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化学史⑤

駅メモのキャラクター、新阪ルナが化学について解説します。 今回の内容:電気の発明と、それが化学にもたらしたものについて
科学 歴史 駅メモ 化学 化学を教えてくれる新阪ルナ 科学史
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化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
今回のテーマは、ずばり"電気"なんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
せやけど、電気と化学について本格的に語る前に、電気の歴史について見ていこうと思うんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
電気を大きく二つに分けると、静電気と電流(動電気)があるんよ。 静電気っていうのは、電気の粒が一箇所に固まった状態のことを言うんよ。 電流(動電気)っていうのは、電気の粒が継続的に動いている状態のことを言うんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
静電気と電流(動電気)のうち、静電気の方は、紀元前600年頃には既にその存在が知られていたんよ。当時は琥珀を猫の毛皮でこすったりして静電気を起こしていたんやけど、当時のそれは磁力と勘違いされていたんよ。
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16世紀には、ダ・ヴィンチの一つ下の世代あたりの、カルダノさんっていう数学者・医者が、電気と磁気は違うものだと言い始めたんよ。余談やけど、この人はタルタリアが発明した門外不出の新しい数、"虚数"を、勝手に自分の本に書いてめちゃめちゃ怒られた人なんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
本格的な化学の時代である18世紀に入ると、静電気は体系的に研究されだしたんよ。18世紀中頃には、ライデン瓶っていう静電気を大量に貯める装置(後の平賀源内のエレキテル)が発明されたり、電気量や電圧、クーロンの法則といった、電磁気学に関する基本的な概念が整理されていったんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
転機が訪れたのは1771年イタリアでのことなんよ。医師のガルヴァーニさんが、解剖用のカエルの両足に違う種類の金属でできたメスをくっつけると、なぜか電気が発生して両足が痙攣することを発見したんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
フランス革命を挟んだ1800年には、イタリアのボルタ伯爵が、ガルヴァーニから着想を得て、亜鉛と銅を交互に重ね、間に塩水を染み込ませた紙をはさんだもの―ボルタ電池―を発明したんよ。これが動電気の始まりなんよ。この電池の起電力は0.76V、今のよくある円筒形の乾電池の半分くらいの力なんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
そして7年後、イギリス王立研究所のハンフリー・デービー(1778〜1829)は、この出来たばかりの新しい道具を100個単位で使ってカリウムを、数日後にナトリウムを発見したんよ。驚くなかれ、その一年後にはカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、ついでにホウ素を発見・単離したんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
これは、"化学者の中では"最も多く元素を発見した記録なんよ。他にもデービーは、当時海酸として理解されていた塩素(化学史④に詳説)を命名し直したりしているんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
ここでデービーが発見・単離した元素を見てみるんよ。これは周期表の左端だけ抜き出したものなんやけど、左から一・ニ番目の列にデービーの元素が固まっていることがわかると思うんよ。 pic.twitter.com/eVueoQ9Khk
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化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
これにはもちろん理由があるんよ。これまでの金属元素の発見・単離っていうのは、たいてい自然界で酸化物などとして存在している石から、酸素を引っ剥す、つま還元して取り出されていたんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
その方法としては、18世紀にはたいてい炭と一緒に燃やしたりするというものが取られていたんよ。でも、この方法だと、酸素と特に結合が強かったりする、周期表の左側、特に左下のシャイな元素たちは出てきてくれないんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
ここで電気を使うと、この制限を完全に突破して金属を取り出すことができるんよ。デービーは、溶融塩電解と言って、金属の塩に電気をガーッと流して、それを溶かしながら電気分解していくという方法で、シャイな元素たちの単体を次々と発見していったんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
ではなぜ静電気やなくて電流(動電気)なのか?っていうのは割と単純な理由なんよ。静電気だと一瞬で放電してしまうから、実験を進めるのに安定した電力を供給できないんよ。せやから、動電気の発明までシャイな元素たちは発見されなかったんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
余談なんやけど、デービーさんは詩才があって、さらにそこそこイケメンやったんよ。彼はイギリス王室研究所のスターとなり、彼の公開公演は多くの人を惹きつけたと伝えられているんよ。若き日のマイケル・ファラデー(1791〜1867)もその一人だったんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
後に三塩化窒素の爆発事故で一時的に片目の視力を失ったデービーは1813年に、働かせてほしいと猛烈にアタックしてきたファラデーを助手として雇うことにしたんよ。
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ファラデーはその後様々な研究を行ったんやけど、特に電気化学分野を大きく発展させたんよ。ウチらが当たり前に使っている電池の正極や負極、イオンなどの用語や、ついでに試験管などを作ったのも彼だと言われているんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
さらにファラデーは、電気を使った化学反応の起こった量は流した電気の量と比例していること、さらに、似たような反応をする元素は同じ価数を持つことを発見したんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
当時の化学者たちは、原子が結びついて化合物が出来ることには気づいていたんよ。せやけど、調べてもわかるのは化合物に含まれている原子の重さの比だけで、化合物の中にいくつの原子が含まれているのかは全く分かっておらず、大きな混乱を招いていたんよ。
化学を教えてくれる新阪ルナ @luna_chemistry
ファラデーは原子の概念を認めていなかったんやけど、この発見は、原子の数の組み合わせが大きく絞られる足がかりとなったんよ。
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現代では化学反応は電子のやり取りとして認識されているんやけど、電気の発明と研究はこれに大きく迫る一歩となったんよ。

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