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Y Tambe @y_tambe
大腸菌群、糞便系大腸菌群、大腸菌の検査について。ここのフロー図ならわかりやすいかなぁ。 http://www.as-1.co.jp/sanifoods/comp/i_02.html
Y Tambe @y_tambe
細菌学的には「腸内細菌科 Enterobacteriaceae>大腸菌 Escherichia coli」という階層構造。これに対して「大腸菌群>糞便系大腸菌群>(衛生上の)大腸菌」というのは、あくまで衛生学上での便宜的な区分。
Y Tambe @y_tambe
腸内細菌科は、(1)グラム陰性桿菌で芽胞を作らない、(2) 周毛性鞭毛を持つか無鞭毛(=極鞭毛などではない)、(3) 通常の培地でよく発育し、(4)通性嫌気性で、(5)ブドウ糖を発酵して酸とガスを酸性…など、の形態的、生化学的な特徴を持つグループ。
Y Tambe @y_tambe
腸内細菌科には、サルモネラや赤痢菌、病原性大腸菌など、古くからよく知られてきた、代表的な経口感染症(いわゆる食中毒も含む)の病原菌がいくつか含まれている。「大腸菌群」という群は、これらの中から、サルモネラ(腸チフスの原因にもなる)や赤痢などの「伝染病」の原因菌を除外するのに有用
小比良 和威 @ohira_y
@y_tambe サルモネラは便宜上の大腸菌群に「結果的に」入っていないだけかと思っていなかったのですが、「伝染病」が除外される何か理由(発育温度)があるのでしょうか?
Y Tambe @y_tambe
「大腸菌群」は、腸内細菌科(≒通性嫌気性かつブドウ糖発酵性の無芽胞グラム陰性桿菌)のうち、乳糖を分解して酸とガスを産生するグループの総称。サルモネラや赤痢菌では代表的菌株の多くは、乳糖非分解性なので、「腸内細菌科による食中毒/消化器感染症っぽいぞ」というとき、簡易な見分けになる。
小比良 和威 @ohira_y
ああ、しまった。温度が若干違うのはO157のほうだった。サルモネラ等は乳糖だった。いかんいかん。
Y Tambe @y_tambe
ただしこの「大腸菌群」(乳糖分解菌)には、本当の大腸菌(以下、E. coli)以外に、クレブシエラ、エンテロバクター、シトロバクター、ゾンネ赤痢菌、サルモネラ・アリゾナエなどが含まれる。
Y Tambe @y_tambe
そこで次の「ふるい落とし」として「糞便系大腸菌群」として、44.5℃発育性を見る。一般に、環境由来の菌は(体温よりも低い)室温域での増殖に向いてるので、高めの温度での発育は悪い。これに対して、温血動物の糞便由来の菌は、やや高い温度でもよく増殖する(O157は例外なので要注意だが)
Y Tambe @y_tambe
ただし、これでも「温血動物の糞便由来の大腸菌群」なので、E. coli以外の菌種も該当する。そこで「(衛生学上の)大腸菌」を見分けるために行うのがIMViCテスト。
Y Tambe @y_tambe
「IMViC」はインドール(indole)試験、MR(メチルレッド)試験、VP(voges-proskauer)試験、クエン酸(citrate)試験という、4つの試験の頭文字をとったもの。この「4つの生化学性状の結果」+「乳糖発酵の腸内細菌科」という情報で、大腸菌に合致するか確認
Y Tambe @y_tambe
I,M,V,Cの結果を陽性(+)陰性(ー)で判定した場合、E. coliの場合、多くはI,M,V,Cが「++ーー」または「ー+ーー」になる。なので、このどちらかに該当したら、それを「(衛生学上の)大腸菌」としている。
Y Tambe @y_tambe
ただし腸内細菌科の鑑別ってのは、実はそんな甘いもんじゃない。まともにやろうと思ったら、20種類以上の生化学性状を確認する必要がある。ヒトから分離されてくる菌の鑑別に使う、エンテロチューブとかAPI20Eとかは、15〜20種類の性状を一度に調べたりする。
Y Tambe @y_tambe
なので、IMViC程度の数の結果では、細菌の鑑別には、あくまで「簡易検査」程度。ただし(食品に限らず、臨床検査もそうだけど)これらの検査では、必ずしも「生物学的に同定」する必要はない。あくまで「その分野において必要な範囲まで同定」できればいい。
Y Tambe @y_tambe
しかも、これらの生化学性状検査でわかるのは、あくまで「(衛生学上の)大腸菌」とか「E. coli」とかのレベル。O抗原などの種類を調べるには、別の検査(抗血清を用いた検査)が必要だし、ベロ毒素などの産生を調べるにもまた別の検査が必要。
小比良 和威 @ohira_y
@y_tambe 簡易キットのお世話になることも多いです。たとえば、こんな http://www.cscjp.co.jp/Products/FoodSafety/BioControl/VIP.html
Y Tambe @y_tambe
(承前)なので、「このIMViC (++ーー)の菌は、本当にE. coliか?」なんてのを追加検査で調べるよりも、O抗原やH抗原の血清型別や、毒素産生試験をとっとと始める方が、時間も手間もコストも有効に使える。
Y Tambe @y_tambe
乳糖分解能の有無と、あとはSSやSSBなどの選択培地で、赤痢やサルモネラは、とっとと見極め(簡易法ですが)可能ですからね…。 @ohira_y サルモネラは便宜上の大腸菌群に「結果的に」入っていないだけかと思って…
Y Tambe @y_tambe
SSやSSB培地での選択性は、サルモネラや赤痢菌の胆汁酸耐性を利用してます。大腸菌は胆汁酸(特にデオキシコール酸塩)感受性が強めなので、増殖抑制される。
Y Tambe @y_tambe
イムノクロマトは便利ですよね…抗体との反応を見るので、O抗原まで一気に確認できる。ただ抗原抗体反応の常で、非特異的な交差反応が出ることもあるので、これも過信は禁物、ですね(=簡易キットのゆえん)RT @ohira_y 簡易キットのお世話になることも多いです。たとえば、こんな
切り取り線 @kiri_tori
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Y Tambe @y_tambe
うーん、そもそも腸管出血性大腸菌が「いつごろ」出現したものか、ってのは難しいよなぁ。
Y Tambe @y_tambe
まずO157と、他のEHECであるO111やO26は別起源だと言われてて、後者の方が先にあったらしい。O157は、持ってる病原因子の解析が進んでて、もともとはEPECの一種であるO55:H7が、いろんな病原因子を獲得する過程で、志賀毒素遺伝子を取り込み、O抗原変異したもの。
Y Tambe @y_tambe
O157:H7の分離が最初に報告されたのは1982年だが、実際には、後の調査で1975年に発生していた出血性下痢のサンプルからも検出されている。また、大腸菌による出血性下痢症の報告はPubMedでは1952年には既に見られる。それ以前についても、赤痢に混じってた可能性があるし。
Y Tambe @y_tambe
大腸菌自体は「ほぼ常在」でも、大腸菌のうち、どの株を保有してるかはウシ個体で異なるでしょう。O抗原別の保有率のデータは、多分どっかから出てると思うけど…せいぜいでもEHEC株保有は数%程度くらいじゃないのかなぁ。 @Slight_Bright @MatobaRyouhei
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