- eguchi2018
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「2004年、地中海のキプロス島で驚くべき発見がありました。9500年前のお墓にヒトとネコが一緒に埋葬されていたのです。ネコとの『同居』の歴史は、従来考えられていたより3倍近くも長かったことになります」22頁
2019-05-16 15:35:39「ネコが来た道は1本でした。2007年…ドリスコルらが、ヤマネコ系統とネコの遺伝子解析を行なったところ…広範囲に分布し、5つに分かれているヤマネコ系統のなかで、中東のリビアヤマネコだけがネコの祖先だと判明した…ヒトに対して比較的警戒心弱く、またヒトになつく性質をもっていたから」24-5頁
2019-05-16 15:44:01「餌を与えるのも、1カ所にじっとさせておくのも困難――このような点から考えると、ネコの家畜化はむしろ『ネコ主導』で進んだのではないかと想像できます。…ネコはつかまって家畜にされたわけではないようです」29頁
2019-05-16 15:54:17「ネコも、自らネズミとゴミをあさるだけでなく、『かわいい』を武器にヒトから餌をもらうことを覚えたのかもしれません。ネコのかわいさも、『ネコ主導』でヒトとネコがともに暮らす生活が進んだ一因ではないでしょうか」34頁
2019-05-16 16:01:15「極東には、西から来たネコと交配できるヤマネコがいなかったので、東洋に渡ってきたネコは、独自の進化を遂げました。東洋に連れてこられ、隔離されたネコは、『遺伝的浮動』と呼ばれる現象によって、独特の被毛の模様などの変異を獲得したようです」39頁
2019-05-16 22:34:03「[優性の]長尾遺伝子がじわじわ浸透し、長尾ネコがじょじょに優勢になっている…江戸時代から日本人に好まれてきた短尾のニホンネコは、昭和に入って海外から輸入された長尾ネコと雑種化が進んでいる」47-9頁 若狭回廊地域と沖縄全域で短尾ネコが極端に少ない…前者は昔からいる唐ネコの影響か
2019-05-17 05:18:19「生殖的隔離には2つのパターンがあり、繁殖行動や繁殖時期、住んでいる場所が異なり、そもそも交配にはいたらない場合を『交配前隔離』…交配しても遺伝的に異なるために妊性のある子孫が生まれない場合を『交配後隔離』といいます」55-6頁
2019-05-17 09:34:22「地理的に隔離されており、地域間で形態や遺伝的に違いがみられる場合を亜種と分類します。…亜種間においては、生殖的隔離はないとされています」57頁
2019-05-17 09:36:34「分子進化のなかにも収斂進化がみられる例はいくつか知られています。…似ても似つかない動物を遺伝子レベルで調べてみると、意外な共通項が見つかることもあります(たとえば、イルカとコウモリは超音波を使いますが、超音波の知覚に関係する遺伝子が分子レベルで似ている」60頁 ほお~勉強になるな
2019-05-17 09:46:00「単孔類はかつて、生物地理区でいうオーストラリア区を支配するほど繁栄しましたが、7100万年前から5400万年前に侵入してきた有袋類の影響で、ほとんどが絶滅しました。しかし、カモノハシとハリモグラの祖先だけは、ライバルの有袋類が苦手な水中に逃げ場を求めたために、生き延びることができた」65
2019-05-17 10:02:16「有袋類の起源はアメリカ大陸だとする仮説が有力視されています。アメリカ大陸から当時、陸続きだった南極へ、そしてオーストラリア大陸へ分布を広げたというのです」67頁
2019-05-17 10:23:26「ジャイアントパンダとレッサーパンダは、食肉目に属しているのに、肉ではなく植物のタケを食べるという変わった食性をもっています。『パンダ』の名は、ネパール語で『タケ』を意味する『ポンヤ』に由来するといわれています」78頁
2019-05-17 11:31:06「遺伝的にジャイアントパンダはクマに、レッサーパンダは、アライグマやイタチに近縁であることがわかり、それぞれクマ科とレッサーパンダ科に分類されるようになりました」78頁
2019-05-17 11:35:46「[臭いにおいを放つ]類似点もあって、スカンクの仲間は長くイタチ科に含まれていました。しかし、遺伝的にまったく異なるグループをつくることがわかり、スカンクの仲間はいまではスカンク科として独立しています」80頁
2019-05-17 11:38:50「家畜化しやすい動物の要件…②オスが性的に優位で、配偶関係が不定の動物であること――遺伝管理するためには、一夫一婦制の動物は不適当です」116-7頁 なるほどね…ヒト社会で奴隷制がなかなかうまくいかない理由もこれかもな
2019-05-17 14:55:55「ネコは家畜化に向かない…本来『失格』ですが…ネコはいわば『ヒトの熱意』が生みだした、ある意味で特殊な家畜といえるでしょう」119頁
2019-05-17 15:06:25「ヒトと伴侶動物のあいだでは、交流を通じて親密な結びつきが構築されますが、昆虫、魚、両生類などへの興味は、おもに自然への探索的好奇心が動機になるといわれており、伴侶動物への愛着とは異なるものとされています」120頁
2019-05-17 15:13:49「世界的には、飼育総数はネコのほうが多いのですが、ネコは複数飼育する世帯が多いため、総数にすると多くなっているだけで、飼育世帯数でみるとイヌとネコはいい勝負をしているようです」122頁
2019-05-17 15:16:48「ネコ科の仲間は、ライオン以外は基本、単独生活で、糞や尿はなわばりを主張するマーキングとしても利用されるため、強烈ににおいます。その一方で、体臭はほとんどありません…ほとんどが待ち伏せ型か忍び寄り型であるため、体臭がきついと、においで獲物に存在を知られてしまうからだと」127頁
2019-05-17 15:24:45「[ネコが]トイレで排泄物に砂をかけるのは、自分の痕跡を消すためといわれており、単独で狩りをする動物の特徴が表れています。つまり、ライバルにはマーキングで存在を主張し、獲物には気づかれないように、においを隠しているのです」127-8頁
2019-05-17 15:28:23「ネコが品種ごとに異なっている点は、被毛がメインで、イヌに比べると、見た目の多様性は乏しいです。…ネコはもともと備わっているネズミを狩る能力がヒトの役に立っていただけで、それ以外の仕事には不向きだったため、イヌのような品種改良がされなかったのです」130-1頁
2019-05-17 15:50:09「『かわいい』という動機でヒトはネコを飼い慣らしてきました。ですからその品種改良も、[実用ではなく]いっそうのかわいさを求めて行なわれています。とくに美しい被毛が注目され、品種改良が重ねられてきたため、ネコの模様や毛色、被毛の形状などには、さまざまなバリエーションがみられます」131
2019-05-17 15:59:54「外見の品種改良の結果、意図せず性格も固定される可能性があるかもしれません。たとえば、スコティッシュフォールドは温和で人なつっこい甘えん坊、アメリカンショートヘアは陽気で遊び好きなど、品種ごとにある程度、性格に特徴があることが知られています」165頁 多面発現性かの
2019-05-18 05:24:06