『さらざんまい』10話予告考察 ~芥川の『河童』との関係、なぜカッパは「カエル」と呼ばれると怒るのか?~
togetter.com/li/1364250 『さらざんまい』9話考察 ~チカイと本当の「つながり」、やっぱり怪しい! 吾妻サラ黒幕説の再燃~
2019-06-10 20:54:35今回の予告動画は分かりやすく、「レオが本格的に悪役になりそう」「エンタが死の宣告でピンチになりそう」「カズキとエンタが和解しそう」とか、話の筋が見れば予想できる感じ。
2019-06-10 21:01:58答えを出す前に、まず笑う少年は誰かを想定する。彼が誰かを考えるのも、トレーニング。で、おそらくカズキ。トオイは髪が片頬に掛かってるし、エンタはカッパになってるから。違うかもしれないけど。
2019-06-10 21:07:15では、解釈トレーニングの回答の一例。カズキは、自分の命を救ったエンタが、自分に片想いしていることも知る。その情にほだされて、両想いになる。そして、タイマー残量が減り、死の宣告が迫るエンタ。(続く)
2019-06-10 21:09:12一方、前回撃たれて死んだチカイ。希望の皿があれば、トオイは彼を蘇生させられる。だが、カズキは勝手に、エンタを救うために、取り戻した希望の皿を使おうとする。(続く)
2019-06-10 21:11:14そして、そのカズキの行動は、「愛」ではなく「欲望」と判断されてしまう。エンタを自分のものにしたくて、闇堕ちしたカズキだった。そこにレオが襲いかかり……。
2019-06-10 21:12:34さて、この回答例はあくまで一例なので、別の回答もできるだろう。また、この回答が少々強引ではないかとか、次回本編はそう展開しないだろうとか、いろいろ批判もできよう。だが、トレーニングなのだ。
2019-06-10 21:14:00解釈力があると何なの、っていうことだけど、ビジネスでも事象を関係づけることはあるでしょ。たとえば、気温が高いから、アイスクリームが売れるとか。
2019-06-10 21:17:24まあ今どきのビジネスなら、統計やデータマイニングを利用するだろうけど、人間が完全に不要にはならない。「この法律が施行されると……」とか、自然言語の意味が関係する部分は、AI化できないから。
2019-06-10 21:18:57いや別にビジネスに応用したくて、トレーニングしてるわけではない。たんに面白いからやっているんだけど、ただ先が読めないイクニアニメだから、トレーニングになる部分はある。
2019-06-10 21:20:08そしてまた、AIで自動的に予測できないような部分が、イクニアニメに限らず、物語の一番面白い部分でもあるんだと思う。先が分かるようで分からない、カオスな現象の面白さ。
2019-06-10 21:21:56さて、全然話が切り替わるけど、「さら」の話に戻ると、全11話だからもう、あと2回でもう終わってしまうので、本作が影響を受けたであろう作品について、この辺で一度触れておきたい。
2019-06-10 21:24:33『さらざんまい』が確実に影響を受けたであろう先行作品のひとつが、 芥川龍之介の『河童』。もし、すでに読んでる人なら、今さらな話かもしれないけど、どれくらいいるか分からないので、説明していく。
2019-06-10 21:26:19芥川龍之介の『河童』が岩波文庫にあって、実際に読んで調べておいたんだけど、『さらざんまい』の設定のうち、いくつかはオマージュなんだろうな、参考にしてるんだろうな、という部分がある。
2019-06-10 21:27:54「さら」はカッパが出てくるのだから、文豪が書いた『河童』という作品から影響を受けるのは自然だろう。ではそれが具体的には、どんな部分だろうか?
2019-06-10 21:30:28『さらざんまい』が芥川の『河童』から、影響を受けた部分。たとえば、「河童とカワウソが戦争をしている」こと。「河童が蛙と言われると、侮辱だ」ということ。「河童の幽霊が現れる」こと。
2019-06-10 21:33:53「カッパとカワウソの戦争」は説明しなくても分かるでしょ。しかし、「カッパがカエルと言われると侮辱」だということが、芥川の『河童』を読んで、理由が分かった気がする。説明しよう。
2019-06-10 21:35:20アニメ『さらざんまい』の方で、「カエルじゃねえ」とケッピが怒るシーンがある。今まで、これの意味するところが、まったく分からなかった。しかし、芥川の『河童』を読んだところ、何となく見当がついた。
2019-06-10 21:37:07芥川の『河童』は、昭和初期、戦前の日本を戯画化した小説だ。歴史家ではないので、その当時の時代背景に詳しいわけではない。が、そのことでかえって、意図が浮かび上がって読める部分というのもある。
2019-06-10 21:38:50芥川の『河童』には、「蛙と言われた河童が憤死する」というようなシーンがある。そこだけ見ると、なぜ、そんなに怒る必要があるのか、分かりにくいかもしれない。
2019-06-10 21:40:08