ピエール=ジョセフ・プルードン『貧困の哲学』上巻読書メモ集
- arishima_takeo
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「人間がいなければ神の存在も思いつかれまい。いや、ずばり言おう。人間がいなければ神も存在しないことになるのだ。人間にとって創造主が必要ならば、神あるいは神々にとってもやはり自分を啓示してくれる者が必要なのである」(プルードン『貧困の哲学』上19)。不敬力発動。
2019-06-08 11:20:54「愛だの快楽だのと口走る人間の目のは、骸骨の美しさが見えない。取り出された内臓どうしのハーモニーも、黒く凝固した血液のなかの生命力も見えない」(プルードン『貧困の哲学』上54)。いいね。名言だ。
2019-06-08 12:21:14「正義を求めることと女性を愛することは両立不能なのである。ものごとを大きく、そしてクリアにとらえるためには、男と女は一線を画し、あくまでも男としての気骨を保たなければならない」(プルードン『貧困の哲学』上56)。これも名言だなあ。
2019-06-08 12:25:37「じつは、この二つは根本において同じものである。なぜなら、交換価値は使用価値に置換という観念を付け加えたものにすぎない」(プルードン『貧困の哲学』上98)。うーん、そうかなあ。
2019-06-09 12:50:34社会主義は「大地をめざして帆を上げよう。いまこそ港に入るときだ」と叫ぶ。ところが、社会主義に反対する勢力は「港なんかない。人類は神に守られ、僧侶、哲学者、演説家、経済学者に導かれて進が、この航海は永遠に続く」と言う。byプルードン『貧困の哲学』上69
2019-06-10 17:01:51科学は、社会の歩みに対する神の摂理を発見するが、そこから明らかになるのは――人間の良心にとっては恥ずかしいことだが、偽善的なわれわれが本音のところでは知っているはずのことで――それは神が本当は心底から人間嫌いだということである。byプルードン『貧困の哲学』上129
2019-06-10 17:08:48「私は、事実が発生した順序にしたがって、事実そのものに語らせよう。つまり、私情をまじえず、事実そのものに証言させよう。成功と悲惨な失敗がまじりあった歴史が物語られる。その舞台では思想が主役となり、理論はエピソード、公式が日付けとなる」(プルードン『貧困の哲学』)。カッケー。
2019-06-10 17:11:04「価値はつぎの三つの様相であらわれる。まず最初は使用価値、それから交換価値、そして総合的価値ないし社会的価値である。この三つ目が本当の価値である。第一項がその対立物である第二項を生み、この二つが相互に浸透し吸収しあって第三項を生み出すのだ」(プルードン『貧困の哲学』)。ウーン。
2019-06-11 16:39:50「はっきり言おう。人間は完全に無一物になると、救済を求める気持ちさえ浮かんでこない。どん底まで落ちてしまうと、はいあがろうという意欲さえ心のなかから失せてしまうのである」(プルードン『貧困の哲学』上196)。それな。
2019-06-11 16:43:24ロールズも似たようなこといってたけど、つまりは努力しようとすること、幸福になろうと意志することそれ自体に格差ができるんだな。が、この視点は翻って、努力する姿を公にさらすことがもつ道徳的悪の議論にも連絡するかもしれない。
2019-06-11 16:46:10例えば、献本感謝ツイートを批判する意見に、献本を受けるということは社会関係資本があるということでそれを見せびらかすのは道徳的に責められるべきだ、といった意見があったが、もしこれを正当化することができるのならば、身体化したポジティヴな諸能力(資本)の露呈にも応用できるのではないか。
2019-06-11 16:54:58頑張ること、努力できることは一つの財産で、世の中には頑張れない人もたくさんいるのだから、これを見せつけるのは不正で、すべての頑張りや努力は影で隠れて行わなければならない論。
2019-06-11 16:59:25「お前人よりも頑張ってるな? はしたないぞ!」がまかり通る世界…ディストピアすぎる…が、ここまで行くとちょっと面白い。
2019-06-11 17:01:12