アプロ氏によるD・ネディアルコフ大佐の「ノモンハン航空戦全史」レビュー

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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

神林長平と弐瓶勉と谷甲州と十文字青と皆川亮二と藤田和日郎と伊藤勢と伊藤悠と石川賢と安彦良和とおがきちかと速水螺旋人と石川博品とゆうきまさみと荒川弘と藤本タツキ(敬称略)のファンです。好きなものを、ただ好きだと呟きたい。

アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

時間があったので、D・ネディアルコフ大佐の「ノモンハン航空戦全史」を読んだ。 ブルガリア軍パイロットによるかなり中立的な視点にたったノモンハン航空戦の解説なのだが、 「関東軍が大本営の方針を完全無視して勝手に始めた戦争」 ということが浮き彫りになっていて、とてもアレ(´д`|||) pic.twitter.com/c8tkLbSmzq

2019-04-29 09:00:40
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

航空戦の戦果は日ソ双方が大本営発表しているというか、作者が両軍の資料を付き合わせてみたら3~4倍に割り増しして発表している。 全般的に、日ソ双方の機体・人員損耗は同じぐらいのペースだが、ソ連側が中盤以降は常に日本の3~4倍の戦力を確保していたことを考えれば、日本側は健闘している。

2019-04-29 09:04:36
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

特に、ノモンハン事件の前半では経験不足のソ連軍機が日中戦争で鍛えられた日本軍機に一方的にタコ殴りされており、ソ連全土からスペイン内戦のエース等をかき集めて緊急投入している。 ゲームみたいだ(*´ω`*)

2019-04-29 09:08:19
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

戦争序盤では、 「タイプ97が強すぎ!対抗できる新型を寄越せ!」 と前線から矢の催促が。 ソ連側は、日中戦争(ソ連も介入している)の経験から95式相手なら楽勝と踏んでいたが、新型の97式は想像以上だったらしい。 pic.twitter.com/hWsOYRWqg3

2019-04-29 09:11:25
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

ソ連側の97式への評価は ・I-16に匹敵する高速性と複翼機並の旋回性 ・機体が軽く上昇性能が素晴らしい ・航続距離が長く、滞空時間が長い ・離着陸が容易で扱いやすい ・火力は貧弱で防弾装備も皆無。打たれ弱い ・降下速度に制限があり、I-16ならダイブで振りきれる 次郎さんは良い仕事をした。 pic.twitter.com/9HLTTyaFZr

2019-04-29 09:17:32
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カズバチョフ(通称「カズバさん」) @kazubachev

@rUyaCVtIiRxgC9M 九七戦の設計者は中島の小山悌さんですね。 堀越さんは三菱で、設計したのは九六式艦戦です。

2019-04-29 16:38:11
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

@kazubachev しまった(´д`|||) 嘘を書いて申し訳ないです・・・

2019-04-29 16:54:52
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

特に、滑走距離が長く操縦も難しいI-16が主力のソ連側からしたら、97式の操作性や離着陸性能の良さは羨ましかった様子 まあ、97式のほうが滑走距離が100m以上も短いからな。 寸胴で主翼が小さいI-16は飛んでいる時はともかく、地上では見るからにバランスが悪い( ´△`) pic.twitter.com/GzYFPSuL7X

2019-04-29 09:22:41
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

日本側は97式の操作性を活かし、I-16に背後を取られたら地上スレスレまでダイブして引き起こし、舵の効きが良くないI-16を地面に「叩きつけた」らしい。 少なくとも、ソ連側は日本軍機が組織的にそういう戦術を行うと認識している。

2019-04-29 09:25:34
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

この戦争では日ソ両軍が、墜落したり戦場で緊急着陸した味方機の側に着陸してパイロットを救助するという荒業を行っているが、この時も97式の離着陸性能を良さは助けになったとか。 パイロットを大事にしないという評価が一般的な日本軍だが、少なくとも陸軍は可能な限り救助を行っていたようだ。

2019-04-29 09:29:12
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

まあ、海軍の場合は海の上で戦うから、救助したくてもなかなかな出来ないのだが(´・ω・`)

2019-04-29 09:29:57
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

97式の滞空時間の長さは諸刃の剣だった。 日本軍は数的劣勢を補うために滞空時間の長さを活かし、戦場に存在する実戦力を増やした。 これは有効な手段であったが、同時にパイロットの急激な疲労をもたらし戦争後半にボディブローのように日本軍航空隊を苦しめた。 どんなエースでも疲労には勝てない。 pic.twitter.com/jMSu0zxFnW

