無罪判決批判と解決策:ミスリードして喝采を浴びた辰巳議員と正直な対応で反発された亀石弁護士
- kyoshimine
- 11538
- 146
- 9
- 80
0.ニュースへのコメント
不明確ながら監護者性交罪を紹介しているのはよいが、抗拒不能が認定できなかった岡崎支部の事例(故意の問題ではない)から、立法論として過失レイプ罪をもってくるのは、どうなんだろう。 過失犯では法定刑が大幅に下がることを紹介しないのはミスリーディング。 tokyomxplus.jp/article/201905…
2019-05-07 22:10:361.故意が認められない無罪判決へ批判と解決策
近時の4判決で、故意が認定されなかったのは、福岡地裁久留米支部(スノボサークル事案)と、静岡地裁浜松支部の裁判員裁判なんだよね。 後者は裁判員裁判だったからか、検察が控訴しないで、確定している。
2019-05-07 22:25:00故意なしによる無罪判決が不当だと考えた場合のパターン (1) 事実認定がおかしい (2) 事実認定はおかしくないが、故意で免責するのがおかしい →(2)①過失強制性交罪を新設するべき→法定刑大幅に下がるけどいいのか (2)②そもそも故意なんていらない→近代刑法の大原則を変えるのはいいのか
2019-05-07 22:28:00(3)暴行脅迫要件・抗拒不能要件を撤廃しよう→同意がなかったことの認識が必要になるから、結論はほとんど変わらない だいたいこんな感じ。 いや、これ、女性の立場からどうすればいいのかわからないんだけど、暴行脅迫要件の撤廃とか、過失犯の新設は問題の解決になってないんですよね……。
2019-05-07 22:31:35辰巳議員のミスリード
辰巳議員の国会質問があったが、上記2つの事例と最高裁の事例(これも故意が認められなかった事例)を挙げて、暴行脅迫要件を撤廃するべきと主張していた。その場合、同意の認識をどう処理するのかは言及せず。 問題提起と解決策が全然つながっていない。 twitter.com/kotarotatsumi/…
2019-05-07 22:46:46性犯罪における理不尽とも思える判決が出るのは強制性交等罪の構成要件に「暴行・脅迫」があるからではないか。撤廃を求めました。研究が進むジェンダーバイアスについても言及。 pic.twitter.com/s1V69iYINf
2019-03-26 22:30:41しかも辰巳議員は、国連の立法ハンドブックを引用して、同意の立証責任は被告人に負わせると示唆している。これは、さしあたり、無罪推定の原則を覆すものと考えざるを得ない。 質疑の内容はリンクの通り。 【無罪判決の性犯罪の具体的事情が記載されているので要注意】 kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangii…
2019-05-07 22:50:20正鵠を得ていた亀石弁護士
今、議事録も読んでみると、辰巳質問についての亀石弁護士のコメントは、正鵠を得たものだったことがよく分かる。 当時は議事録が公開されていなかったので、質疑内容をどこまで把握してのコメントだったのかがよく分からないが。立憲民主党から情報があったのかもしれない。 twitter.com/MichikoKameish…
2019-05-07 22:53:24暴行脅迫要件を撤廃しても結局合意があったかなかったかに行きつくところ、合意があったことの立証責任を被告人に負わせるというのは、刑事裁判の基本原則を根底から覆すレベルのこと。刑事司法への無理解が甚だしい。(続く) pic.twitter.com/rIeBhn12je
2019-03-28 22:36:17故意が認定できない事例は、被害者(犯罪は成立しないので、本当は被害者という言葉は使えない)から見ると、被害は生じているわけで、犯罪にならないのが納得いかないというのはよく分かる。 事実認定が間違っているケースであれば、検察官の立証や裁判所の判断に怒りを向けることもできるだろう。
2019-05-07 22:58:53問題は、事実として認識がなかった場合(※)だ。 これは逃げ場がない。せいぜい民事の損害賠償くらいだ。 ※正確に言うと、検察官が合理的疑いを超える立証ができなかった場合。あるいは、裁判官の立場から見ると、合理的な疑いがないにもかかわらず、合理的な疑いがあると判断してしまった場合
2019-05-07 23:01:43このケースで被害者(前述と同様)の納得にいく解決策を示せないのは、絶望的な状況かもしれない。 辰巳議員のように、解決策にならない立法論を声高に唱えれば、被害者の喝采を浴びることができるだろう。しかし、それは一種の嘘だし、その先に解決策はない。 (弁護士に聞くこともできたろうに…)
2019-05-07 23:17:15亀石弁護士は、嘘はつかずに、身も蓋もない現実を提示した。 そして、かなりの反発を受けてしまったようだ。これは残念なことだし、今後、つぶやき方には改善が必要なのだろう。 しかし、私は、喝采を浴びた辰巳議員より、根っこのところでは亀石弁護士の方が誠実だったし、被害者のためになると思う
2019-05-07 23:24:18上記の立法論とは別に、事実認定の問題として、検察官の立証不備や裁判所の判断を批判するというのは、もちろんあり得る話(上記(1))。 ただ、それこそ判決書さえ読まないで批判するのは難しいので(本当は証拠も見ないと難しい)、判決の公開を要求するのが現時点の筋だろう。
2019-05-07 23:35:592.岡崎支部判決(19歳の近親姦事例)
以上は、故意を認めなかった久留米支部・浜松支部判決についてだが、他の2件の無罪判決はどうか。 まず、岡崎支部判決(19歳の親娘近親姦事案)については、 (1) 事実認定の問題 (2)①監護者性交罪の要件拡大という立法論 (2)②非同意性交罪化(暴行脅迫・抗拒不能要件の撤廃)という立法論 となる
2019-05-08 09:50:07伊藤弁護士の判決紹介記事やNHK記事が、(2)②の暴行脅迫・抗拒不能要件の撤廃を主張したいがためだろうか、(2)①の監護者性交罪の要件拡大という選択肢を不当にスルーしているのは、既にまとめで議論している。 togetter.com/li/1342551
2019-05-08 09:54:04