-お寺さんちのメリーちゃん(仮)- 第2話『児盗り函』編の壱

住職の息子の大学生と、都市伝説の少女の不思議な物語です。 妄想を勢いで垂れ流しの物語です。文法狂い、誤字脱字はご容赦。
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私め、神居聖護は正直困っておりました。目の前に広がる惨状に。焦げた鍋、何かが爆発したレンジ、割れ散る皿、散乱する調味料。 これはどういうことですか。目に涙を貯めながら、床にぺたんと座る少女に聞いた。…彼女はおずおずと口を開き、「ごはんを作りたかったの…。」と答えた。

2019-06-05 10:32:14
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-お寺さんちのメリーさん- 第弐話:『子盗り函』 神隠しと 小さな箱と 悪ガキと

2019-06-05 10:37:48
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あの日の出会いから数日経ち、彼女メリーもこの生活にも慣れて来た。今はまだ目を離さないに、大学でも一緒に行動するようにしていた。なぜなら、不本意ながらも頼れる人間たちが居るからだ。中堅の大学、とは言ってもここは大学。理系、文系、運動系をすり抜け、二人一緒に一室に身を滑り込ませた。

2019-06-05 11:06:29
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オカルト研究会…とは名ばかりのサブカル研究会であり、暇人やハミ出し者たちの巣窟でもある。「やぁ小坊主くん、調子はどうかね。」ハスキーボイスの女性が、部長である。部長は仇名であり本名不詳、親しい人間は知ってるらしいが「部長の方が呼びやすくていいだろ?」とはぐらかされるのがオチだ。

2019-06-05 12:17:05
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「その呼び方はやめてくださいよ…。」「やぁすまないすまない。」苦い顔をする聖護に部長は冗談めいた笑顔を見せた。この人は実家の事を知ってる。それも込みで苦手だった。 教室…と言うかほぼ図書館のような部屋の中、正式に部員は居るんだが、自由な気風が心地よくて集まる人のほうが多い。

2019-06-05 12:44:27
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ここの常連達は慣れてるとは言え、普段から皆に引かれる強面男が、可憐な少女を連れてきたのだ。 囃し立てたり口説こうとする連中を一睨みで下がらせる。 「珍しいじゃないか。君が女子を連れてくるとは。」部長が口を開いた。そこで話題を切り出す。「部長、一つお願いが…」「その少女の事だろう?」

2019-06-05 13:03:05
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割り込むように言葉が入る。「こちらでは何だ。部屋で話そう。」部長室。そう言われてるだけで、ちょっとした応接室だ。 「見た顔ではないからね。預かってほしいんだろう?」なら話は早い。「はい、どうかよろしくお願いします!」お願いすると、「なら、こちらも条件がある。」それは…彼女の素性。

2019-06-05 13:30:02
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「ほぉ、メリーさんの電話。その都市伝説の少女が。」俄に信じがたいが、と付け加える。「悪い子じゃないんです。悪霊等の類じゃない、それははっきり言えます。」あと一押しとお願いし倒す。 「…ふむ。」一刻考える。「うむ、預かろう。」君の縁戚の子、ソレで問題ないな?と確認を取りにくる。

2019-06-05 13:39:58
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「はい、それでお願いします。」頭を下げる。「生ける都市伝説か…。面白い子が勧誘できたな!」ブッ!驚いて吹き出す。 「部長、いきなりソレはないだろ!」砕けた口調に戻した。「フフッ、冗談だよ。君はわかり易すぎるんだ。」笑いながら部長は続ける「君が頼み事をする時は、真面目すぎるんだ。」

2019-06-05 13:49:18
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「都市伝説については私も知らないわけではないが、本物に出会えるとは思わなかったよ!妖怪の類はともかく、都市伝説は危険なモノが多いからね。」口裂け女、赤マント、テケテケ、カシマレイコ…。部長は都市伝説を数個上げていく。「そして、メリーさんの電話。」そう締めくくった。

2019-06-05 13:59:00
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「彼女たちに関しては諸説あるが、人形説が有力だな。ネットで繋がった今なら伝搬した噂から生まれる可能性もある。あとは…」部長が言いよどむ。「ジョークとか…ドジっ子って言うんだろ?」日本人って怖いねぇ、なんて二人で笑いあった。 不安で困惑してたメリーも、少しずつ落ち着いて来ている。

2019-06-05 14:10:10
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「ああそうだ。最近の事件なんだけど、知ってるかい?」部長が部室へと戻っていくのを追うように部屋を出ると、彼女がタブレットを渡してきた。メリーも気になってるようなので、一緒に確認すると、この地域周辺で発生している神隠しの話だったのだ。

2019-06-05 14:26:21
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「この手の怪異に…と言ってもわからないか。」部長が質問を止める。メリーは申し訳なさげに下を向き「ごめんなさい、わからないの…。」申し訳なさげに重ねた手をギュッと握った。「お前が悔やむことじゃないよ。」思わず頭をなでていた。 「じゃあ君はわかるのか?」…部長の質問に言葉が詰まった。

2019-06-05 14:48:00
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「やっぱり、警察の見立通りで誘拐の線が強いんじゃないかな…。」「そう見ていいだろうな。」二人して頷きあう「しかし、そうすると…日本にもキッドナッパーか。」「キッド…?」「キッドナッパー。簡単に言えば誘拐専門犯のことだよ。アメリカだとメジャーな犯罪でね…。」

2019-06-05 15:09:57
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部長が真面目な顔になる。「君たちも気をつけた方が良い。特にメリー君」一拍置く。表情にメリーが怯える。「部長!」「まぁ聞くんだ。恐らくは君のような子が狙われやすいだろう。その時は聖護君、頼んだぞ。」と、一言言い終えた後、ぱっと表情を変え、「さぁみんな、新しい部員の歓迎会と行こう!」

2019-06-05 17:16:55
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その場にいる人間たちがお菓子やジュースを持ち寄り始める。 「へー、あなたセイ君の親戚なんだ?」「確かに似たような感じはするけど…」「縁戚じゃ似ても似つかないよね~」と聖護とメリーの顔を見比べるなり、「お前にこんな従姉妹が居たなんてなぁ、」「お兄さん娘さんを僕に(略」 大騒ぎだった。

2019-06-05 17:32:18
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「まぁ、大学周辺の事なら我々に任せ給え。」大騒ぎの中、頼もしい笑顔を見せてくれる部長。 「色んな意味で…な。」ほくそ笑んだ。 「なんかこわいの…」泣きそうに涙を浮かべる怪異一人。 おまわりさん、この部活です。 [第一編 了]

2019-06-05 17:38:45