避難指示が解除される時、避難指示区域の実際の線量はどのくらい下がっているか:福島県南相馬市小高地区の個人線量測定

「避難指示基準の20 mSv/年をちょっとでも切りさえすれば、国は避難指示を解除して一丁あがりにしようとしている」と言い立てる人がいますが、実際に避難指示が解除される時避難指示区域の線量はどのくらいまで下がっているのか。2011年3月12日に避難指示が出され、2016年7月12日に避難指示が解除された南相馬市小高区に(2017年3月31日時点で)帰還した住民の個人線量(2017年4月1日-6月30日測定)を非帰還者(帰還者と同時に小高区から避難指示により避難後、小高区以外の南相馬市内または南相馬市外に定住している人)と比較した南相馬市立総合病院の論文が出ていたので読んでみました。 続きを読む
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参考:福島県内の空間線量率変化と避難指示区域の変遷

酋長仮免厨 @kazooooya

⚡️更新⚡️ 福島県放射能測定マップ : goo.gl/ApKqw3 【空間線量率推移(平成23年4月~平成30年4月)】 (Fukushima Prefecture Radioactivity measurement map 2011.4~2018.4) pic.twitter.com/6KmG8HQ0Vd

2018-10-27 18:00:21

上の動画の元地図(避難指示区域の枠表示なし)はこちらに公開されています(平成23年4月から30年4月まで。31年4月の分は未公開です)。
http://fukushima-radioactivity.jp/pc/
空間線量率は周辺線量等量率としてμSv/hで表示しています。
避難指示区域の区割りの指定の変遷と、避難指示解除の進行過程については、こちらのページの一番下にある大型の地図でご覧いただけます。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/cat01-more.html

nao @parasite2006

避難指示が解除された地域の空間線量率が実際にはどのくらいかは、空間線量率マップ上に避難指示区域の変遷を重ね描きしたこの動画twitter.com/kazooooya/stat… を見るとある程度わかるだろう。特に2016年4月の地図で緑色の枠内の地域(解除準備区域)を翌年2017年4月の避難指示解除時点と比較

2018-10-28 16:41:52
nao @parasite2006

2016年4月の地図で緑色の枠内の地域(解除準備区域)twitter.com/kazooooya/stat… の空間線量率の色分けは、翌年2017年4月の避難指示解除時点ではだいたい0.2 μSv/h以下。環境省の方式で推定した自然放射線からの上積み年間被曝線量が1 mSvに達するとされる0.23 μSv/hを下回る。

2018-10-28 16:52:01
nao @parasite2006

屋外の放射線測定装置でモニタリングした空間線量率が0.6 μSv/hの場合、環境省方式(自然放射線分0.04 μSv/h、一日のうち屋外で8時間&屋内で16時間生活、 屋内では建物の遮蔽効果により被曝線量が屋外の0.4倍に減少=遮蔽係数0.4と想定)で推定した自然放射線上積みの年間被曝線量は2.94 mSv/年

2018-10-28 17:18:45
nao @parasite2006

屋外の放射線測定装置でモニタリングした空間線量率が1 μSv/hの場合、環境省方式(自然放射線分0.04 μSv/h、一日のうち屋外で8時間&屋内で16時間生活、 屋内では建物の遮蔽効果により被曝線量が屋外の0.4倍に減少=遮蔽係数0.4と想定)で推定した自然放射線上積みの年間被曝線量は5.05 mSv/年

2018-10-28 17:26:37

発端

運小次郎@新党「ペンギンの生活が第一」 @hseino1

【論文】要旨要約)南相馬市岡田地区に避難解除で戻った112名と戻らなかった266名の外部被曝を個人線量計で測定して比較したところ、線量に顕著な差異はみられず、戻った住民の2017年の被曝線量は十分に小さかった。また、両者の行動パターンに顕著な差はなかった。ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31013251

2019-04-28 16:41:11
リンク www.ncbi.nlm.nih.gov Low dose from external radiation among returning residents to the former evacuation zone in Minamisoma City, Fukushima Prefectur J Radiol Prot. 2019 Apr 23;39(2):548-563. doi: 10.1088/1361-6498/ab0f87. [Epub ahead of print] 1 user
HANGUI Shin-ichi @hangui_

@hseino1 @kikumaco 南相馬市の小高、ですね。(小高区には岡田という地域もあるのでそこかと思いました)

2019-04-28 20:00:57
運小次郎@新党「ペンギンの生活が第一」 @hseino1

@hangui_ @kikumaco ご指摘ありがとうございます。たしかに小高区内ですね。 論文内では「Odaka district, Minamisoma City, Fukushima Prefecture」と記述されていました。 pic.twitter.com/j0X0ANIQom

