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ドイツの詩を解釈するシリーズ「Bei einer Linde」(菩提樹の下で) Interpretation, Analyse

Joseph von Eichendorff アイヒェンドルフの詩"Bei einer Linde"の解釈。ロマン派の詩なので、比較的馴染みやすいと思います。 ドイツのギムナジウムでやる感じの内容。
解釈 ロマン派 文学 ドイツ ドイツ語
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ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
菩提樹のもとで(Bei einer Linde)の解説をするよ。 詩へのリンク: textlog.de/22684.html もう一度貼っておくね。 pic.twitter.com/psiVTL88oP
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ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
ここから3つのスレッドにわけるよ。 1つ目は語彙、2つ目は修辞技法や形式についての分析。3つ目は内容の解説だよ。
語彙
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
とりあえず、辞書をひいても分かりづらいだろう単語ばかり書いていくね。他にも質問があったら迷わず訊いてね!
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
Trieb: 1.衝動 2.(木の)芽 Liebe: 1. 愛 2.恋人(俗語) Bug: おそらく「腕」か「曲がり方」という意味。 verwachsen: (傷が)閉じる。傷跡は残っている場合と消えている場合とがあるよ。消えてないという意味だと解釈する人もいる。 Stamm: 木の幹
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
Zug: 「筆跡」とか「文字のライン」という意味もあるよ。 weilen: とどまる zuwachsen: (傷が)閉じる。過去形: wuchs zu wachsen: 大きくなる、発展する、成長する、など wohl: ここでは「きっと、おそらく」 niemals mehr: もう〜ない hienieden: この世
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
あとはこれも載せようかな。 wiedersehen: 再会する(Seh ich dich wieder? = 私はおまえと再会しているのか?)
形式
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
形式と修辞技法について。 この詩は、それぞれ4行からなる3つの詩行連(Strophe)からなっている。 Kadenz(それぞれの詩行の最後の音節の抑揚): 揚抑揚抑(mwmw)の繰り返し。 Kadenzが交互になっていることをドイツ語でalternierende Kadenzenとか、 alternierend angelegte Kadenzenとか言うよ。
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
揚の音節は、 それぞれの詩行連の1,3,4行目→5つ それぞれの詩行連の2行目→3つ
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Metrum(韻脚。リズムのこと): Jambus(抑揚格) 備考:  ◡— このリズムはドイツ語に合っているみたいで、抑揚格で書かれた詩はとても多いよ。

いわゆる"Volksliedstrophen"。

修辞技法・レトリック
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
上2つ、順序が逆のほうがよかったね。 ドイツ語では詩行をVers(複数: Verse)と言うよ。 V.1なら「一行目からの引用」を示し、 V.1fなら「一行目から次の行までからの引用」 V.1ffなら「一行目から二行以上にわたり引用した部分が続いている」 ということになるんだ。
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
疑問(修辞疑問ではない)V.1ff メタファー V.3 "Traum"(夢) Exclamatio V.5 メタファー V.11 "Wunde" (傷) アンチテーゼ V.6 verwachsenと V.11 wuchs nicht zu 他にも愛の象徴「菩提樹」とか「春 V.3」とかがあるよ。

ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
「菩提樹のもとで」は、ロマン派の詩人ヨゼフ・フォン・アイヒェンドルフによる詩だよ。 アイヒェンドルフはロマン派の詩人の中で一番有名な人の一人で、彼の詩を一編も読んだことのない高3なんて一人もいないんじゃないかな。
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
アイヒェンドルフの代表的な詩には、Mondnacht(月夜)などがあるよ。声楽が好きな人なら、これのシューマンによる歌バージョンを聴いたことがあるかも。 彼の詩の特徴は使う言葉の素朴さと形式の簡単さかな? で、それは「菩提樹のもとで」でも同じだよ。
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
とりあえずロマン派の典型的なテーマやモチーフを列挙するよ。 ・愛 ・自然(との繋がり) ・死 ・音楽 ・憧憬(遠いものなどへの) ・現実⇔夢 ・幻想 ・(理想を目指す)旅 ・不安 ・永遠 この中のいくつかは今回紹介する詩にも登場するよ。
内容
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
詩の要約: 1.語り手は一本の菩提樹を前に、「これは昔自分が付き合っていた初恋の女性の名前を彫り付けた、あの愛する木なのか?」と疑問に思っている 2.木に付けたは、癒えてあの女性の愛のように消えてしまったようだ。木の見た目も随分変化した。
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan
3.「自分自身も当時から何もかも変わってしまったが、失恋による心の傷は癒えない(むしろ広がった)。そしてこの世で癒えることはないんだろう」
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コメント

キム・カッファンすき @Kim_Kaphwan11 2019年5月7日
「菩提樹のもとで」・・・「恋のマイアヒ」かな? ↓「恋のマイアヒ」の原題は「菩提樹の下の恋」 http://tsukasastyle.com/archives/3277
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan 2019年5月7日
ちなみに、beiというのは下という意味ではないので、題の翻訳は正確ではありません。
Masami HIRATA @msmhrt 2019年5月8日
ドイツ語はさっぱりなのですが「付き合っていた」は確定しているのでしょうか? 単に相手を想い続けただけの一方的な片思いという可能性はないですか?
ドイツ語詩たん(レトリック(修辞技法)/ギムナジウム/文学) @GedichtTan 2019年5月8日
msmhrt たしかに付き合っていたかというと微妙ですが、「彼女の愛が消えてしまった」とか「あのすばらしい春の夢」とあるので、愛し合っていたことにはなります。
Masami HIRATA @msmhrt 2019年5月10日
GedichtTan なるほど、丁寧な説明をありがとうございました。
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