【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第205話「剣の舞」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第12巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」01】 第205話です。中国モノの物語では宴席で行われる剣の舞のエピソードとして「項羽と劉邦」の逸話が有名ですが、今回は、玄徳と劉璋の眼の前で繰り広げられるエピソードの方となります。項羽と劉邦に比べて地味な方とか言わないの。

2019-03-22 12:42:55
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」02】 玄徳は蜀の救援(という名目で)で涪城(ふじょう)郊外に駐屯しているわけですが、そこでの軍師は龐統です。遠征軍の作戦司令というわけですが、その龐統に法正が耳打ちするところから今回の話は始まります。

2019-03-22 12:44:47
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」03】 法正は、張松からこの時を外すな、という密書が来たと伝えます。うむ、と龐統。すぐに二人で玄徳のところに行きます。明日、答礼の酒宴にことよせて、劉璋を招き、その席で…と龐統。答礼というのは先だって涪城で行われた玄徳歓迎の宴席に対するものです。

2019-03-22 12:47:26
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」04】 劉璋主催の宴席に対して、その御礼の意味で、今度は玄徳が主催する宴席を設けるという礼儀作法。これを利用して、劉璋の暗殺をしよう、というのが龐統の策です。もう、面倒なことはさっさと片付けてしまおうという龐統の意思が見えてきます。

2019-03-22 12:49:32
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」05】 しかし玄徳は、それはならんと待ったをかけます。こんないい機会はないという龐統、なんのためにここまで来たのか、蜀に建国する決心はどうした、と畳み掛けますが、玄徳は今すぐは駄目だと言います。

2019-03-22 12:50:47
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」06】 たしかに蜀で建国はしたいが、自分は蜀に着いたばかりで、人民に恩義を施したわけでもなく、信頼をうけているわけでもない。それなのに劉璋を暗殺して国を奪うようなことをしたら、天童に外れ、人民にも恨まれる、と玄徳は言います。

2019-03-22 12:52:32
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」07】 この玄徳の言葉に、龐統も法正も何も言えません。しかしながら、劉璋が成都に帰ってしまわれるとやっかいなことになるのは確かです。龐統は、やむをえないと、玄徳の意向を無視して、魏延に命じて劉璋暗殺を企てることにします。

2019-03-22 12:54:47
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」08】 もし、仮に孔明だったらこの場合どうしたか、と考えてみると、おそらく孔明では玄徳の意向は無視できなかったのではないか。目的のためなら主君の意向もドライに捉えられる龐統を玄徳の補佐としてつけたのは、このあたりに理由があったかもしれません。

2019-03-22 12:59:09
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」09】 さて、翌日。劉璋は答礼の酒宴に招かれます。龐統は魏延に、合図を送ったら劉璋を斬り殺せ、と命じます。そんなこととはつゆ知らず、劉璋はとても幸せものだ、と上機嫌で玄徳と酒を酌み交わします。

2019-03-22 13:00:40
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」10】 なごやかな雰囲気の玄徳と劉璋をよそに、龐統は目で魏延に合図を送ります。すると、魏延は二人の前に進み出ます。何事か、と二人の表情に対し、魏延は劉璋に、我々は着いたばかりで音楽のおもてなしができないから、剣の舞でも見せたいと言い剣を抜きます。

2019-03-22 13:03:17
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」11】 これに危機感を持ったのは、劉璋の配下。剣を振り回す魏延を見て、もし劉璋に危害を与えたら玄徳を斬れ、と部下に命じます。この部下は、剣の舞には必ず相手が立つことになってるから、自分が相手をする、と魏延と剣を合わせます。

2019-03-22 13:05:39
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」12】 余興として練習しているわけではないので、お互い一触即発の危険な状況となってしまいました。剣を合わせてお互いに剣を振り回します。もし、劉璋に危害を加えてみろ、玄徳の命はない、と部下の方は魏延の動きを牽制します。

2019-03-22 13:07:28
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」13】 魏延の動きが封じられつつあるのにやや焦った龐統は、傍らに控えていた劉封にも目配せをします。それに気づいた劉封は、面白そうだから自分も舞わせてもらおう、と入り込みます。あら、おもしろや、と歌いながら二人の剣劇に自然と入り込んでいきます。

