水冷式固体燃料仕様の原子力発電に対する徒然。

水冷式固体燃料仕様の原子力発電についてふと思ったことを呟いたものの集合体。私的備忘録その5。
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針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

取り敢えず自分が精神的観点からアンチニュークリアパワーだったりするのは脇に置いといてそれでもある程度使わざるを得ないと認識する原子力。特に核分裂反応を利用する方の原子力エネルギーについて少し所感を述べてみようかな。例によって思いつきで始めるので文章としては順序メチャクチャですが。

2011-05-15 15:37:03
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

先ず現在世界で主流とされてる原子力発電の形式について述べてみようかな。現在、世界中に存在する原子力発電所の大半が、二酸化ウランまたはプルトニウムを混ぜて整形したペレットをジルカロイ合金に封入した形式の燃料棒を、一次冷却材兼減速材として流す水で冷やして熱均衡を取る形式です。

2011-05-15 15:40:37
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

まァそれにも色んな形式があり、水にも種類があるのですがそれを説明すると余計にツィートを消費するので大幅に省きますね。

2011-05-15 15:41:23
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

ではこういう形式の特徴というより利点って何でしょうか? 一つは、冷却材として水が使えるという点。水は地域・気候によっては偏在気味ですが、冷却材に金属を使うよりは格段に入手が容易というのもあるんじゃないでしょうか。

2011-05-15 15:47:03
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

しかも水は中性子減速力が大きい。形式によっては必ずしも水は減速材として使われるわけではありませんが、この減速力が大きい、ということは、燃料棒を密に配置出来るということを意味します。つまり熱密度が高く、コンパクトにし易いのです。

2011-05-15 15:49:04
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

このコンパクトにし易いという利点は、民生用の点からも軍事用の点からも重要でしょう。合理性・経済性から考えるなら、コストパフォーマンスが高いことは大事ですからね。それが結果的に人類史に対して正しいかどうかは別にして、ですが。

2011-05-15 15:50:54
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

※此処から先は自分の思想とか偏った知識とかを元に意見と毒吐きを述べるのでご注意下さい

2011-05-15 15:53:42
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

一次冷却材が水冷。これは偏に冷却材の入手性の容易さと、原子力利用で世界の最先端を行った米国で、冷却材の取り扱いが簡単(溶融金属やガスを使うより)であったことから来る商用的有用性から普及した思想なのではないかな、と自分は思ってます。

2011-05-15 15:58:25
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

それに兵器級プルトニウムを生成するには、所謂軽水炉は不向きなのです。核分裂反応の結果生成されるプルトニウムは、軽水炉の場合、核兵器として使えるプルトニウムと核兵器として使えないプルトニウムの分離が困難を極めます。これは商用発電として原子力を普及させる上で大事でしょう。

2011-05-15 16:02:23
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

実際に誰にも知られずに行えるかどうかは別として、使用済み核燃料からプルトニウムを分離しても兵器級プルトニウムとして精製できるかどうかは、国家保安上重要でしょうから。一企業に核兵器を持たせるわけにはいかないでしょう。企業が核兵器を作る能力を抑止する。これは大事なことです。

2011-05-15 16:07:01
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

まァこっそりその裏で自分は「取り扱いに注意しなくてもいざとなったら冷却材として注入しやすいから」という理由で冷却材に水を使うようになったんじゃねーのかとか疑ってるんですがね。

2011-05-15 16:08:35
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

じゃァ、その欠点って何でしょうか? 自分の考える欠点から挙げてみましょう。

2011-05-15 16:09:11
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

先ず、核燃料ペレットを被覆するジルカロイ合金。これ、余りに高温になると水と反応して水素を生成するわけです。おまけに耐熱温度の問題から、一次冷却材の温度を、普通の火力発電で使うボイラーのような超臨界水の温度まで上げることが出来ない。

2011-05-15 16:10:59
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

結果として、核分裂反応で生成された熱エネルギーに対して、その利用率が1/3という状況が出来上がります。100万kw発電しようとしたら、大雑把に300万kwの熱源が必要なわけです。因みに火力だと、総合的に見て今は40~50%弱まで効率を上げてたりします。

2011-05-15 16:13:02
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

さらに一次冷却材に水を使ってると、万一冷却材を喪失した時の余裕がないんですねー。

2011-05-15 16:17:03
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

冷却材として、取り扱い易さと入手性の容易さという観点からすると水は優秀ですし、冷却材を循環させるポンプを作り易そうだとか、色々あるんですが、その水にも一次冷却材として使うに当たっての欠点がありますね。

2011-05-15 16:19:34
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

先ず、ジルカロイ合金が高温になると、冷却材を分解して可燃性ガス(=水素)を生成する点。万一の際には冷却材から爆薬に変化しかねない、というのはリスク管理の観点からするとどうなんでしょう?

2011-05-15 16:21:04
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

次に、気化したときの膨張具合が半端無い。液体としての水と気体としての水では、体積が著しく違うのは理科の実験でも習ったのではないかと想像します。水の膨張率が大きいからこそ、汽力発電ではタービンを回すだけの噴流となるわけですが。

2011-05-15 16:22:58
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

しかし「燃料の冷却材」としてはどうでしょう? 万一炉内が高温になった時、沸騰温度が100℃(但し圧力次第)の水では、注入する傍から蒸発して水蒸気となり、中の圧力を高めていきます。

2011-05-15 16:26:22
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

そしてその圧力を逃がそうとするには、中の水蒸気を冷やして水に戻し体積を減らすか、気体のまま逃がすかしかない。後者が放射性物質の放出を伴う以上、前者の手段を確保することこそが至上命題であることは明白なわけですがね。

2011-05-15 16:28:16
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

別に圧力を放射性物質を含んだ蒸気を逃がすことで解消することが悪いと言ってるのではないです。設計思想として、解決法を幾つも用意するのは当然でしょう。但し根本的に、万が一にもそのような放射性物質の放出を伴うような設計が必要な形式で原子力を使おう!という思考が正しいとは思えませんが。

2011-05-15 16:30:25
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

原子力を発電に使おう、と考えた時点で、放射性物質を緊急時には放出することを選ばざるを得ないという設計はどうなんでしょうかね?という疑義がここに発生します。まぁそれはちょっと置いときましょう。

2011-05-15 16:32:06
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

水の体積の膨張率がヤバい、という話は先に述べましたが、それはつまり、場合によっては水素による爆発だけでなく、急激な水蒸気の生成による爆発=水蒸気爆発の可能性をも潜在的に秘めている、ということでもあるわけですね。

2011-05-15 16:34:13
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

高温になり過ぎた燃料を冷やすために、果たして潜在的にそのようなリスクを孕むものを冷却材として使用することは妥当と言えるでしょうか? まァどういう風に注入する(シャワー形式にしたらマシだとは思う)かにも拠るでしょうが、リスクが否めるわけではありませんね?

2011-05-15 16:36:22
針泉@大鏡路地/「日本国は手を抜けない」小説家になろうにて連載中 @harishimizu

リスクマネジメントという点からすると、やっぱり水は冷却材として不適なのではないか、という疑問が再び発生します。

2011-05-15 16:37:12