「ロック」茂木健一郎

「ロック」についての、茂木健一郎氏の連続ツイートです。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(1)お茶の水の山の上ホテルで、『ローリング・ストーン』誌日本版の方々とお話して面白かった。尾崎豊さんのこと。リニューアル後の第一号で特集されるという。いろいろと思い出していたら、心が動いて、胸が高鳴った。

2011-05-11 07:25:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(2)ロックンロールというのは、音楽のジャンルに留まらず、一つの生き方である。世間の常識にとらわれないこと。予定調和ではないこと。傍観者ではないこと。身体を張ること。言い訳をしないこと。ロックンロールな生き方を貫くのはしんどいが、きっと楽しい。

2011-05-11 07:26:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(3)尾崎豊さんは正真正銘の表現者だった。『十五の夜』や『卒業』は、自分の体験を描いたものと思いがちだが、おそらくそうではない。あれは、純然たる創造物なのでしょう、と言ったら、ローリングストーン誌の方々がうなづいていた。実際そうだったらしい。

2011-05-11 07:27:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(4)尾崎豊さんの歌う世界は、自身の「私小説」ではなく、研ぎ澄まされた創造物である。そこを見据えないと、ロックンローラーとしての尾崎さんの姿が見えてこない。「ローリングストーン」誌は、ロックのヒーローとしての尾崎豊像を特集するのだそうである。

2011-05-11 07:28:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(5)その主張が、すでに世の中の大勢になっていたり、そうすることがすでにかっこよいことになっている場合は、もはやロックではない。ロックはもっとざらざらしている。その時々の「常識」に対する反逆でもあるからだ。

2011-05-11 07:30:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(6)忌野清志郎さんの「TIMERS」としての活動は、正真正銘のロックだった。当時の大人の常識に対して、やらかしてしまっているのだから。一方、ファッショナブルな時流に乗って、一見それらしい表現をするのは、もはやロックではない。

2011-05-11 07:31:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(7)「ローリングストーン」誌の方々と、今日の日本における「ロック」って何なのだろう、と話し合った。難しいね、ということになった。今の日本で、本当に求められていること。「常識」によって抑圧されていること。ファッショナブルな時流ではないこと。

2011-05-11 07:32:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(8)相対性理論を創ったアルベルト・アインシュタインはロックだった。ロックは音楽のことではない。それは生き方だから、どんな現場にいる人も、ロックンローラーになることはできる。その際に、高度なスキルを持つことは、きっと不可欠だ。

2011-05-11 07:33:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

ロック(9)尾崎豊さんのコンサートでの姿を改めて見直すと、その技術の高さに改めて驚く。ロックするためには、スキルを磨かなければならない。今日できないことを、明日できるようにする。本当のロックンローラーは、それぞれの現場でそれぞれの「ギター」の練習をしている。

2011-05-11 07:35:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「ローリングストーン」誌の方々とお話ししたことをきっかけに、「ロック」について考えた連続ツイートでした。

2011-05-11 07:36:10