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茂木健一郎
@kenichiromogi
イギリスのEU離脱問題が混迷を深めている。なぜEUを離脱したいという人たちがいるのか。最近の各国でのナショナリズムの台頭という背景もあるけれども、イギリスの場合、それとはまた異なる特殊事情があるように思う。
2019-04-01 07:20:39
茂木健一郎
@kenichiromogi
イギリスには、伝統的にEUに懐疑的な人たちがいる。その人たちが何をエートスとしているかというと、つまりは、ルールや官僚主義が嫌いなのである。彼らは、イギリスは、大陸に比べてよりルールや官僚主義の少ない国だと考えており、そのアイデンティティを保とうとしている。
2019-04-01 07:21:49
茂木健一郎
@kenichiromogi
すでに、古典的なコメディ『イエスミニスター』でも、EUに対する懐疑が何度も登場している。例えば、EUが写真つきの身分証明書を導入しようという動きに対して、「我々は二度の大戦をなんのために戦ったのか」と導入に反対するセリフがあったりするのである。
2019-04-01 07:22:58
茂木健一郎
@kenichiromogi
イギリス国内における論調を長年に渡って観察していると、EUが大戦の惨禍を経て地域統合の一つの智慧という側面は認めつつも、「ブリュッセル」に象徴される官僚主義に対する反発がずっと通奏低音のように続いていて、そのことが、今回のBrexit騒ぎの根底にあるように感じる。
2019-04-01 07:24:36
茂木健一郎
@kenichiromogi
インテリの中には、もちろんEUという理想を尊重する人も多いけれども、一方で、大げさなルールや、形式主義を嫌う底流も確実に存在して、そのことが、今回のEU離脱の問題を複雑にしていると思う。まさに、イギリスとはどんな国なのか、そのアイデンティティが問われているのである。
2019-04-01 07:25:44
茂木健一郎
@kenichiromogi
自分自身がどんな存在なのかを探ることを指すsoul searchingという表現があるが、イギリスのEU離脱の一連の騒動はまさにそれだろう。魂の探求である以上、この騒動が収まるまで、少し時間を要するのは仕方がないのかもしれない。
2019-04-01 07:26:43