【声をもつ者】福間健二 #k2fact225

オフホワイト。古くも新しくもない勢力。終わってないことたくさんあるのに、掃除、洗濯、隠れる準備。でも、さようならではすまない隅っこの共鳴。意志力、どうしたのだろう。一歩でも前にと焦っていいことなんか。あっても、残響。体のなかの宇宙を昔ほど感じないぼくだ。(声をもつ者1)#k2fact225
2019-05-29 10:23:04
とびこんできた子牛。その可愛さにかなうものなどなくて、不用意に立ちあがる人までいるが、何が消えないか。災いの記憶は消えない。音がして、偶然の、牛乳屋さん。能動的、抑揚しっかりの発語と笑顔で手に入れた大きな自分の進むところがない。これから蒸し暑くなる。(声をもつ者2)#k2fact224
2019-05-30 10:44:06
寓話用の仕切りを無視して、若い女性、それほど若くない女性、さらに年とった女性。だれに何をもらったというような話が終わらない。どう届けるか。無印良品の、再生紙のノートに書いた歌。追放される前に半分消えているものがある。その消えた半分に、できるだけいい声で。(声をもつ者3)#k2fact224
2019-05-31 16:38:51
日が暮れて、観念。リアルじゃない人たちにも会う。「いい人たち」なのだが、いますべきことをいましない。思うようにならないことに怒るという反応しかできない。東京というフィクション。その埃をかぶって。使われていない文字盤。思い出さなくてはいけないこと、ある。(声をもつ者5)#k2fact224
2019-06-02 09:44:39
警戒していたとしても防げたのかどうかわからない事態。リアル。たいていの人はリアルだ。窓は、あける。音なしで入ってくる物語を拒まない。何事も自分の意志では終われないことを苦痛としない息のしかたがあるのだ。大丈夫かな。スキを突かれる。突いてくださいなんだよ。(声をもつ者4)#k2fact224
2019-06-01 10:22:43
意識を自分の何フィートかうしろにおく。復讐されているとしたら、思いあたること、あるあるだろう。助けなかった。裏切った。先まわりして偶然に会ったような顔した。フルーツ盗んだ。でも、この位置なら問題はただ声がどう出るかだ。息と感情もらさずにきみの主題歌だ。(声をもつ者6)#k2fact224
2019-06-03 08:30:16
東京の外、まず川崎のニュースへの反応。いまを確かめるための、前に出る動き。人に、ということじゃなくても。業務にも「自分のため」にも飽きて、声だけの装置。急ぎなさい。すてきなグッズがもらえるよ。でも、いらないグッズだ。そう思うか。そう思うから、そうなる。(声をもつ者7)#k2fact225
2019-06-04 09:45:01
ひどいことをされた者が、的外れな仕返しで、もっとひどいことをする。新世界。最後に何人か残って後片付けした。このカーテンも、はずすんですね。何を隠すためだったろう。口ごもりながら、あとは付録のようなもの。少しでもいい思いができたとしたら運がよかったのだ。(声をもつ者8)#k2fact225
2019-06-05 10:36:55
夜の国。そしてまた「いい人たち」だ。ぞろぞろと囚人服のようなパジャマ姿の人間さま。足もとの、鳴いて一生が終わる生きものを羨ましがったり、定食もうないのかと落胆したり、悩みはきりなく、生まれかわる。こんどこそ能天気。でも声なきものに思いやりある革命家だ。(声をもつ者9)#k2fact225
2019-06-06 09:48:55
うなずきと手の動きだけでも伝わることの先に、たがいの汗の匂い。一対一、濃いほうが遠慮して。施設の窓。やはり外の低い広がりには出にくい声。でも、胸の高さでなにか受けとめているかもしれない無表情があきらめさせない。とくに何も運ばない。それでよいとした。(声をもつ者10)#k2fact225
2019-06-07 10:11:27