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yhkondo @yhkondo
新刊の『ヘミングウェイで学ぶ英文法』(アスク出版)が好評だと聞く。私もKindle版を買ってみたが、無味乾燥になりがちな文法の勉強を名文を読みながらできるというコンセプトはとてもいい。で、これの日本語バージョンは可能だろうか?『漱石で学ぶ日本語文法』とかはどうだろう?
yhkondo @yhkondo
良さそうに思えるが、たぶん、この企画はボツだ。ちょっとやってみるとわかる。「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」ここまではいい。でも「どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。」ですでに厳しくなる。学校文法だと、この文の主語は「見当」という以外には言いようがないが、果たしてそれでいいか?
yhkondo @yhkondo
「どこで生まれたか」という節内部の主語はあきらかに「吾輩(猫)」だろう。それに対する主文の主語が「見当」というのは論理的ではない。こちらも隠れた主語(あるいは主題)の「吾輩」があると考えるべきだ。つまり「(吾輩が)…生まれたか、(吾輩は)見当がつかない」が本来の形だろう。
yhkondo @yhkondo
つまり、省略された主語の継続性という問題と、「吾輩は見当がつかない」という二重主語構文の説明が必要なのだが、いずれも学校文法の範囲では教えることが難しいものだ。以下、そういうものの連続となる。「ここで始めて人間というものを見た」の「始めて」の主語は何?
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
これは古典といっていい疑問で、正解は  吾輩は 猫である。      名前はまだ無い。      どこで生まれたかとんと分からぬ。 そう。「~は」は「。」を越えてぴょんぴょん跳んでいくのです。 twitter.com/yhkondo/status…
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@yhkondo 実は「日本語」さんは昭和生まれ。外地育ちの帰国子女。いっぽう「国語」くんは明治の子で、東京の成り上がり出身。漱石の小説は裏側に英語があって、過去時制を導入すべく「~た」をたくさん使った。ここ過去に誰もろくに指摘していないようなので私がいっちゃいますね。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@yhkondo 敬語は大正生まれ。「んなアホな」というなかれ、ほんまです。国語学者たちが「敬語」というフレームワークを提唱し、これにそって源氏やらなんやらを分析していって謙譲だの丁寧だのと分類していったのが、結果的にお作法のスタンダードとして機能し昭和期に「畏れ多くも畏くも」語を生んだ。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@yhkondo 外地を含めての大日本帝国のヒエラルキー化(天皇制ともいう)によりそうものとして敬語の体系化が図られるも、敗戦で天皇制が崩壊し、敬語システムは根拠を失くした。国語審議会によって再整理され「うつくしゅうございます」のほかに「うつくしいです」でも〇とされた。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@yhkondo 「です・ます」が敗戦後の日本でスターとなって、それを主軸として敬語システムが再構成されたのです。 副作用として、英語教科書での「あなたはジャックですか」「いいえわたしは犬です」な訳読会話体が生じ、せっかく英語教育が事実上の必須教科になったのにニホンジンはかえって苦手となっていった
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@yhkondo 来年より高校国語のカリキュラムが大幅に変わるわけですが、背後には「国語」と「日本語」の葛藤をどう処理するかというテーマがあったりします。誰も気づいていないようですけど。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
エマに私はどうやって日本の敬語を教えこんだか? とあるゲームをした。この子の大好きな『暴れん坊将軍』を原語で観てもらって「です」と「ます」が出てきたら「出てきた!」と手を挙げさせるゲーム。
篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta
.@KaoruKumi 「こゝろ」のテーマの一つはまさに、「明治の精神」でしたね。ただし貴論の場合、南樺太・朝鮮・台湾・南洋庁あたりの「日本語教育」がどのように始まったかが見えません。1926年より前にいずれも統治が始まっているので。
篠山半太 @SHINOYAMA_Hanta
.@KaoruKumi あと漱石の過去形が英語発祥だというのなら、森鴎外・舞姫の「石炭をばはや積み果てつ」はどうなるんでしょう。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@SHINOYAMA_Hanta あれは擬古文。ノベルは西洋でこそ芸術でしたが後進国ジャポネにそのまま持ち込んでも戯作枠に入れられてしまう。そこで鴎外先生、なんちゃって源氏物語路線をとって「どうだ高邁だろうリテラチャーって」とアピール。こうして「文学」が日本に生まれた。
KUMI_Kaoru @KaoruKumi
@SHINOYAMA_Hanta 「日本語」は満州国で生まれた。過去に何度か語ったお話です。あそこは独立国なのに「国語」を学校で教えたら国連脱退の大義名分が台無しなので「日本語」の名で教科化。 もうひとつ、駐日アメリカ大使館での教習で「日本語」の教科書が使われた。ドナルド・キーンも後にこれを使って語学将校に。

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