【ケイ惑】眠りの声

蛍×惑 古い言い伝えにある神の遣い。 遺跡の奥で眠り続けるその神を決して起こしてはいけない、そう語り継がれていた。
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大崎巧実(裏) @mboxtw2

忘れてしまわないうちにネタのメモ。CPはケイ惑。いつもの完全パラレルの天使物(好きだなホント) BGMはこれ 【鏡音リン】THE THIRD HOPE - FULL ver.【東方VOCALOID】 nicovideo.jp/watch/sm163520… 全ての始まりはその国に伝わる一つの言い伝えから。

2019-04-12 18:25:31
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その国には遠い昔から言い伝えられてきた一つの伝説があった。 遠い昔、その地に降り立った神の遣いの物語。 光をまとうその使いは人々を助け、そして導いたという。 けれど。その伝説は最後にこう締めくくる。決してその神の遣いを求めてはいけないと

2019-04-12 18:27:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その神の遣いは今でもこの地のどこかで眠り続けていて、その眠りを妨げてはいけないと言い伝えられていた。 けれどある時代。人はその神の遣いが眠る遺跡を見つけてしまった。 どうしてもその神の遣いを呼び起こす必要があったから。

2019-04-12 18:28:48
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その国は大きな戦争をしていて、力を求めていた。 故に、伝説に謳われるその神の遣いがどうしても欲しくて、ずっと探し続けていた。 そうして掘り起こされた一つの遺跡。その奥に眠っていたのがわっくん。彼は時の王に呼ばれ、目を覚ましてしまう

2019-04-12 18:30:44
大崎巧実(裏) @mboxtw2

何故、伝承では惑を起こしてはいけないのか、その理由までは書いてなかった。 ただ伝えられているのは彼の驚異的な強さだけ。 そして目を覚ましたわっくんは王の期待に応えるに充分の強さを見せつけた。

2019-04-12 18:32:08
大崎巧実(裏) @mboxtw2

一度戦場へ舞い下りれば勝利は約束され、王や民の望むままわっくんは幾度も戦場を飛び、富を持ち帰ってきた。 沢山の人に慕われ、崇められたけれど。ある時、いつものように飛んだ戦場で彼は一人の青年と対峙する事になる。 勿論、これがケイなのだけれど。

2019-04-12 18:34:07
大崎巧実(裏) @mboxtw2

自国の兵士達の屍を積み上げたその中に佇む一人の青年。 体中を傷だらけにしながらも手にした刃で向かってくる兵士達をねじ伏せた。 その戦場でわっくんとケイと戦う事になるのだけれど、結果は引き分け。 決着をつける事無くわっくんは退却を余儀なくされた。

2019-04-12 18:36:34
大崎巧実(裏) @mboxtw2

兵士達に促されて退却する時、わっくんの耳が声をとらえた。 「惑」って囁くように呼ぶ声。けれど誰もわっくんを呼んでる人はいないし、戦場で自分の名前を呼ぶ人などいなかった。 彼は『神様』と崇められていたから、名前を呼ぶ人さえいなかったのね

2019-04-12 18:38:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

けれど、それ以来。戦場でケイを見る事は無かった。 それというのもわっくんが出撃する戦場はすべて『ケイのいない場所』。 その事にわっくんが気付くのはずっと後だったけれど。 ただ、記憶に焼き付いたケイの事がずっと気になっていたのだけれど。

2019-04-12 18:39:42
大崎巧実(裏) @mboxtw2

訳が分からないまま時間だけが過ぎて行って。 そしてわっくんは自軍が壊滅的な打撃を受けている戦地の情報を聞く。 でも国は惑に出撃願いを出さなかった。 民達が死んでいくその場所にわっくんは俺が行く、って進言するけれど何故か許可が出なくて。

2019-04-12 18:41:03
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その事に疑問を持ちつつも、命令が無ければわっくんは動けない。 どんどんと戦況は悪くなっていく光景に何度も何度も自分を連れていけ、と叫んだ。 けれど上層部は首を縦に振らない。 我慢の限界が来たわっくんは飛び出してしまうのだけれど。

2019-04-12 18:43:05
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうして飛んだその戦場にいたのはケイ。 以前見たように全身酷い怪我で覆われながらも一人その地に立っていた。 ただぼんやりとそこに立っていたケイは、空から降りてきたわっくんを見て、「惑」って名前を呼んだ。視点の定まらない表情のまま。

