。変化球としては「海亀ベッド」「王冠ベッド」なども健闘した。

2010-04-08 19:27:48
おぴさん @Opi

とまあ、こんな感じなのでした。

2010-04-08 19:28:00