- Uroak_Miku
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こんな英語の教科書は使えません。 関口 敏行 amazon.co.jp/dp/4893467913 2003年刊。中学英語教科書7社のものが取り上げられる。著者は「こう改革すれば英語教育は変わる」と主張する系の方のようですが、私は「どう改革しても無理。ひとの頭は平等ではないのだから」が結論。
2019-03-19 20:04:51『Revised Jack & Betty』(昭和28年に出た改訂第二版)の中一分をざっと眺めてみた。第一作より易しめ。 26年に『New Jack & Betty』というのが出ていて、これはもっと高度で内容も多い。 当時、中学校では英語の授業コマがばらばらで(必修教科ではなかったから)開隆堂側は二種類用意した。
2019-03-19 20:20:332)旧制中学は十人にひとりしか進学しなかった。 それが敗戦後、十人そろって進学する仕組みに切り替わった。 生徒のアタマは、平均点が大きく下がることとなった。 それからデキる子デキない子のばらつきも大きくならざるをえなくなった。
2019-03-19 20:56:134)新制初の中学英語教科書(文部省開発)『Let's Learn English』(昭和22年)と、教科書の民間刊行化の一大花火となった『Jack & Betty English Step by Step』(昭和24年)を一文一文読んでみて思った。これを中三ラストまで読み切れる子は十人にひとりではないか、と。
2019-03-19 21:03:245)『J&B』が全国で圧倒的に採用率を見せつけ、刊行元は今度は増量版の『New Jack & Betty』を出したところ「量が多すぎて教えきれない」という声があいついだ。 当時は学校によって英語の授業コマ数にばらつきがあったから。 それで今度は軽量化した『Revised Jack & Betty』を開発した。
2019-03-19 21:09:316)英語の授業コマが多い学校では『New』が採用され、少ないところでは『Revised』が好まれた。 以後『J&B』シリーズは二系統路線を維持していった。
2019-03-19 21:10:597)『Revised』の中一ぶんを読んでいくと、各Lessonに日本語によるまとめが付いているのに気が付く。 開発チームは日本語を英語教科書に挟むのを嫌がったそうですが、学校側からの要望でこういうのを設けたという。
2019-03-19 21:12:478)おかげで各Lessonでの課題が明確になった。このLessonでは三人称単数主語のときの動詞活用を学んでもらいますよ等、旧版より可視化が進んだ。 同時に、掲載される英文も、そういう課題を前より意識したものとなっていった。
2019-03-19 21:14:4110)そのせいでおかしな英文が前より増えていく。 「あなた黒板の一番上に手が届く?」のつもりで「Can you touch the top of the blackboard?」(黒板の一番上に触れてくれる?)などという不可解な英文が載っていたり。
2019-03-19 21:17:1611)これ、ネイティヴチェックの網の目を逃れてしまったものと思われます。 開発チームは「届く?」のつもりでいて、チェッカーは「触れてくれる?」と読み取って〇にしてしまったのです、おそらく。
2019-03-19 21:18:2813)十人にひとりだったのが十人そろって英語を習う(というか一回は習う)システムがいきなりまわりだして、ジャックとベティはこの無理難題による加熱を治め、和らげる潤滑油となった。 しかし潤滑油以上にはついになれなかった。
2019-03-19 21:26:5414)『Revised』に目を通すと、なんだか懐かしいんですよ。私も同じ出版社の教科書を使っていて、むろん『J&B』なんてとうに引退していたのですが、開発チームのひとりは私の代の教科書にも参加していたと後で知りました。 つまり同じ血が流れていた。
2019-03-19 21:28:5815)しょせん十人にひとりしか本当にはゴールできないものを、形だけでも全員が学び取れるものにしないといけなくなった…無茶です敗戦日本の教育システム。
2019-03-19 21:33:5918)ああ、声を大にして言いたい。「どうすればエーゴを子どもたちに楽しく学ばせられるか」を論じても無駄なのだと。それは「どんな祈りをすれば雨が降ってくれるか」と訊ねるのと同じくらいこっけいな問いなのだから。
2019-03-19 21:41:3219)戦後民主主義の欺瞞そのものであると、もういいかげん声を挙げるべきです中学英語。 小学校にまでこんなウイルスをまき散らしてどうするつもりなのか。
2019-03-19 21:43:3421)みんなこのことには実は内心気が付いている。 しかしけっして大っぴらには口にしない。 そこにいろいろな利害がかかっているから。 どんな利害か? それを冷徹にメスで暴いていくことこそが、希望といえば希望なのだと思うのです。
2019-03-19 21:53:00