2019-03-22 13:09:54
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」14】 それを見ていた蜀の武将たち、我も我もと加わり、舞わんかな、舞わんかなと剣の舞がさらに殺伐としたものになってきます。その様子に玄徳は、無礼であるぞ、と一喝します。

2019-03-22 13:11:26
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」15】 我ら兄弟(玄徳と劉璋)は漢室の一門として会い、心許して酒盛りをしているのに、なんたる殺伐なる剣の舞を演じてるのか、剣を離さない者は自分が斬って捨てる、と玄徳は剣を抜いて剣の舞の参加者達を脅します。この時に劉璋を斬ってたら…とか言わないの。

2019-03-22 13:14:08
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」16】 玄徳の勢いに釣られるように、劉璋も、兄弟同士の語らいに剣はいらぬ、早々に剣を外して外に出せ、と言います。黙り込む武将たち。早くせんか!と玄徳が一喝して、しぶしぶ武将たちは出口に向かい、自分たちの剣を捨てて戻ってきます。

2019-03-22 13:16:01
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」17】 それでよい、と玄徳は、兄弟で同族である我らは国家の大事を共に計ろうとすれ、お互いに人をあやめるなどとの心はいささかももたぬ、騒動を起こすようなことをするな、と戒めた後、機嫌を直せと自ら武将たちに酒をつぎにいきます。憮然とした表情の武将達。

2019-03-22 13:18:20
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」18】 無粋な家来たちの振る舞いを詫びるという玄徳に対し、劉璋はかえってこちらこそ恐縮ですと答えます。こうして、一時はどうなることかと思われた答礼の酒宴は夕方まで続き、散会。玄徳は劉璋を見送った後、龐統を叱責します。

2019-03-22 13:20:01
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」19】 自分はまだ人民に恩義も施してなく、信頼も受けているわけでないから、劉璋暗殺はならんと言ったであろうが、と玄徳は激おこです。あのようなことは二度としてはならん、と厳命する玄徳に、また遠回りをなされるか…とつぶやく龐統。

2019-03-22 13:21:45
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」20】 さて、涪城に戻った劉璋に、部下たちが早く成都に戻ってのちのちの禍を避けるべきだと言い出します。劉璋は、玄徳に自分を殺す意思はなかった、と言いますが、玄徳にその気はなくても、家来たちは違うという主張がなされます。

2019-03-22 13:23:16
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」21】 劉璋は、お前たちは心配しすぎる、と部下たちの言葉は受け入れませんでした。そんな折、漢中の張魯が葭萌関(かぼうかん)に攻め寄せてきたという報が舞い込んできます。そもそも、玄徳が蜀にやってくる口実が、実際にやってきたわけです。

2019-03-22 13:26:02
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」22】 劉璋は、玄徳、玄徳と騒ぐが、禍はそこにきたではないか、と部下たちに言い、すぐに玄徳に知らせるように命じます。玄徳が、張魯の動きを聞くと、すぐに出陣をすると言い、直ちに玄徳軍は葭萌関に向かっていきます。

2019-03-22 13:27:43
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」23】 その様子を見送る劉璋は、頼もしい有志を見よ、と言い、満面の笑みを浮かべます。しかし、部下たちは、この間に蜀の守りを鉄壁にすべきという進言をします。万一玄徳が心変わりをしたときの為の守りもすべきと。

2019-03-22 13:29:28
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」24】 これに対し、不快感を隠さない劉璋でしたが、玄徳はともかく、家来たちが何を考えているかわからない以上、用心にこしたことはない、どんなことが起きてもよいように守るべき、と次々にいわれては、劉璋もわかったわかった、という他ありません。

2019-03-22 13:30:47
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【横山光輝「三国志」講座205「剣の舞」25】 具体的にどうすればいいのか、ということになると、白水の都督(隊長)楊懐(ようかい)と高沛(こうはい)に涪水関を固めさせ、劉璋はすぐに成都に帰るということに。涪水関は玄徳が駐留していたところでが、そこから成都への侵入は許さないと。

2019-03-22 13:34:15