10周年のSPコンテンツ!

【wlw二次創作SS】2人の「前歴持ち」

コラボキャラが来たのならゲーム設定と童話原典をクロスオーバーさせればいいじゃない! (※ジュゼはwlwドラマCD準拠ではなく原典童話「ピノッキオの冒険」準拠です)
1
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
ワンダーランド内の本は見ての通り膨大だ。それら全てを管理するのは容易ではなく、中には闇の軍勢が禁書の封印を勝手に弱め、ヴィランに破られる事もある。…というか嘆かわしい事に結構多い。 故に「彼」も闇の軍勢に「勘違い」されて解き放たれたのかもしれない。人の心を盗む悪の「怪盗」として。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「それで…その侵入者は突然図書館に現れて、本の中に入っていったと?」 マメールは昨晩現れた謎の不審者の情報をティンクから聞いている。 「うん。ただ入ったって言うか知らずに扉を開いたみたいだったよ」 「困りましたね。ヴィランではなさそうですが現実世界の一般人なら危険です」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「とにかく捜索届けを出しましょう。童話世界一個分の中から見つかるかは分かりませんがね…」 溜息と共にマメールは不審者が中に吸い込まれていき、床に落ちたままになっていた本を拾い上げる。 「ピノッキオの冒険」と書かれていた。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
ここは一体、何処なんだ…? 訳も分からず衛兵にぶち込まれてしまった牢屋の中で俺は状況も飲み込めず呆然としていた。 覚えているのはそう、目を覚ました時に俺は図書館にいた。最初はベルベットルームに呼び出されたのかと思っていたがそこにはイゴールも看守達もいない。大量の本だけがあった。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
状況が分からなかった俺は取り敢えず側にあった本棚の本…たしか「ピノッキオの冒険」を無造作に選んで開いたところ、突然本のページが光り出し、今度は青空の下にいた。 「ねーねー、おにーさん」 そして、更に訳が分からぬまま近くを通りかかった鎧の衛兵に不信者として捕らえられたのだった。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「おにーさん聞いてる?」 俺自身、流されるままで状況が全て飲み込めていない。だが察するに俺はさっきの本の中に吸い込まれたのではなかろうか。あまりに馬鹿げているがそうでもなければこの状況は説明が付かないだろう。 「ねぇわざと無視してない?おーい」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
現代では有り得ないような衛兵の甲冑。電気の通ってない家々。まさに昔々の童話の中に俺は入ってしまった。どうしたものか。この中はパレスとは違うからペルソナも呼び出せないし、ナイフと銃もただの玩具だ。 「ねぇ!そこのクセっ毛!聞こえてるなら返事してよ!」 「!?」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「あ、気付いた。こっちだよ」 見ると無人だと思っていた反対側の牢屋に倒れたまま話す人がいた。いや違う。あれは人形だ。 「ボク ジュゼ。ピノッキオなんて呼ばれる事もあるよ」 ピノッキオと言うと童話の鼻が伸びる人形だったか。つまりこの本の中の世界の主人公という事になるのか。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「なんか無口だね。もしかしてボクにビックリしちゃった?」 む、俺は別に無口なつもりはないのだが。たしかに頭の中で色んなことを巡らせるあまり簡単な選択肢の言葉しか話してないかもしれない。 「ねえこっちが名乗ったんだからさ、そっちも名前教えてよ」 ・本名を名乗る →ジョーカーと名乗る pic.twitter.com/2PqxuU5vZD
拡大
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「ジョーカー?ふーん、なんでこんな牢屋に連れてこられたワケ?もしかしてキミも冤罪?」 ジュゼは「キミも」と言った。となるとこの子もなのだろうか。俺は不信者として問答無用で逮捕された事を話す。 「やっぱり。酷いよねココ。ボクも金貨を騙し取られたって言ったのに信じてもらえずこのザマ」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
そういえばピノッキオにはイジワルなキツネとネコが出てきた。お金を騙し取られたとはそいつらの事だろう。 「うぐぐ…!何なんだよアイツら!ボクは無実だって言ったのになんで!なんで信じてくれないんだよ!ホントなのに!」 怒りが再度込み上げてきたのかジュゼは寝転がったままじたばた暴れ出す。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
癇癪を起こすジュゼに何か同情の言葉でもかけようと考えていたその時、 「…ボクが悪い事ばかりしてたから、なのかな」 ジュゼは突然、静かにポツリと呟いた。そして黙り込む。 「……。」 「……。」 「ジュゼ、といったか。君は」 「ぐー…ぐー…」 気まぐれな人形だ。俺も今夜はもう寝よう。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
