佐藤正美Tweet_20190101_15

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佐藤正美 @satou_masami

職業的作家に限らず、なんらかの個性的な説を公にしようとする人は、「普及(公式化)」と「個性」とのあいだで苦しむ筈です──私くらいの程度の凡人でも、書物を出版する時に、このパラドックスに悩む。

2019-01-06 20:03:00
佐藤正美 @satou_masami

「多くの人たちにわかってもらいたい」と願う反面で「きっとわかってはもらえない(もし、わかってもらえたとしても、多くのニュアンスを抹消された骨組みのみをラベル化されて普及したにすぎない)」と嘆くでしょう、きっと。

2019-01-06 20:03:45
佐藤正美 @satou_masami

「遂に、どんな個人でも、この世にその足跡を残そうと思えば、何らかの意味で自分の生きている社会の協賛を経なければならない。言い代えれば社会に負けなければならぬ。社会は常に個人に勝つ」(小林秀雄、「X への手紙」)。

2019-01-06 20:04:23
佐藤正美 @satou_masami

或る哲学者は、自らの説を公にした時に「たった一人の心の中にでも深く入れば幸せだ」と謂ったそうですが酔狂の言じゃない、切なる思いの言であることを私は実感できる。

2019-01-06 20:05:25
佐藤正美 @satou_masami

自分の説がラベル化されて普及されるよりも [ 熱狂的な歓迎の後に直ぐに忘却されるよりも ]、読者がページを長いあいだ開いたまま考えてくれる事を願わない作家・思想家はいないでしょう。

2019-01-06 20:05:59
佐藤正美 @satou_masami

私が小説を読んで面白いと感じるのは「作家の『視点』」じゃないのであって、物語の「世界」の魅力なのです──小説を読む人たちの多くは、めいめいの人生観(嗜好)が様々であっても、きっと そうでしょう。「視点」というものは読者のほうでも持っているのだから。

2019-01-13 19:03:07
佐藤正美 @satou_masami

現代小説に較べて、テレビ番組の「LAW&ORDER」のほうが私は生々しさを感じます。先日も、「LAW&ORDER」が5話連続して放送されたのを私は引き込まれて観ていました、5時間連続で! こういう面白いテレビ番組を観ることができるのだから、チマチマとした小説など読まない。

2019-01-13 19:03:42
佐藤正美 @satou_masami

「LAW&ORDER」(米国テレビドラマ)は、fictionである事を言明していますが、(たぶん、実際に起こった事件をモデルにして台本が書かれていて、) 生々しい。日本の刑事物と較べてみて、「リアリズム」の違いを まざまざと感じます。

2019-01-13 19:04:18
佐藤正美 @satou_masami

こう言っては申し訳ないが、日本の刑事物は「LAW&ORDER」と較べたら「紙芝居」に見える。あるいは、簡略化された「箱庭」に見える。

2019-01-13 19:04:50
佐藤正美 @satou_masami

「リアリズム」という感性が西洋と日本では違うのかもしれないですね。日本の映画作品の中で「リアリズム」を私が感じた作品は小津安二郎監督の作品です──「秋刀魚の味」には生々しさを感じて、見終わっても余韻に浸って暫し立ちあがる事ができなかった。

2019-01-13 19:05:17
佐藤正美 @satou_masami

小林秀雄氏の言を借用すれば、「模造品のうちに、僕らが掴えて来た原物の印象」が刻まれているのでしょう。平成生まれの若い人たちが、彼(あ)の作品を退屈しないで観るかどうかは私にはわからないけれど、少なくとも昭和30年代までに生まれた人たちは郷愁に近いものを感じるのではないかしら。

2019-01-13 19:05:48
佐藤正美 @satou_masami

小説が そういう生々しさを欠いては、小説の他にも面白い作品は色々あるのだから、そして小説以外の作品──たとえば、映画作品──が大衆を惹きつける理屈抜きの魅力を持っているのであれば、小説が読まれなくなっても当然でしょうね。

2019-01-13 19:06:19
佐藤正美 @satou_masami

小説が「人間生活の総合的な再現」だとすれば、小説家の筆力が弱くなったというは [ 小説家として立とうという志を持った人物であれば、文章作成の技術が下手という事はないでしょうから ]、とりもなおさず、小説家の体験・見聞している人生がみすぼらしいという事ではないか。

2019-01-13 19:06:53