谷分 章優(@himagine_no9)さんによる文化審議会著作権分科会基本問題小委員会(第1回)傍聴記

難しそうな会議名ですが、要は著作権に関する根本的な問題について話し合ってみよー、という会議。著作権の分野について精力的に取材されている谷分 章優(@himagine_no9)さんによる実況ツイートです。 大雑把にわけると、城所氏→開放派、遠山氏→規制派、という感じ。あくまで大雑把。
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今期は、今回と次回でヒアリング。第3回(5/31)に委員から意見書を出してもらって、第4回(6月下旬)に事務局が報告書案をとりまとめ、夏を目途に報告書を作るとの事務局説明。

2010-04-09 10:12:42
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今日のヒアリングは、GLOCOM客員教授・米国弁護士の城所岩生氏、弁護士の遠山友寛氏の2人。

2010-04-09 10:13:29
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なお、報告書のとりまとめに向けた論点として、事務局は「論点1 デジタル・ネットワーク社会に対する認識、評価について」「論点2 論点1での認識の下での著作権制度の果たす役割について」(つづく)

2010-04-09 10:16:08
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——「論点3 今後の検討が必要な著作権関連施策に係る(現時点で解決の得られていない課題を含む)とそのとるべき方向性について」が挙げられている。論点3が焦臭い。事務局は「保護期間延長問題について意見をいただくのもあり得る」と説明。

2010-04-09 10:16:55
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加えて、事務局資料では「現行制度を前提に著作権情報の集中処理期間や集中処理技術の検討」「新たに設けるべき支分権の規定や権利制限規定」が挙げられている。今まで議論に上がってこなかったものを、委員意見で吸い上げる!?

2010-04-09 10:18:20
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小委員会ではすでに、城所先生の発表が始まっている。

2010-04-09 10:18:54
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城所先生の発表は、パワポとレジュメが配付資料になっているので、文化庁サイトに上がった後それを参照のこと。

2010-04-09 10:20:24
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城所先生の発表の題は「グーグルが提起した著作権問題」。まずYouTubeと米国デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)の関係から話し出している。セーフハーバー条項の効用から、Tolerated Useという新しい著作物使用(ビジネス上の判断による侵害黙認)まで。

2010-04-09 10:23:51
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角川歴彦氏の言葉を引用。「iPod、YouTubeの成功は技術イノベーションによるものではなくビジネスモデルとDMCAの制度イノベーションがもたらした。新しい時代の著作権制度は、産業著作権と「国益」の視点でいかにして制度イノベーションを実現するかが問われている

2010-04-09 10:25:59
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Google Book Search問題の概要を説明(中継省略)。「孤児著作物法案は前議会まで3期連続で提案されたが、陽の目を見ず→その間隙をグーグルに突かれた形だが、今議会では未だに法案は未提出」

2010-04-09 10:27:46
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著作物利用の事前許諾を前提とする「オプトイン」制度から、まず利用して事後的に権利処理(権利者が利用を望まなければその申し入れを持って利用を停止する)「オプトアウト」制度への転換の必要性。 ※俺的要約

2010-04-09 10:30:42
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名和小太郎氏の言葉を引用。「著作権1.0の骨格は19世紀末の知的環境を反映。その後の環境変化によってボロボロに。グーグルのオプトアウトによる現行制度の組み換えは著作権2.0の提案。米国はフェアユースというオプトアウトの迂回路を拡張することによって著作権2.0が実現できる

2010-04-09 10:32:05
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「データベース米国依存のリスク」「クラウド時代の情報安全保障」にまで言及。指摘する人も多い、日本語情報であっても海外のサーバに蓄積される問題(著作権保護の結果、日本から海外へ情報が流出)。米国が9/11から警察国家化している点に懸念。 ※俺的要約

2010-04-09 10:35:02
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弁護士・遠山友寛氏「自分の小さい頃、貸本屋があって、立ち読みするとどなられていた。お金を払わないで中身を見るのが良くないと分かっていた。人のものを盗んではいけないという教育も受けている。では今はどういう時代か。著作権の問題はそういう原点が議論されていないのではないか

2010-04-09 10:41:53
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遠山氏「著作権者の承諾なしに利用しようということばかり前に出てきているのでは。著作物に価値があるのは誰も否定しない。価値があるからこそ、利用する。そして利用があって対価を得る。その対価でまた著作物を作るという原理原則。最近は「無償で利用していいのでは」という議論が多いと感じる」

2010-04-09 10:43:20
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遠山氏「デジタル化で便利になった側面は評価できるが、著作権保護の思想は薄れてきているのでは。有形なものなら、模倣品を作ると「盗む」という意識がある。しかし無形だと、コピーしても許されると思われる傾向。これは、長年弁護士をやってきて理解できない感覚」

2010-04-09 10:44:16
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書店で本を買わずにケータイカメラで写すのを「デジタル万引き」と名付けた点を評価。悪いことだと知って貰う効果。自身の経験からも、「海賊版ビデオ」と名付けて著作権侵害に対処した経緯を紹介。 ※俺的要約

2010-04-09 10:46:10
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遠山氏「何でもタダでいいという「フリー」という発想が蔓延していて、創作者を考えないという思想。価値のあるものを盗んでいるということを基本的問題として言わなければならない

2010-04-09 10:47:33
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「フリー」を歪曲して表現しているとしか思えんな。著作権絡みでは、あくまでも著作権を持つ人間が自らの著作物を開放する点に「フリー」の力点があるのだから。

2010-04-09 10:48:22
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遠山氏「価値のあるものが無くなってしまうのではと危惧。(ユーザーがよく言うような)「コピー権」に象徴されるように、10回までコピーできると、それはコピーフリーと同じようなもの」

2010-04-09 10:49:48
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遠山氏「著作権法学者を「著作権利用学者」と呼んだことがあるが、いかに著作権を著作者の許諾なく利用するかという観点から議論が発展しているのではないか

2010-04-09 10:53:26
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遠山氏「報道では、利用者の声として、何でもタダでコピーできればいいと思っているかのように言われる。しかしデジタル万引きに関するアンケートでは、大部分の人がそうは思っていないという。本当にタダで良いと思っているのかはどうも分からない」

2010-04-09 10:54:45
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遠山氏「残念ながら日本では「私的複製」の概念が固まっている。私的視聴のためならコピーして「永久」に保存していいということになっている

2010-04-09 10:55:06
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遠山氏「昨今では「日本版フェアユース」の議論をする先生もいる。著作権を守るための議論ではなく、許諾をいらないというケースを作ろうという。著作権者側がそれに対して同意するような類型なのかどうか、吟味をやらなければいけないだろうと思う」

2010-04-09 10:58:30