
【シャンブル〜UC100V】山口順平氏(@hanamogera20)によるユニコーンほぼ全曲レヴュー・後編【#全UC】

吉祥寺出身。なんとなくイラストレーター。

バンド"UNICORN"の89年発表のブレイク作から「SPRINGMAN」までの楽曲を熱く語る! 「【服部〜SPRINGMAN】山口順平氏(@hanamogera20)によるユニコーンほぼ全曲レヴュー【#全UC】」togetter.com/li/1353451 @taro_romiさんから #編集部イチオシ
2019-05-10 20:18:04
以前のレビューはこちら


#ユニコーン ほぼ全曲レヴューを近々始めようと考えてます。5人のソングライターが揃った『服部』から最新作までの全収録曲が対象です。 ファンの方が偶然見つけたときに「おっ」となるような構成を思いつきましたので、以前の書きかけもありますが、改めて書きます。 ハッシュタグは #全UC です。 pic.twitter.com/Q3uOnEe4r1
2019-05-01 09:19:16

しつこく言うけど #ユニコーン のニューアルバム『UC100V』がすばらし過ぎる。音がいい、声がいい、長さが潔い。毎日聴きまくってて、逆に自分が突然飽きたりしないか不安になるほどだ。 この大傑作に到達するためにあの空白の16年間が必要だったのなら、しょうがない。また働いてくれてありがとう。 pic.twitter.com/Q4J7UMffFp
2019-04-04 18:11:54

シャンブル (2009) 旧史との最たる違いは“ロックを嗤う”筆頭格だった阿部が90sUKに感化され正攻法に変わり、バンドがツートップ体制になった点。肩の荷が軽減された民生の裏回しにより、後に電大を結成するEBI・テッシー・川西もフロントに立つ頻度が上がった。真の黄金期を告げた記念盤である。#全UC pic.twitter.com/I8g3Pa8xiq
2019-05-07 21:20:53

【1、ひまわり】阿部作品で、ボーカルは民生。新生UCの基本軸をUKロックにすると宣言した1曲目。Oasis「Whatever」「Live Forever」の抱き合わせのような曲調にのせ、5人の“空に種をまいていた”これまでと“花をつける”これからを歌う。間奏では民生がギタリストとしての15年分の成長を示すソロを披露。 pic.twitter.com/QQPDAHsw8U
2019-05-07 21:38:37

【2、スカイハイ】民生作品。このアルバムでは、多くの曲が車道を飛ばす・波に乗る・時空を超える等様々な乗り物や行き方(生き方)を有すというシンクロニシティが起こっている。“前へ進みたい”再結成初年ならではの偶然だろう。最初の乗り物はジェット。ギターロックと雄叫びを燃料にして飛んでゆく。 pic.twitter.com/VNH48bOVSH
2019-05-07 22:51:27

【3、WAO!】阿部作品。サーフィンが題材の歌だが曲調は伝統的なサーフロックというわけでなく、リズムに創意工夫のあるメロコアといった趣。民生が一流のギタリストになり、今後テッシーとの棲み分けはどうするのか…という最初の課題が清々しく解決した瞬間が記録された。サビのテッシー、凄すぎる。 pic.twitter.com/RQaYlGRjuS
2019-05-07 23:11:28

【4、ボルボレロ】EBI作品。車のボルボと舞曲のボレロからの造語とみられる。スネア連打のフィルやカスタネットに“ボレロっぽさ”はあるが、3拍子ではないからボレロではない。メロウながらも決定的なメロディに近づくと避ける捻くれ具合は「8月の」の頃と何も変わらず。EBIの異彩は再結成後も輝いた。 pic.twitter.com/lm9u5AAn5S
2019-05-07 23:26:23

【5、ザギンデビュー】民生作品。ドゥーワップ調だが、すべてが“ジャズソング”と一括りにされていたニッポン洋楽黎明期の胡散くささも醸し出されている。おそらく、そのレトロ趣味からの連想でザギンという題材が結びついたのだろう。不自然なほど低いボーカルと素っ頓狂なコーラスの掛け合いが愉快。 pic.twitter.com/WRuUzoVH7f
2019-05-08 08:03:39

