エレン先生は桜木くんの想いを英訳できるか

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uroak_miku @Uroak_Miku

『マンガでおさらい中学英語』を再読。評判のいい本ですが私が読むと胸が悪くなる。例えば「What can we see here?」を「ここでは何が見られますか」と紹介しているのだけど、これはむしろ「このグラフを見て何か浮かび上がってこないかな諸君?」のニュアンスで使うことのほうが多いのです。 pic.twitter.com/wEH2dijRnW

2018-11-26 11:03:55
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篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta

.@KaoruKumi さすがにこれは、私でも不適切な訳だとは分かります。中高の試験なら減点は「すべきだけどできない」というレベル(ちなみにこの構文、私はエヴァのEDで覚えた世代)。訳としては当然バツです。こんなのが平然と売られていた事実に戦慄。

2019-05-15 00:47:28
uroak_miku @Uroak_Miku

@SHINOYAMA_Hanta こんな本がよく売れていてシリーズ化されているんですよ。中学英語からナニナニ系の書物はどれもこう。NHKのですら怪しい英文が混じっていた。

2019-05-15 10:21:14
uroak_miku @Uroak_Miku

@SHINOYAMA_Hanta 「How can we go to Midori Park?」とクミとラージが語っている恐怖の一ページ。「緑公園にはどうやっていくの?」のつもりなら「How do you get to Midori Park?」にしないと、元の英文では「ミドリ公園に向かう?あんた正気なの?」と聞こえる/読まれる。三省堂の中一用教科書から。 pic.twitter.com/kKrqvKT0qz

2019-05-15 10:19:00
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uroak_miku @Uroak_Miku

@SHINOYAMA_Hanta これの少し前の単元で車いすバスケの話があって「can」のデビュー戦でもあるのですが  Can you move easily in the chair? オーノー!それは「どう?椅子の中では気楽には動けないだろ」だから  How are you finding trying an wheelchair? (車いすを体験してみて、いかがかな?) に。 pic.twitter.com/NoUDXCPuT8

2019-05-15 10:50:27
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uroak_miku @Uroak_Miku

いきなりプロポーズしてくる殿方に「あなたってずいぶん気が早いのね」とつっこむ(こういうやり取り自体が日本のものではないわけだけど)ときに「You don't waste any time.」(時間を無駄にしないのねあなた)とさっと脳内変換するのはAIでは今後も困難か。

2019-05-15 11:02:15
uroak_miku @Uroak_Miku

メージいや江戸時代よりずっと、逐語訳的理解が西洋の言語には効かないことはわかっていた。杉田玄白が例の本の和訳に挑む際、長崎の対オランダ通関士(通訳も兼ねていた)から「やめとけ、わしらでも会話を会得するのしんどかった」と言われた。面白いので以下ちょっと紹介。

2019-05-15 11:05:38
uroak_miku @Uroak_Miku

『まんがで読破 解体新書』(イースト・プレス)より以下紹介します。 pic.twitter.com/mllYPfH7uS

2019-05-15 11:09:34
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uroak_miku @Uroak_Miku

オランダ語は習ったことがないのですがドイツ語にもこういうのあります。分離動詞といいます。あれには泣かされました。 そうそうオランダ語はかつてはフランス語とドイツ語の混血方言扱いで、その後オランダ独立戦争の際に国語として「オランダ語」が統一されたなんて逸話があったりします。

2019-05-15 11:23:36
uroak_miku @Uroak_Miku

それから17世紀に独立を果たしてより世界中に植民地を広げていって、それが「オランダ語」の輪郭をはっきりさせていったものと思われる。 大日本帝国が「外地」を広げるとともに「日本語」の輪郭をはっきりさせざるをえなかったように。

2019-05-15 11:29:07
uroak_miku @Uroak_Miku

オランダ語連合とかいう組織があって、そこが「正しい」オランダ語を取り仕切っているのだそうですができたのは1980年。ベルギー王国とオランダ王国の合意によって生まれたという。

2019-05-15 11:31:43
uroak_miku @Uroak_Miku

ドイツ語の誕生がマルティン・ルターによる聖書の世俗語訳からだったように、オランダ語の誕生もやはり聖書の翻訳からだった。 カソリックの権力から独立するシンボルとして聖書の翻訳があったのは、東洋人の目から見るととても変わっていて興味深いです。

2019-05-15 11:33:46
uroak_miku @Uroak_Miku

話が脱線したので戻します。杉田、前野コンビは結局暗号解読と割り切ってオランダの医学書を訳出していった。人体という具体的な共通理解があったので、わけわからん医学用語があっても「うずたかく」とかあたりを付けることができた。

2019-05-15 11:36:42
uroak_miku @Uroak_Miku

明治日本も西洋の文明を学ぶにあたって、やはりサイエンスやテクノロジーを共通理解の土台に置いて書物を解読していった。 フクザワは実際に欧米を回ってみることで社会制度や文化といった、共通理解の土台がないものを理解していった。切手に消印を押すという仕組みは書物では学べず見学で知った。

2019-05-15 11:39:24
uroak_miku @Uroak_Miku

しかし「あの本、どうだった?」を「How did you find that book?」とさっと脳内変換するのは、科学や技術や数学や社会制度といった岩盤を当てにできないぶん、困難を極める。 これほとんどのニホンジンは「あの本どうやって見つけたの?」と理解してしまう。

2019-05-15 11:41:25
uroak_miku @Uroak_Miku

そういうときは「Where did you find that book?」(あの本どこで見つけたの)という。

2019-05-15 11:44:04
uroak_miku @Uroak_Miku

なーんだとほとんどのニホンジンは思う。「要するに『どうやって』を『どこで』と発想を変えればいいわけね」と。 そうなんだけどこういうことは痛い目にあうか、横に導師がいるかしないと、なかなか身につかない。

2019-05-15 11:46:47
uroak_miku @Uroak_Miku

しかし学校英語では逐語訳で手一杯。人体の骨格を教えこむので精いっぱいで、筋肉がどう絡み合っているのかまではとても教える余裕がない。そもそも生徒の大半がついてこられない。

2019-05-15 11:49:07
uroak_miku @Uroak_Miku

考えてみてくださいこんなのでも覚えるのは大変なんですよ。 pic.twitter.com/omaGqxmo0c

2019-05-15 11:50:25
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uroak_miku @Uroak_Miku

こうなるとうんと難しくなるし pic.twitter.com/Fe5waAApss

2019-05-15 11:50:57
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uroak_miku @Uroak_Miku

臓器入りだともっと難しくなる pic.twitter.com/eQxpcVAQ4s

2019-05-15 11:52:06
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