
鳥人間コンテスト事故の裁判の結末
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やったー今日中にとりあえず出せたよー:第42回鳥人間コンテスト当落まとめ #鳥コン当落まとめ - Unknown -はてなブログ版- jinrikiplane.hatenadiary.com/entry/20190402…
2019-04-02 22:40:00
TLに鳥人間コンテストの話題が出てくるので、思い出して書く。たまに「そういえば裁判ってどうなったの?」と聞かれるけど、結論としては「どうも何らかの手打ちをして終わったらしい」です。
2019-04-02 20:12:56
曖昧な書き方なのは、原告から「何も言えなくなった」とだけ聞かされたから。民事裁判で、公判準備整理はしたけど公判もせず、取り下げもしない(してたら公表される)ってことは、一般的には和解したうえで「公表しない」ことを和解の条件のひとつにしたパターンだろう、と。
2019-04-02 20:16:01
なので、和解はしたのだろうけどどういう条件なのかといったことについては僕は一切知らないです。なお僕は原告に協力はしたけど当事者ではないので、和解条件に縛られはしませんが、そもそも和解したかどうかさえ知らされてないという立場。
2019-04-02 20:18:16
というのは去年の鳥コン放送ぐらいの頃の話なんだけど、放送前後にこういう話をすると不必要にバズる可能性があって嫌だったので、思い出した今書いてるという。
2019-04-02 20:19:41
ただ、そうなった理由と関係するかはわからないけれど、読売テレビが「そもそも後遺症と事故に因果関係がない」と主張したことがかなりヤバくて、この主張を覆せずに無関係という判例が出てしまうと大変だなとは思っていた。交通事故のむち打ち症とかがみんな無関係になってしまう。
2019-04-02 20:24:51
読売テレビが主張したのは「脳脊髄液漏出症と診断されたのは事故の数ヵ月後なので、事故が原因とは言えない」ということ。これ、交通事故でもよく問題になる。
2019-04-02 20:27:16
脳脊髄液漏出症の診断基準に「寝ていると症状がないが、起き上がると頭痛がする」というのがある。でも、墜落であれ交通事故であれ、事故直後は「寝ていても起き上がっても痛い」し、怪我の程度によってはそもそも起き上がれない。
2019-04-02 20:28:43
数ヵ月たってようやく起き上がれたとき、起き上がったときだけ頭痛がするので脳脊髄液漏出症だと診断される。それを「事故と因果関係がない」と言ってしまうと、事故の民事訴訟で脳脊髄液漏出症を認めることができなくなってしまう。
2019-04-02 20:30:23
裁判(の公判準備)が始まって何年も経ってから、突然読売テレビがこれを持ち出した理由はわからないが、経営陣か管理職とかが変わって「いつまでやってるんだ、さっさと終わりにしろ」と言ったんじゃないのかなーという気はしてる。
2019-04-02 20:32:27
公判準備の初期の段階で、読売テレビの責任についてはきれいに論破されてて、以後は読売テレビの責任は争点にされていなかったので、何年ものあいだ読売テレビは「弁護士が裁判所に呼ばれて、何もせず帰ってくる」状況だったので、何もしなくても負けることはなかったんだけどな。
2019-04-02 20:35:27
あと、鳥人間コンテストの名誉のために、そろそろこの話は明かしていいと思うので書いておく。実はこの裁判で読売テレビを訴えたのは、鳥人間コンテストのスタッフが「訴えてくれ」と言ったから。訴えてくれないと、裁判で証言することができない。
2019-04-02 20:37:21
どう考えても責任はチーム側にあるが、企業としては被告になっていない裁判にわざわざ首を突っ込むことはできないから、証言もできない。チーム側が「責任は大会運営にある」と主張したとき、読売テレビが被告になっていないと反論の証言ができない。
2019-04-02 20:39:21
原告が当時の読売テレビの担当者に初めて事故のことを話したとき、担当者は涙ながらに、負傷に気付かなかったことを詫び、協力を惜しまないことを約束し、自ら九工大へ事情聴取に行ったという。
2019-04-02 20:42:54
しかし、九工大側は全く責任ある回答をしなかった。これ以後、九工大チームが鳥人間コンテストの審査を通らなかったのは仕方がない。大会運営側としては、この状況で出場を認めるわけにはいかない。
2019-04-02 20:45:08
そういった経緯で、読売テレビは裁判の被告になったので、「テレビ局から賠償金を取ろうとしている」という論調になったのは当時、とても予想外で「失敗した!」と思った。
2019-04-02 20:46:44
何を失敗したのかというと、そもそもあの裁判が表沙汰になった女性自身の記事、記者にいろいろ説明したり、不適当な表現がないかチェックした人の1人が僕だから。「チームに責任がある」ことを強調した結果、「読売テレビは悪くないのに訴えられた」という印象が強くなってしまった。
2019-04-02 20:50:23
こういう事情なので、鳥人間コンテスト事務局はあの事故に関してはとても誠実だったし、事故後は「辞退禁止ルール」変更など安全策に奔走したし、実際は原告との関係も良好で「鳥人間コンテストをもっと良くする」という共通目的でやってたんですよ。
2019-04-02 20:53:12
また、学生チームは何回もメンバーが入れ替わっているので今の学生は知り得ないことだけど、あの裁判が始まる前と今を比べると、参加者の安全意識はデフォルトで高まってると思う。とても底上げされた印象を受ける。
2019-04-02 20:54:55
あと、鳥人間コンテスト事務局もやはり会社員であって、個人的な倫理観や意欲と、企業論理の板挟みなんだということを強く感じた。だから、僕が大会運営を批判するときは、彼らが企業論理の壁に負けず、本音を通すための後押しになれたらいい、という気持ちも込めている。
2019-04-02 20:58:50
後遺症と事故に因果関係がないなんて主張、鳥人間コンテスト事務局が言うはずがないので、法務と弁護士が考えたんだろうと思うんだけど、そんな方法で被害者の訴えを潰すなんて、社会の公器たるマスメディアがすることじゃない。むしろその不条理を糾弾する側であるべき。
2019-04-02 21:05:00