【6、キミトデカケタ】川西作品。素直な編曲であれば、ヴィンテージなブギーになっていたと思しき曲調が“Perfumeみたいにやってみよう”という遊び心から紆余曲折を経た曲。彼の代表作「ロック幸せ」とは当然親和性が高く、再結成初年のツアーではメドレーで披露された。愛すべき“チョットオンチー”だ。 pic.twitter.com/5bytGyKuc2
2019-05-08 08:05:57

【7、オッサンマーチ】テッシー作品。民生の「服部」EBIの「黒い炎」に続くアッパーなオッサンソングであり、一般にそれとみられる世代に到達してからの初作。板についた彼は、以後フォーキーな作風を封印しマスコットとしてこの路線を突っ走ることに。おそらく曲名は「日産マーチ」のもじりでもある。 pic.twitter.com/i4yXPtaZ74
2019-05-08 08:13:49

【8、AUTUMN LEAVES】EBI作品。再結成が同窓会にならずに済んだ要因の1つである、退廃的なバラッド。スクラッチノイズや赤ん坊の泣き声の効果音は、些細なきっかけで危険に変質し得る人の愛情の脆さを示しているかのよう。曲名はシャンソンの有名曲と同一だが “枯葉”でなく“アキバ”の意かも知れない。 pic.twitter.com/01nqLprgVG
2019-05-08 08:27:18

【9、水の戯れ~ランチャのテーマ~】EBI作品で、ボーカルは民生。“蛇口が壊れた”で始まる予見的な洪水の歌。思い出が流される絶望と“またいつか会える”輪廻を悟っての希望を、ジオラマを俯瞰するような距離感で歌う。曲名は(ボレロで知られる)Ravelの作品と同一だが、曲調は緩やかなセカンドライン。 pic.twitter.com/Li8Pnsh6Vx
2019-05-08 08:53:09

【10、BLACKTIGER】川西作品で、ボーカルはEBI。バグルズあたりのニューウェイヴ(古びた近未来感)を想起させるドライヴソング。犬の鳴きマネでカウントをとっているが、これは「黒い炎」でのシャウトに何処ぞの犬が反応するという映像作品上の演出に端を発したものであり、セルフオマージュといえる。 pic.twitter.com/HFeAKJBN6C
2019-05-08 12:27:08

【11、最後の日】民生作品。「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を彷彿とさせるスカにのせ、男女の別れを歌う。“ある事がひびき”淡々と別れに向かうが、最後の晩には“知らぬ間に裸の僕と裸の君”になり惜しくなるという、容易にバンドの解散・再結成と重ねられる物語。彼らと同様、この男女も復縁できることを願う。 pic.twitter.com/OaOFDpENcZ
2019-05-08 12:36:46

【12、R&R IS NO DEAD】阿部作品。殺伐とした時代の中でもなお信じられるものとして、ロックを讃える歌。阿部自身がこの日まで、何に救われ孤軍奮闘してこれたかを告白するかのようだ。ただし演奏はRadio Head等に通じる陰鬱なグルーヴに終始し、希望の光よりも闇に覆われた世界のほうが脳裏に浮かぶ。 pic.twitter.com/rmfS1h6SNp
2019-05-08 12:42:45

【13、サラウンド】民生作品。前曲から一転、まるで台風一過の夕空をみるような開放的なアンサンブルのミディアムバラッド。詞はここでも“これまでとこれから”への思いだが、“つーわけで今日は何やったっけ”という軽い歌い出しに率直な阿部とは対照的な美学が表れている。いわば民生は“Paul的”なのだ。 pic.twitter.com/NdNS9CH48w
2019-05-08 12:46:04

【14、パープルピープル】作詞は川西、作曲とボーカルは民生。再結成後初の共作曲。民生と同様、川西も“Paul的”な男である。“忘れかけた妄想や勇気や自由を求めて ゼロから今さら”集まった彼らの情熱を半分はぐらかしながら代弁している。4人がラップで合流する終盤は珍妙な詞のはずなのにグッとくる。 pic.twitter.com/M0BRqTezYl
2019-05-08 12:49:06

【15、HELLO】阿部作品で、ボーカルは民生。川西による爆発的なドラミングが推進力となった“タイムマシーン”で今は亡き“君”に会いにゆくSF。その背景にあった真実を想像するよりも、時を超えて還ってきた5人の勇姿に惚れるほうが聴き方として正しい。音の重なり、声の重なり、全てに物語がある名演だ。 pic.twitter.com/UIgcmva2Xw
2019-05-08 19:24:54