2019-04-28 20:17:23
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運小次郎@新党「ペンギンの生活が第一」 @hseino1

「年間20mSvも被曝させるなんて許せない!」の前提が崩れつつあるわけで・・・。 もっとも、各種データを読めば、避難解除地域の追加の被曝線量が十分低いだろうことは予想はできたと思うよ。被曝線量よりインフラをどうするかのほうが問題だよね。 twitter.com/hseino1/status…

2019-04-28 17:11:15
nao @parasite2006

@hseino1 くやしい、この論文有料じゃありませんか。「20 mSv/年をちょっとでも切りさえすれば避難指示を解除して一丁あがりにしようとしている」と言い立てる人が後を絶ちませんが、この中のデータを見れば避難指示解除時点の避難指示区域の実際の線量がどの程度下がってから指示が解除されているかわかるのに

2019-04-29 01:05:59
運小次郎@新党「ペンギンの生活が第一」 @hseino1

@parasite2006 まったくです。この論文はとても重要なので、オープンアクセスにして誰でも読めるようにしてほしいし、連休明けでもいいからプレスリリースを実施していただきたいです。 ちなみに、抽出はできないので感度は低いですが、以前わたしがおこなった解析を置いておきます。twitter.com/hseino1/status…

2019-04-29 07:36:22
運小次郎@不織布マスク・手洗い推奨厨 @hseino1

情報公開に積極的な南相馬市の個人線量city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/10,0…分布の推移を避難解除(H28/7/12)の前後で検証してみた。帰還した住民は線量に関心が高く積極的に測定していると思われるが、分布のパターンに大きな変化は見られない。ちなみに帰還人数の推移は添付の通り。city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/10,3… pic.twitter.com/vLxup4UJSv

2018-10-28 10:51:10

(↑@hseino1 さんの解析結果はまとめの最後に付録として収録しておきましたのでご覧ください)

論文紹介ここから

nao @parasite2006

4月の終わりにせいのさん(@hseino1)に教えていただいた、避難指示区域(南相馬市小高区)から避難し避難指示解除後に帰還した人の個人線量を同時に避難してまだ戻っていない人と比較した論文twitter.com/hseino1/status… ようやく読めたので内容をご紹介します。

2019-05-12 15:30:19
hiroko 💉💉💉💉💉💉😷 @slowslowfood

@parasite2006 @h_okumura @hseino1 野村周平さん、及川友好さん、そして坪倉正治さんの、ですね!

2019-05-12 16:27:41
nao @parasite2006

@slowslowfood @h_okumura @hseino1 はい、申し遅れましたがご明察の通り、南相馬市立総合病院の皆様です。

2019-05-13 02:29:40
nao @parasite2006

論文の現物はこちらiopscience.iop.org/article/10.108… に公開されていますが、非常に重要な内容にもかかわらず有料で、しかも掲載雑誌の発行元が一時的にオンライン版のPay per viewサービスを中止しているため、別の有料ドキュメントデリバリーサービスに登録しないと中を見ることができませんでした。

2019-05-12 15:38:32
nao @parasite2006

研究が行われたのは南相馬市小高区。区内のほぼ全域が東京電力福島第一原発から半径20 km圏内にあったため東日本大震災翌日の2011年3月12日に避難指示が出されて住民全員が避難しましたが、2016年7月12日に帰還困難区域(地図の赤色)を除き避難指示が解除され避難していた人が徐々に戻ってきています pic.twitter.com/CAndQPV9rm

2019-05-12 16:25:42
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nao @parasite2006

南相馬市では、2011年10月から希望する市民(震災前から市内に住民登録し震災後も住民登録を市内に残している人)にガラスバッジを配布して3ヶ月間の個人線量の測定を続けています。今回解析したのは、2016年7月12日の避難指示解除から約8ヶ月と2/3が過ぎた2017年4月1日からの3ヶ月分です。

2019-05-12 16:34:25
nao @parasite2006

測定参加者を測定開始日前日の2017年3月31日時点の居住地(南相馬市小高区、南相馬市原町区または鹿島区、南相馬市外)でグループ分けして年齢分布を比較したグラフ。個人線量測定は希望者の自由参加で、参加者総数は小高区の住民登録者全体(右下)の[(112+156+110)/9079]x100 = 4.2%。約25人に1人 pic.twitter.com/30xits4uHl

2019-05-12 16:52:14
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nao @parasite2006

南相馬市の個人線量測定ではガラスバッジと一緒に調査票を配って年齢、性別、居住地、職業、生活習慣(屋外での活動時間、ガラスバッジの装着状況その他)について回答してもらい、測定終了時にバッジと一緒に返送してもらいました。(続く)

2019-05-12 17:19:08