茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2182回「忙しいですか?という質問に当惑する理由」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2182回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、「忙しさ」について。

2019-04-07 05:44:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

よく、「忙しいですか?」と質問される。その度に、どう答えたらいいのかわからなくなる。世間の人の「忙しさ」のイメージと、私の持っている「忙しさ」のイメージの間に乖離があるからである。「お時間はありますか?」とも聞かれる。この質問にも困る。

2019-04-07 05:45:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

「忙しい」というのは、なにか人にあったり、具体的な課題があったり、締切があったり、そういうことが続いていくというイメージでいるのだと思う。そのようなものを外部的忙しさだとすると、「忙しさ」にはもうひとつの次元がある。

2019-04-07 05:46:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

人に会ったり、なにかイベントがあったり、課題があったり、そのような外部的な要因が全部なくなると「暇」になるのかというとそうではなくて、常に手元に取り組みたい仕事がスタックしている。そのような仕事を、外部的な要因がなくなった瞬間に始める。つまり、「暇」はない。

2019-04-07 05:47:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

手元にスタックしている、内部的な課題(それは多くは長い時間がかかるものだし、一生かかっても終わらないものかもしれないが)は、外部的な要因がなくなった瞬間に始めるものだから、基本的に「空き時間」はない。外部的な要因がなくなることが、「忙しくなくなる」ということではない。

2019-04-07 05:48:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上のような「忙しさ」の構造は、私だけでなく、多くの人に共通のことではないかと推定する。だとすると、他人に、「忙しいですか?」と聞く人の質問の意図がわからない。「忙しさ」の構造モデルが違うのか、あるいはものごとをクリアに見ていないか、どちらかなのだろう。

2019-04-07 05:49:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

結論として、外部的な要因が全部なくなって、世間から見れば「暇」に見えるような状況になっても、実は「暇」でもなんでもなくて、手元には無限に続く(かと思われる)作業や仕事がある。そういう人生は楽しいし、子どもたちにも、人生の「暇」や「忙しい」はそういうものだと教えてあげたい。

2019-04-07 05:51:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2182回、「忙しいですか? という質問に当惑する理由」について、6つのツイートをお届けしました。

2019-04-07 05:52:48