川崎市の無差別殺傷事件 犯人がどういう生活をしていて、どういう動機で凶行に至ったのかわからないうちから、「ああ、失うものが何もない無敵の人だったんだな」という推測が広がっている。最近でも、「あぁ、犯人が逮捕されないのは「上級国民」だからか」といった憶測が広がった。
2019-05-28 19:09:50「逮捕されない特権を持つ上級国民」などというものが存在するのかどうか、事実そのものよりも、すぐに「無敵の人」とか「上級国民」といった想像力が広がることこそが、危機的といえる。今、一部の日本人、あるいは多くの日本人が、閉塞感にとらわれている。
2019-05-28 19:10:50韓流ドラマになると、これはもう、財閥の一族はあくどいことをしている、犯罪をもみ消している、政府・大統領に働きかける力を持っていて自分たちの望み通りになる、と好き放題な描かれ方をしている。
2019-05-28 19:14:28ピーナッツ・リターン事件などは、そういう「傲慢な財閥一族」というステレオタイプに当てはまる事件だったから、韓国社会であれほど騒ぎになったようだ。 そして、最近の「上級国民」言説の広がりなども、韓国化、あるいはアメリカ化する日本の風潮を感じる。
2019-05-28 19:14:50今朝、通り魔による無差別殺傷事件が起きて、孤独、貧困で失うものが何もない「#無敵の人」というのが話題になっている。欧米では無職の貧困層とか、麻薬中毒患者のような人が自暴自棄になって、銃を乱射した挙句自殺する事件というのが結構ある。が、むしろ日本では、その種の凶悪犯罪は少ない方だ。
2019-05-28 16:46:58とはいえ、統計上少ないからといって安心ということはなく、よく言われるように、福祉が削られてますます窮屈になっている現在、これからこの種の凶悪犯罪が増える可能性もある。
2019-05-28 16:47:17アメリカで銃乱射事件が起こるたびに銃規制の是非が問題になるし、銃刀法違反の厳しい日本では、ほとんどそれだけが問題のように語られがちだ。しかし、どう考えても、それだけで決着がつくはずがない。
2019-05-28 16:52:05マイケル・ムーア監督の作品は、極端な善悪二元論になりがちだが、「ぼるイング・フォー・コロンバイン」では「アメリカ人の他者への恐怖」とか、「シッコ」では「極端な自己責任論」などを洞察しているのは、さすがといえる。
2019-05-28 16:52:54アメリカは小さな政府(実態は決して小さくないが)、自己責任の国だから、働かない貧乏人には冷たくて、生活保護もガンガン削られている。日本でも、「働かず生活保護受けてマース」と「社会を舐め切った(ように見える)ニート」などがテレビに出るたびに、
2019-05-28 16:56:58「こんな奴に生活保護をやるな」とネットで叩かれるが、それが行き着いた先がアメリカ型社会なのだ。自己責任論は、アメリカ社会の病理まで引き写すことでもあるのだ。
2019-05-28 17:00:16もっとも、前にあげたことがあるが、勤労所得税控除(働く貧困層への補助金)など、アメリカには学ぶべき仕組みも多い。これが導入されるだけでも、現行の生活保護制度に対する「真面目に働くものが馬鹿を見る社会だ」といった大きな不満は、だいぶ解決される。
2019-05-28 17:00:32再掲
「クルーグマン教授の経済入門」によると、アメリカには生活保護とは別に勤労所得税控除というのがあり、働いていても貧しい人たちに、補助を出している。これはいわばマイナスの所得税で、働けば働くほどもうかるので、勤労意欲を損ねることもない。(55ページ)
2018-08-01 12:11:25賃金の問題については、最低賃金の引上げばかりに注目が集まっているが、勤労所得税控除のような仕組みがあれば、低所得層の勤労意欲も高まるし、生活保護から抜け出す意欲も高まるかもしれない。一石二鳥のはずなのに…、なぜか導入されない。
2018-08-01 12:38:26忘れてたが、書誌情報
私が持っているのは日経ビジネス人文庫だけど、そっちは絶版のようだ。 クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫) ポール クルーグマン amazon.co.jp/dp/4480092153/… @amazonJPさんから
2019-05-28 19:47:56追加
追記。低所得者への労働補助金。飯田泰之・雨宮処凛の共著「脱貧困の経済学」によると、イギリスとアメリカのノースカロライナ州で実施されているらしい(ちくま文庫、62ページ)。
2019-05-28 20:54:15