2019-04-12 18:45:51
大崎巧実(裏) @mboxtw2

何故、見知らぬ青年が自分の名前を知っているのか。 そう問いかけてもケイは何も答えない。彼はずっとぼんやりとしたままで、ただそこに立っているだけ。 攻撃を仕掛けなければ何も返してこない。けれど殺意を見せれば完膚なきまでに叩き潰された。

2019-04-12 18:47:06
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうして、わっくんはケイが鎖に繋がれているのに気が付くのね。 凄く厳重な枷が填められていて、戦うのに支障はないけれど、逃げる事は出来ないようになってた。 そんなケイを見ているとなんか酷く苦しかった。傷だらけの身体と、囚われた姿がとても悲しかった

2019-04-12 18:48:54
大崎巧実(裏) @mboxtw2

どうしてそんな事を思うのか理解できないまま。けれどその姿があまりにも痛々しすぎて癒してやろうとするけれど邪魔が入ってしまうのね。 飛び出したわっくんを連れ戻しに来た軍と、ケイを回収しに来た敵国。 言葉を交わす事も出来ないまま、二人は引き離された。

2019-04-12 18:50:09
大崎巧実(裏) @mboxtw2

国に帰ったわっくんはケイの事を軍に尋ねた。けれど誰も語ろうとしない。 一般の兵士は突然現れた死神だと噂していて、でもその詳しい情報は軍の上層部が握っていて下には知らされていない。 で、ようやくなんか可笑しいぞ、と惑が疑い始めるのね

2019-04-12 18:51:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ケイの事を調べようとするわっくんを、何故か上層部は止めに入る。 あんなのを気にする必要はない。神はこの国を守ってくれればいい、そんな感じで。 けれど敵の事は知っておかなければ作戦も考えられないだろ?って言っても何一つ教えてはくれなかった。

2019-04-12 18:52:43
大崎巧実(裏) @mboxtw2

で、わっくんは上層部を問い詰める。アンタらは俺に何か隠してないか、って。 何かが可笑しい。でも『何』かはわからないまま、わっくんはあがいてた。 心の奥でずっと何かが叫んでた。目をそらすな。それは見落としてはいけない大事な事だと

2019-04-12 18:53:53
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうして、わっくんはとうとう上層部が隠したがっていた事を知る。 わっくんの記憶には鍵がかけられていて、一部の記憶が抜け落ちている事。 そしてそれは目を覚ました時に中途半端に起こされたせいだった事。 それを国はあとから気付き、そしてその重大さに恐れおののいた

2019-04-12 18:55:45
大崎巧実(裏) @mboxtw2

わっくんが失くした記憶は眠りにつく前の事。 どうして彼があの遺跡に眠っていたのかの本当の理由。そして、伝承が何故、惑を起こすなと伝えていたのかの本当の理由。 すべてはケイを起こさない為。惑は彼と一緒に遺跡の中で眠っていたから。

2019-04-12 18:56:51
大崎巧実(裏) @mboxtw2

伝承にはケイの記載は何一つ書かれていなかった。それは焼失した記録で、失くしてほしい、と遠い昔わっくんが人々に頼み込んだ。 とても悲しい事だから。とても不幸な事だから。 そして、それを知っているのは自分だけでいいから。 二度と起こさないでくれ、とそう惑は人に告げていた

2019-04-12 18:58:07
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その国は惑の眠る遺跡を見つけ、伝承の通りだと喜んで目覚めさせた。 けれど。その時同時にケイが眠っている事に気が付いてしまって。 惑を起こせばケイを起きてしまう。けれど国が必要だったのは惑だけ。 だから中途半端な起こし方になってしまった。

2019-04-12 18:59:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ケイを起こしてはいけない理由に気付いたのもその時。 惑は白い翼と強い光を宿した神の遣い。けれどケイは黒い翼と闇を宿した魔の遣い。 目を覚ませば良くない事が起きる、その事に気付いた時にはもう戻れなかった

2019-04-12 19:00:57
大崎巧実(裏) @mboxtw2

中途半端な覚醒をしたわっくんは記憶が抜け落ち、ケイの事を忘れてしまった。 そしてケイもまた、中途半端に起こされたせいで意識を失くしてる。 そして国はもう一つ失態をおかした。そのケイを他国に奪われてしまった

2019-04-12 19:01:58
大崎巧実(裏) @mboxtw2

意識のないケイは言われるまま動く人形。 強い闇の力は人が制御するのにはとても危険な物で。だからこそ鎖でつながれ、大人しくさせてた。 それが奪われ、そして戦場で二人は再び出会ってしまったわけです。

2019-04-12 19:03:20