2019-04-29 09:34:48
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ウナム日月 @unamuhiduki

航続距離が長いゼロ戦でのアウトレンジ戦法など、パイロットの疲労度外視した作戦はノモンハンの頃からやってたんですね (で、疲労したベテランパイロットが戦死して後半ジリ貧にも全く同じ RT @rUyaCVtIiRxgC9M twitter.com/ruyacvtiirxgc9…

2019-04-30 01:54:07
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

@unamuhiduki 航続距離(=滞空時間)が長いこと自体は、パイロットにとってはとてもありがたいことなんですけどね。 ソ連機は全般的に燃料に余裕がないので、97式の足の長さを羨んでますし。 ただ、日本側はパイロットの数が少ないぶん、どうしても無理をせざる得なかったという(´・ω・`)

2019-04-30 07:11:43
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

ソ連側は、日本のパイロットが航空無線を活用したチーム戦で、特に序盤の戦いでは味方を圧倒していたと認めている。 経験の浅いパイロットたちはてんでバラバラに格闘戦を挑み、日本軍機の見事な編隊戦闘で一方的に叩きのめされた。 ソ連全土からかき集めた実戦経験者でテコ入れして互角に持ち込んだ。

2019-04-29 09:48:40
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

この時期の日本軍機にまともな航空無線とかあったか?とちょっと気になる。 あと、ソ連パイロットたちは役立たずの国産酸素ボンベを下ろしていたのであまり高度がとれず、 「97式は常に高高度から太陽を背にダイブしてくるから注意しろ」 と指示している。 pic.twitter.com/nuurxFhszp

2019-04-29 09:51:54
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

逆に、97式は火力が貧弱で打たれ脆いとも認識している。 ただし、機関銃の据え付け方の問題でソ連機は集弾性が悪く、この点も97式を羨んでいる。 ゼロ戦の20mmもそうだが、やはり現場からしたら主翼内の機銃は集弾性がいまいちで不満に思うらしい。 pic.twitter.com/aJv1oyx9zC

2019-04-29 09:56:18
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

WW2中のソ連戦闘機は機首の機関銃搭載にこだわっているが、やはりノモンハンの戦訓なのだろうか? pic.twitter.com/WjrTdbWrTk

2019-04-29 11:08:29
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

ソ連軍は97式に対抗できる戦闘機として、複翼機のI-15を引込み脚にしたI-153や、I-16の出力向上型のI-16タイプ17を投入 特にI-153は、複翼機だとなめてかかった97式が何度も痛い目にあわされていたとか。 I-16タイプ17は扱い辛くて評判が悪く、現場からは元のタイプ10を寄越せと言われる(;つД`) pic.twitter.com/lCNvvgqPD5

2019-04-29 11:14:09
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

日ソ両軍ともに、航空優勢なくして地上での攻勢は成り立たないと認識し、ありったけの航空機を投入 短期間ではあるが数十~数百機の戦闘機が乱舞する大航空戦が連日のように繰り広げられた。 ソ連側の認識では、WW2以上に熾烈な航空戦だったとのこと。 最終的に、この消耗戦は日本の敗北に終わる。

2019-04-29 11:18:45
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

航空戦の敗北がノモンハン事件の勝敗を決定したというのが、本書の結論 まあ、航空戦の本だしね(; ̄ー ̄A とはいえ、日本軍も砲兵の不足を補うために地上部隊に対する大規模な航空支援を行っているので、あながち誤りではないかな?

2019-04-29 11:21:11
アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

特に、軽快で精度の高い急降下爆撃を行う97式軽爆撃機や98式軽爆撃機は、ソ連軍にとって97式戦闘機や97式司令部偵察機と並ぶ脅威と認識されている。 pic.twitter.com/YeKoTqoyFV

2019-04-29 11:25:13
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アプロ @rUyaCVtIiRxgC9M

逆に、日本軍の重爆撃機は損害を避けるために高高度(まあ、4~6000mぐらいだが)から爆撃するのであまり脅威と考えられていない。 イ式重爆は、日本側からしても期待外れだったらしい。 pic.twitter.com/UXn1OLpam5

2019-04-29 11:28:31
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