次の日、出された食事を口に運びながらこれからの作戦を考える。 ここはパレスの中ではない。だからペルソナは勿論、ナイフと銃も殺傷力の無い玩具のままだ。そのせいで何の抵抗もできず連れてこられた。強行突破はまず不可能だろう。 となると、潜入道具を使い隠れて脱獄するしかない。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
幸いにもキーピックの材料は没収されずに済んだ。いつもの工具が無い分作るのに時間がかかりそうだが、それでも看守に隠れながら地道に作るのは不可能ではなさそうだ。 「おにーさん、妙に落ち着いてない?」 反対側にいたジュゼが相変わらずぐでんと寝転んだままこちらに話しかけてきた。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「フツー牢屋に入れられたらパニックになったりすると思うんだけどなんでそんなに冷静なの?もしかして慣れっこだったりする?」 たしかにこうして牢獄に入った事は初めてではない。しかしそれを説明していいものか。 →昔の事を話す ・ベルベットルームの事を話す ・……。 pic.twitter.com/DLnAqSM8fd
拡大
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「……女の人を助けようとしたら相手の男に逆に訴えられた。ふーん」 道具も無く素手でキーピックを作りながら昔の事を話してやる。ジュゼは暫く考え込んだ後に一言、 「意味わかんない」 …バッサリと斬られた。まあ理解や同情が欲しかったわけでもないから特に気にはしない。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「自分はなんにも関係無いのに余計な事して巻き込まれて、バカなんじゃないの」 …手厳しいが一理あるのかもしれない。親にも迷惑をかけて転校するハメにもなった。放っておく事もできたのに。 だがそれでも自分のやった事に後悔はしていない。あの時に動いていなければ俺はきっと後悔していた。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「お父さんもラ・ファータさんもジョーカーも…わけわかんない。他人のために自分を犠牲にするなんてさ」 「…。」 ジュゼはひょっとすると何か思う事があってこんな自暴自棄な態度を取っているのだろうか。 力になりたいが押し付けがましいのは好きじゃない。これは自分で気づかなければいけない。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
次の日、ペンチが無いばかりにキーピック製作は難航している。何処かにペンチは無いものか。 黙々と作業しながら今日はジュゼが話しかけてこないのに気が付いた。少々問題のある性格だがそれでもこの3日間で俺は彼女に奇妙な縁を感じ始めていた。 →ジュゼについて聞く ・そっとしておこう pic.twitter.com/OMzBu24leM
拡大
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「ボクの話…?そんな面白いものでもないよ」 相変わらず気怠げに返すジュゼ。あまり話したそうな雰囲気ではなさそうだ。それでもと食い下がる。 「まあ昨日はジョーカーの話をしたし、ボクの話をしてもいっか。でもそんなに気持ちのいい話じゃないよ。寧ろ気分が悪くなるかもしれない」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
俺も別に精通しているわけではないが、一般常識程度にピノッキオのお話は知っている。ピノッキオはゼペット爺さんに学校へ行くため教科書を買ってもらうが、誘惑に負けて人形劇を見に行ってしまうのだ。 「せっかくお父さんが買ってくれた教科書を売って、ね。更にはキツネとネコにも騙された」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「ラ・ファータさんに家に帰れって言われたのに帰らなかったから…バチが当たったのかな」 「……。」 話を聞いている限り、ジュゼから邪悪さは感じられない。この子は悪に対する誘惑に弱いのだろう。この歳の子供であれば有り得る話である。 とはいえここまで物を知らな過ぎるのは問題だが。
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
「ボク、バカだからあのキツネどもに2回も騙されちゃった。お父さんに言われた通り学校に行ってれば騙されずに済んだのかな」 「……。」 「でも教科書も金貨も無くなっちゃった。お父さんにもラ・ファータさんにも合わせる顔がないや……はぁ」 俺は救われないこの子にどんな声をかけてやればいい…?
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
次の日、今日は外が騒がしい。なんでも村でお祭りがあるようだ。見張りの衛兵も仕事を放って行ってしまった。随分呑気なものだ。いや、現代とは違ってそれが許された時代だったのかもしれない。 いずれにせよこれは最大の好機だ。 隠れて制作していたキーピックも間に合った。 「…よし」
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama
俺はジュゼを呼び、早速逃げ出す事を話す。 「え?ボクも…?」 ここまで準備に時間がかかったのは工具が無かったのもあるが、ジュゼの分も用意していたのも理由の一つだ。 彼女は素行こそ悪いがそれでも冤罪で捕まったのなら逃がしてやりたい。 しかしそれに対するジュゼの態度はつれないものだった。
残りを読む(45)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする