地域の物語2019『家族をめぐるささやかな冒険』3
地域の物語ワークショップ2019「家族をめぐるささやかな冒険」+アフタートーク(シアタートラム) pic.twitter.com/v8GacKCqbx
2019-03-17 14:23:53地域の物語ワークショップ2019「家族をめぐるささやかな冒険」毎年ハイクオリティな発表会を見せてくれる世田谷パブリックシアターのWS。今年は「家族」がテーマで「家族のかたち」「家族とお金」の2チームにシンガポールからのゲストチームも参戦。それを1つにまとめたことで、2時間近い大作に。
2019-03-18 01:07:49地域の物語ワークショップ2019「家族をめぐるささやかな冒険」結論から言えば「お腹いっぱい」という感じ。とにかく参加者が多く、誰もが最低一度は見せ場となるシーンが設けられるため、エピソードの数もいつにないほど多い。上演時間が長くなるのも当然だ。
2019-03-18 01:17:02地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」そして1つ1つのエピソードは極めて濃密。親子・夫婦・きょうだいの関係といったオーソドックスなものから、同性パートナーや独りで老いていくことの問題まで。生きていく上で、誰もが関わらないわけにはいかない問題がてんこ盛り。
2019-03-18 01:23:19地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」現代の日本において、「家族の問題」とは、いわゆるファミリードラマ的なものだけでなく、「どのような生き方を選択するのか」という問題に他ならないことが嫌でも明らかになる。
2019-03-18 01:26:39地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」つまりこの作品で描かれたものを他人事として捉えられる観客は、どこにもいないということ。これだけ様々な問題が提出されれば、誰でも作品のどこかに「自分が直面しているのと同じような問題」を複数見いだすことになる。
2019-03-18 01:28:43地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」昨年までの数年間は「生と性」がテーマになっていたが、性的マイノリティの問題が半分くらいを占めていた。それはそれで重要な問題だが、自分自身がそこに属していないこともまた事実なので、問題との間に一定の距離を置くことが出来た。
2019-03-18 01:32:05地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」今年はそうはいかない。私はおそらく、もう数年すれば独りになり、独りで老いて死んでいくことだろうが、そうなった経緯や、どうすれば「そうではない人生」ありえたのかなどに思いを馳せずにはいられない。
2019-03-18 01:34:39地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」そんなわけで、リアルな問題を突きつけられる発表会だったのだが、実は構成に大きな不満もある。それはこれまで言ったことの裏返し。あまりにもシリアスで身につまされる問題が矢継ぎ早に繰り出されるため、途中で消化不良を起こしてしまうのだ。
2019-03-18 01:36:41地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」表現は軽妙でユーモアに満ちているが、描かれる問題は極めてシリアスなため、「ちょっと待て。俺は今のエピソードの問題についてもう少し考えたいんだ」と思っているのに、容赦なく次のエピソードが始まる。
2019-03-18 01:39:06地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」特にそう感じたのは、シーンリストで言うと10「ゲームと課金」から15「卒業」のあたり。あそこは個人的には極めてヘヴィーなテーマが幾つも描かれているため、とても消化しきれず、途中から脳にリミッターがかかってしまった。
2019-03-18 01:52:35地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」あの辺りは「そのエピソードを膨らませるだけで、軽く1時間の芝居ができるでしょう」と言いたくなるものが多数。それをああ矢継ぎ早にやられたのでは、トゥーマッチという感じで、少なくとも私は逆に心が離れてしまった。
2019-03-18 01:55:02地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」だからあそこは、途中にゲームやパフォーマンスなど箸休め的なものを入れて、オーバーヒート気味の脳を少し休ませる構成にすべきだったのではないか。
2019-03-18 01:55:57地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」もちろんそれは表現される内容が濃密だったことの裏返しだし、このWSの形成過程を思えば、どうしても詰め込み型になってしまうのは理解できる。ただ純粋に1つの作品として見た時、もう少し観客に「考える隙間」を与える構成にして欲しかった。
2019-03-18 01:56:42地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」出演者のおよそ7割は以前にも見たことがある顔で、毎年連続で出ている人もチラホラ。それだけに皆舞台上での演技は手慣れたもので、緊張したり慌てたりしているところはほとんど見られなかった。その意味でも「成熟した」という印象。
2019-03-18 01:57:18地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」周りの人が皆手慣れた感じ感じなので、今年初めて舞台に立つ人も、おそらく心強かったのではなかろうか。人数は多いが、見ていて出演者同士の「気」がしっかりと結ばれているのが見て取れた。
2019-03-18 01:59:39地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」ただそれは参加者がある程度固定されていることに由来するものなので、良い面と悪い面の両方があるはず。悪い面をできるだけ抑え、良い面だけを活かすにはどうすればいいか、なかなか難しいところだろう。
2019-03-18 02:03:06地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」ここ数年続いた「生と性」は一区切りついたものの、「家族」もそこからかなり地続きなテーマ。最近の流れを見ていると、来年も「家族」がテーマではと思うが、その次はまったく違うテーマにするのも良いのでは。
2019-03-18 02:05:47地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」もし家族をテーマにするとしても、人口の減少や経済の衰退などを視野に入れた上で、「20年後の新しい家像」に的を絞るのはどうだろうか。今回もチラリと出てきたが、そこをより社会的な背景まで入れて掘り下げる形で。
2019-03-18 02:09:28地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」今回はまったく触れられなかったが、今後は人口の減少に伴って「墓仕舞い」という問題があちこちで起きてくる。そうなると夫婦や親子といった単位だけでなく「先祖」「子孫」といったものの新しいあり方も問われてくるはずだ。
2019-03-18 02:11:31地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」公共劇場のWSとしてはなかなかいい狙い目だと思うのだが、どうだろう。…と提案したところで、ひとまず終わる。
2019-03-18 02:12:44地域の物語WS2019「家族をめぐるささやかな冒険」個々の問題について私が思ったことなど、とても書ききれないわけですよ。終演後のトークでも、出演者・観客を問わず、発言がひたすら長くなったのは当然だろう。
2019-03-18 02:14:49しかし1日だけの「地域の物語」に、公演期間が短い木ノ下歌舞伎の楽日がかぶるって、演劇ファンにとっては酷な話だな。さらに言えば、木ノ下歌舞伎とアゴラの不思議少年は公演日時が完全にかぶっている。
2019-03-18 02:30:19今『コンビニ人間』を読んでいる。前半は「これって平成版『人間失格』だな」と思ったが、読み進めるにつれて、日曜に見たばかりの世田谷パブリックシアターWS『家族をめぐるささやかな冒険』と果てしなくテーマがかぶってくるところが凄い。
2019-03-19 23:54:55