高峰秀子さんに聞く

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高峰秀子 @HidekoTakamine

「馬」は、市販のビデオテープの場合百三十分で、かなりカットされているが、実は二時間三十分の長編作品である。

2019-04-03 17:01:04
高峰秀子 @HidekoTakamine

おもえば、映画「馬」には、ひっそりと静かな戦争反対という下敷きがかくされていた、と、いま気づくのは私だけだろうか?

2019-04-03 19:01:07
八百屋長兵衛🍡OSAKA @rook0081

私も並木座で見たとき思いました。

2019-04-08 21:00:16
高峰秀子 @HidekoTakamine

「馬」は、私の少女時代の代表作などといわれているけれど、「馬」の撮影期間中、私は馬と仲よしになるヒマなどなく、あけてもくれても初対面の馬とのつきあいで、ただバタバタしていた、という思い出しか残っていない。映画とは、ことほど左様に、もっとも本当らしいウソ、インチキの固まりなのだ。

2019-04-03 15:01:02
高峰秀子 @HidekoTakamine

いまや「なつメロ」ならぬ古映画ブームというけれど、私は信じない。現在の映画界が、あまりにヒドく、無気力になったから、その反動にしかすぎないのだ、と私は思っている。前に進むことができなければ、あと戻りをするよりテがないではないか。

2019-04-02 19:01:17
高峰秀子 @HidekoTakamine

辛辣さにおいては、木下恵介、黒澤明の御両人に、まず、対抗できる映画監督はいないでしょう。

2019-04-01 19:01:09
高峰秀子 @HidekoTakamine

撮影現場は十中八九、やかましく、ややこしいところと相場が決まっていますが、それでも例外がないでもありません。私が知る限りでは、御存知、小津安二郎監督と、成瀬巳喜男監督の撮影現場がその例外でした。

2019-04-01 15:01:05
高峰秀子 @HidekoTakamine

俳優座に籍をおく東野さんは、特異なマスクと独特な持ち味で、舞台でも映画でもピカリと光る脇役である。東野英治郎という名前は、ご存知のとおりテレビの「水戸黄門」のシリーズでぐんと有名になったけれど、東野さんの芸の真髄はあんなマンガチックな役どころに発揮されるようなものではない。

2019-03-30 17:00:52
高峰秀子 @HidekoTakamine

一本の映画は、平均して二百カット前後の小間切れカットの連続によって完成されている。その中の、わずか一場面、たったの一カットでも、人々の心に長く残れば、その映画は名作である、と私は思っている。

2019-03-31 17:01:12
高峰秀子 @HidekoTakamine

【高峰秀子 自薦十三作】 馬 春の戯れ 雁 二十四の瞳 浮雲 張込み 無法松の一生 女が階段を上る時 名もなく貧しく美しく 山河あり 放浪記 華岡青洲の妻 恍惚の人 amzn.to/2J0Uo8F

2019-03-27 06:00:04
高峰秀子 @HidekoTakamine

ちょうど日本映画の成長期にめぐり合ったということか、その頃は子役主演の、いわゆる「お涙頂戴映画」が流行っていたから、私は女の子役だけでは追いつかず、髪を坊ちゃん刈りにされて男の子役までかけもちさせられる、という忙しさであった。

2019-03-28 09:01:08
高峰秀子 @HidekoTakamine

私が、自分の発声、発音の悪さに気づいたのは十六歳のときだった。きっかけになったのは『小島の春』という映画に、小さな脇役で出演した杉村春子さんの演技だった。はじめて出会った杉村さんのあまりの上手さに仰天し、同時に、自分の俳優としての未熟さを思い知って、慄然とした。

2019-03-26 17:00:52
高峰秀子 @HidekoTakamine

映画『二十四の瞳』に最大の功績があったのは、音楽(木下忠司)のほとんどに小学唱歌を用いたこと、現在では俗臭芬々たる観光地になってしまったが、バスもタクシーも宿屋さえロクになかった、当時の美しい小豆島の風景である。youtu.be/TWNl2IbVJMs

2019-03-26 09:00:44
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高峰秀子 @HidekoTakamine

女工時代はスッピン。牛屋の女中時代は日本髪の銀杏がえし。カフェの女給時代は下手なコテ塗り。……野良犬のような上目づかい。首をつき出した不安定な歩き方。半音の多い台詞のイントネーション。それらを思いきりデフォルメして、アクの強い(林)芙美子を演じることにした。

2019-03-28 19:01:29
高峰秀子 @HidekoTakamine

仕事というものは「せいぜい“しつこい”くらいがよろしい」と、私は思っている。このごろの世の中は、無礼、無造作、無神経が横行するばっかりで、“しつこく”ない人が多すぎるからである。

2019-03-26 23:00:59
高峰秀子 @HidekoTakamine

安手な時代劇に登場する若侍たちが、まるで現代のサラリーマンのような身のこなしでひらひらと動いているのも、腰が入っていない証拠で、少なくとも武道の経験がある侍なら、あのような動きはしないし、第一できない。

2019-03-26 13:00:47
高峰秀子 @HidekoTakamine

子供の世界の「いじめ」については、私なりの意見はたくさんありますが、一言でいえば、現今の節度をわきまえないふやけた大人の世界の反映だと思います。

2019-03-31 23:01:21
高峰秀子 @HidekoTakamine

『浮雲』のクランク・イン前、森(雅之)さんと私は「徹底的に痩せよう」と協定を結んだ。栄養満足、デブの富岡とゆき子では、それだけで『浮雲』はオジャンになってしまう、と考えたからだった。

2019-03-25 19:01:25
高峰秀子 @HidekoTakamine

『浮雲』の「富岡」は、いつも受け身でだらしがなくて、そのくせちょっとインテリで、女好きのするヌエのような男である。富岡が森(雅之)さんなのか、森さんが富岡なのか、わからなくなるほどの名演技であった。

2019-03-25 17:01:12
高峰秀子 @HidekoTakamine

『浮雲』で、映画の自分を捨て去ったという当時の森さんの心中を思うと、同じ俳優として涙が出るほど切なく、そして口惜しい。私は五十も百もの演技賞を森さんに捧げたい。『浮雲』で森さんに助けてもらったことに、どんなに感謝していたことか、名優だった森さんをどんなに尊敬していたか、を伝えたい

2019-03-25 23:01:30
のえ @noebox

高峰秀子×森雅之の『浮雲』撮影スナップ集。4枚目はデコちゃんの笑顔が素敵で大好きな1枚。幸せになった富岡さんとゆき子を見てるかのよう(幸せになれない) pic.twitter.com/rig5QFH09U

2019-03-05 19:28:47
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