狭間有事とパイズリモンスター

狭間有事の告解
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狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

パイズリとはなんであるか。この謎を解くために狭間有事はコンクリート・ジャングルの果てを目指した

2019-06-16 20:18:31
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

コンクリート・ジャングルの果てで狭間有事を待ち受けていたのは、パイズリ・モンスター、すなわち全身のいたるところに腫瘍じみた巨大な乳房を生やした、パイズリのみに特化したヒト改造生物であった

2019-06-16 20:20:15
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

「————ッッッ!!!」どこが口なのかも判然としないモンスターが、喉に痰が絡んだような叫び声をあげ狭間有事に向かって突進する。狭間有事は恐怖にすくみ上り、しかし彼の誇りが退却を許さない

2019-06-16 20:22:00
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

モンスターは狭間有事を丁重に持ち上げ、シャワー室に押し込む。「なるほど」と狭間有事は納得した。それは当然、こういうお店である。シャワーも浴びずに行為に及ぶわけにはいくまい

2019-06-16 20:24:11
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

狭間有事は全身を洗う。特に彼が重視したのは、皮が被った陰茎から完璧にチンカスを取り除くことであった。「僕は文明人だからな。バルバロイのような野蛮ちんぽではないのだ」と誰に向けるでもなく呟く

2019-06-16 20:26:22
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

シャワーを浴び終えた狭間有事を、モンスターはまた丁重に持ち上げると、今度こそベッドに横たえた。狭間有事は内心怯えきっていたが、そこは長年のオナニーの積み重ねが物を言い、つまりモノは速やかに勃起状態に移行した

2019-06-16 20:28:05
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

ふと、狭間有事がモンスターを見上げると、彼女は頭らしき部位を左右に振っており、何か意に沿わぬことがあるらしかった。狭間有事は毅然たる態度で問い質す。「君。まだ何かあるのかね」

2019-06-16 20:29:42
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

モンスターに言葉はなかったが、彼女の言わんとすることはすぐ知れた。「なぜ僕の文明的ちんぽを指差している?」「……」彼女が開いたアルバムには多種多様なちんぽが並んでいたが、そこに彼のモノのような文明的ちんぽはなかった

2019-06-16 20:32:07
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

「なるほど」と狭間有事は憤然として言った。「つまり君はこう言いたいわけだ。『粗チン!包茎!童貞!インポ!』と」モンスターは、今度は頭を上下に動かして同意を示した。狭間有事は再び「なるほど」と呟く

2019-06-16 20:33:24
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

「いや。いい。君にも選ぶ権利はあろう」と狭間有事は立ち上がり、ゆっくりと服を着た。その時にはすでにちんぽは萎えていて、服を着る支障にはならなかった。「持続時間も短い?なるほど」

2019-06-16 20:34:44
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

「この崇高なる文明的ちんぽの価値を解さぬというのは残念だが」と狭間有事は偉そうに述べる。「まあ時代が変わったということなのだろうな。もはや古代ギリシャではない」

2019-06-16 20:35:37
狭間有事◇2日目東6ネ39b @Hazama_Yuji

かくしてモンスターの申し訳なさそうな唸り声を背に、狭間有事はコンクリート・ジャングルの中へと消えていった。「いいさ。僕は誇り高い文明人だからな。悔しくなんかないからな」彼の瞳が街の明かりを浴びて少し光ったのをモンスターは確かに見た

2019-06-16 20:37:52