2019年5月21日

存在驚愕:「驚き」というメタファー(と「マインドフルネスの背後にあるもの」の背後にあるもの)

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永井均 @hitoshinagai1

「なぜ無ではなく何かが存在してはいるのか」という「存在驚愕」の場合もそうだが、この種の「驚き」はメタファー(でもある点が興味深いのだが)というよりもむしろ「逆説」と言ったほうがよいだろう。そんなことに驚く人は決していないという点にこそそれをあえて「驚き」と捉える意味があるのだから

2019-01-10 21:31:43
永井均 @hitoshinagai1

だが、存在することそれ自体に「驚く」というのは、ある存在論的事実を際立たせるメタファーとして有効だと思うが、それを「喜ぶ」「歓喜する」と言い換えうるとみなすなら、それはレトリックに溺れた誤謬推理か何らかのイデオロギー的誘導だといわざるをえない。宗教はよくこれをやるから注意が必要。

2019-03-10 23:51:04
永井均 @hitoshinagai1

在りえないはずのことが在ったことに心の底から驚歎しつつそれを深く悲嘆し強く憎悪することは十分ありうることだろう。存在に対する驚歎にそれを止める力があるわけではない。驚歎を歓喜に直結させるのは、むしろ存在の矮小化ではなかろうか?

2019-03-11 11:00:01
永井均 @hitoshinagai1

「驚き」というメタファーに拘るのは適切ではないと思います。問題の意味を十全に理解しても少しも驚かない人はたくさんいます。そして、私が哲学に汚染されていない若い人に直接説明するとほぼ100%の人が問題の存在を十全に理解します。始めから薄々知っていたという人はそのうち10%ぐらいです。 twitter.com/charis1756/sta…

2019-01-08 10:38:48
永井均 @hitoshinagai1

同じ根拠から、快苦を感じる主体を存在させることは悪であるという主張も誤りだといえる。苦を生じさせることの負の価値と快を生じさせること正の価値の非対称性の議論は、すでに存在している主体に関しては成り立つとしても、主体そのものを存在させることに当て嵌めるのはやはり存在の矮小化だろう。

2019-03-11 20:02:47
halching @halching1

@hitoshinagai1 「驚愕」という言葉が「驚くべきこと」という意味を帯びることが問題と理解しました。〈私〉も、その文字列を使うことで、私という主体を想起させる側面があるのではと感じます。〈私〉に抹消記号を使いたかったのはそういう意図だったでしょうか?

2019-05-21 18:07:57
永井均 @hitoshinagai1

藤田一照氏と熊野宏昭氏との共著『マインドフルネスの背後にあるもの』の古東氏の「提題」についても、私は思想的には全面的に賛同するがその議論が成功しているとは思わない。藤田氏も熊野氏もそこに触れておられないが、共感された読者は共感的賛同と議論の評価の区別に鋭敏になってほしいと思う。

2019-03-04 22:09:22
永井均 @hitoshinagai1

私は古東氏の『現代思想としてのギリシア哲学』の文庫版の解説まで書いており、そこで自分は彼の仕事の一部分を担当しているにすぎないとまで言っているが、彼と私は思想的には同志であっても哲学的には非常に先鋭に対立している。彼の言いたいことが彼の言い方で「言えている」とは私は思っていない。

2019-03-04 21:33:33
永井均 @hitoshinagai1

逆に、私が思想的には少しも共感できないが哲学的には深く賛同しているのは、たとえば様相実在論(これこそが存在驚愕の真逆の思想だ!)のデイヴィッド・ルイスの哲学的思索である。そして、私は思想家というよりは哲学者なので、こちらの賛同の側こそを深く精確に理解してもらいたいと願っている。

2019-03-05 10:23:02
halching @halching1

永井均氏が言う、「マインドフルネス~」であえて触れられなかったこと、とは「存在驚愕」を称揚することの根拠(の不在性)だと思う。「驚き」という言葉に「それは驚くべき素晴らしいこと」が無自覚に前提されていることを、氏は言いたかったのではないか

2019-05-22 09:47:08
halching @halching1

氏が「レトリックに溺れた誤謬推理か何らかのイデオロギー的誘導だといわざるをえない。宗教はよくこれをやる」と言われ「共感された読者は共感的賛同と議論の評価の区別に鋭敏になってほしい」と続けられることはまさにそれ。

2019-05-22 09:49:21
halching @halching1

僕自身は永井氏にも藤田一照氏にも、その思想に賛同しその哲学にも賛同するものだが、とはいえ無批判に賛同するわけではない。永井氏がよく言う「私に共感するのではなく私の言うことに共感してほしい」を実践するのみと思っている。

2019-05-22 09:52:11

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