茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2199回「若さや熱意は絶滅するのか」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２１９９回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日に続き、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg）さん（１６歳）について。

茂木健一郎 @kenichiromogi

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg）さん（１６歳）が地球温暖化についての危機感を訴え続けているのは、すばらしいことである。彼女が彼女であることは、彼女自身の資質に加えて、社会が、そして大人たちが彼女ような存在をどう受け入れ、扱うかということにかかっている。

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グレタ・トゥーンベリさんが考え、話している地球温暖化へのアプローチは、真摯で、深いものだが、一方でそこに複雑な事象の解析や、細かい技術的な検討、ブレイクスルーのアイデアがあるわけではない。当たり前である。彼女はまだ１６歳なのだから。

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グレタ・トゥーンベリさんは、１６歳の熱意と生真面目さを持って、地球温暖化について訴えている。イギリスへの旅行も、鉄道を使ったそうだ（「私たちの世代は緊急時にしか飛行できないようになると発言）。このような生真面目さが、彼女の特徴であり、そこがインパクトを与えている。

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どの社会にも、グレタ・トゥーンベリさんのような生真面目な１６歳はいるだろう。そこからが違う。大人たちがどんな態度をとるか。彼女の熱意を正面から受け止めるのか。それとも、知識や経験が足りないと冷笑するのか。そのような分かれ道は、大人たちが自分たち自身をどう見ているのかにつながる。

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１６歳の生真面目さや熱意を冷笑する社会は、それ自体が若さや衝動を失っている。もちろん、社会全体がそうである必要はない。少なくとも一部の人が、しがらみや慣性を断ち切って本質に迫る共鳴能力を持っていればいいのだ。そうすれば、１６歳の芽生えは、大きく育っていくことができる。

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グレタ・トゥーンベリさんは素晴らしいが、彼女は小さな鏡でもあって、そこに映っているのはスェーデンの社会、そして近隣のヨーロッパの社会なのだ。どういうふるまいがどう受け止められるか扱われるかを子どもたちは注意深く見ている。冷笑する社会は冷笑する子どもたちを生み出す。

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地球温暖化はリアルな事態であり、生物多様性の喪失も今ここにある危機である。人間がもたらした大量絶滅期に絶滅しようとしているのは生物だけでなく、若さや熱意もそうである。そして、若さや熱意がすでに絶滅しかかっている社会も、地球上には存在している。

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以上、連続ツイート２１９９回「若さや熱意は絶滅するのか」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。