『さらざんまい』10話予告考察 ~芥川の『河童』との関係、なぜカッパは「カエル」と呼ばれると怒るのか?~

2019年4月から放送開始したテレビアニメ『さらざんまい』。今回、10話予告の考察をします。予告動画だけでなく、芥川龍之介の『河童』との関係について、今回は考察していきます。なお、ネタバレの配慮はしていないので、アニメ本編を視聴前提のまとめです。
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しろうと @sirouto

togetter.com/li/1364250 『さらざんまい』9話考察 ~チカイと本当の「つながり」、やっぱり怪しい! 吾妻サラ黒幕説の再燃~

2019-06-10 20:54:35
しろうと @sirouto

youtube.com/watch?v=tBAcaE… 「さらざんまい」予告| 第十皿(ノイタミナ)

2019-06-10 20:55:22
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しろうと @sirouto

テレビアニメ『さらざんまい』十話予告(動画)の考察。「これからこれをやります」。

2019-06-10 20:58:13
しろうと @sirouto

今回の予告動画は分かりやすく、「レオが本格的に悪役になりそう」「エンタが死の宣告でピンチになりそう」「カズキとエンタが和解しそう」とか、話の筋が見れば予想できる感じ。

2019-06-10 21:01:58
しろうと @sirouto

そこであえて、難易度の高い解釈にチャレンジしてみよう。展開の予想というよりは、物語を考えるトレーニングのつもりで。

2019-06-10 21:03:07
しろうと @sirouto

何をするかというと、十話予告動画の中に、「笑う少年の赤い画面」が出てくる。ので、これが何のシーンかを解釈しよう。

2019-06-10 21:04:08
しろうと @sirouto

答えを出す前に、まず笑う少年は誰かを想定する。彼が誰かを考えるのも、トレーニング。で、おそらくカズキ。トオイは髪が片頬に掛かってるし、エンタはカッパになってるから。違うかもしれないけど。

2019-06-10 21:07:15
しろうと @sirouto

では、解釈トレーニングの回答の一例。カズキは、自分の命を救ったエンタが、自分に片想いしていることも知る。その情にほだされて、両想いになる。そして、タイマー残量が減り、死の宣告が迫るエンタ。(続く)

2019-06-10 21:09:12
しろうと @sirouto

一方、前回撃たれて死んだチカイ。希望の皿があれば、トオイは彼を蘇生させられる。だが、カズキは勝手に、エンタを救うために、取り戻した希望の皿を使おうとする。(続く)

2019-06-10 21:11:14
しろうと @sirouto

そして、そのカズキの行動は、「愛」ではなく「欲望」と判断されてしまう。エンタを自分のものにしたくて、闇堕ちしたカズキだった。そこにレオが襲いかかり……。

2019-06-10 21:12:34
しろうと @sirouto

さて、この回答例はあくまで一例なので、別の回答もできるだろう。また、この回答が少々強引ではないかとか、次回本編はそう展開しないだろうとか、いろいろ批判もできよう。だが、トレーニングなのだ。

2019-06-10 21:14:00
しろうと @sirouto

トレーニングの回答例が、正しいかどうか、当たるかどうかは、どうでもいい。短いシーンから長い話を想像できることが、解釈力なのだから。

2019-06-10 21:16:13
しろうと @sirouto

解釈力があると何なの、っていうことだけど、ビジネスでも事象を関係づけることはあるでしょ。たとえば、気温が高いから、アイスクリームが売れるとか。

2019-06-10 21:17:24
しろうと @sirouto

まあ今どきのビジネスなら、統計やデータマイニングを利用するだろうけど、人間が完全に不要にはならない。「この法律が施行されると……」とか、自然言語の意味が関係する部分は、AI化できないから。

2019-06-10 21:18:57
しろうと @sirouto

いや別にビジネスに応用したくて、トレーニングしてるわけではない。たんに面白いからやっているんだけど、ただ先が読めないイクニアニメだから、トレーニングになる部分はある。

2019-06-10 21:20:08
しろうと @sirouto

そしてまた、AIで自動的に予測できないような部分が、イクニアニメに限らず、物語の一番面白い部分でもあるんだと思う。先が分かるようで分からない、カオスな現象の面白さ。

2019-06-10 21:21:56
しろうと @sirouto

さて、全然話が切り替わるけど、「さら」の話に戻ると、全11話だからもう、あと2回でもう終わってしまうので、本作が影響を受けたであろう作品について、この辺で一度触れておきたい。

2019-06-10 21:24:33
しろうと @sirouto

『さらざんまい』が確実に影響を受けたであろう先行作品のひとつが、 芥川龍之介の『河童』。もし、すでに読んでる人なら、今さらな話かもしれないけど、どれくらいいるか分からないので、説明していく。

2019-06-10 21:26:19
しろうと @sirouto

芥川龍之介の『河童』が岩波文庫にあって、実際に読んで調べておいたんだけど、『さらざんまい』の設定のうち、いくつかはオマージュなんだろうな、参考にしてるんだろうな、という部分がある。

2019-06-10 21:27:54
しろうと @sirouto

「さら」はカッパが出てくるのだから、文豪が書いた『河童』という作品から影響を受けるのは自然だろう。ではそれが具体的には、どんな部分だろうか?

2019-06-10 21:30:28
しろうと @sirouto

『さらざんまい』が芥川の『河童』から、影響を受けた部分。たとえば、「河童とカワウソが戦争をしている」こと。「河童が蛙と言われると、侮辱だ」ということ。「河童の幽霊が現れる」こと。

2019-06-10 21:33:53
しろうと @sirouto

「カッパとカワウソの戦争」は説明しなくても分かるでしょ。しかし、「カッパがカエルと言われると侮辱」だということが、芥川の『河童』を読んで、理由が分かった気がする。説明しよう。

2019-06-10 21:35:20
しろうと @sirouto

アニメ『さらざんまい』の方で、「カエルじゃねえ」とケッピが怒るシーンがある。今まで、これの意味するところが、まったく分からなかった。しかし、芥川の『河童』を読んだところ、何となく見当がついた。

2019-06-10 21:37:07
しろうと @sirouto

芥川の『河童』は、昭和初期、戦前の日本を戯画化した小説だ。歴史家ではないので、その当時の時代背景に詳しいわけではない。が、そのことでかえって、意図が浮かび上がって読める部分というのもある。

2019-06-10 21:38:50
しろうと @sirouto

芥川の『河童』には、「蛙と言われた河童が憤死する」というようなシーンがある。そこだけ見ると、なぜ、そんなに怒る必要があるのか、分かりにくいかもしれない。

2019-06-10 21:40:08