ノース・アメリカン・エディション #3
(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)
2019-06-23 21:01:00「皆様、長らくお待たせしました。これより、メインイベント、第1回ALベルト争奪戦の開催です!」AL海域特設リングの盛り上がりは、いよいよ最高潮に達していた。この勝負に勝った方がAL海域のチャンピオン、すなわち、海域の支配権を握ることになる。1
2019-06-23 21:03:00"Take the dream - The World" - Theme of Kensuke Sasaki 佐々木 健介 youtu.be/TYZQhDfe5wQ @YouTubeさんから
2019-06-23 21:05:00「もっ!」アナウンスを受け、いもちゃんがリングに上がった。どこから持ってきたのか、ひらひらのテープがついた上着を羽織っている。四方の観客に向かっていもちゃんが手を振ると、歓声が沸き上がった。3
2019-06-23 21:06:00「ぽっ!」ほっぽちゃんがリングに上がる。が、様子がおかしい。「……でかい!?」でかい。小学校低学年ぐらいの大きさしか無いはずのほっぽちゃんの身長が、いつもの2倍以上に伸びている。それに合わせて、服の長さも2倍以上伸びている。まるでてるてる坊主だ。5
2019-06-23 21:11:00「え、あの、提督?」不知火は思わず提督を見た。「あれこそは、我が鎮守府の最終兵器……のっぽちゃん!」「いえ、下に港湾棲姫が入っていますよね?」「下の人などいない!」そうこうしているうちに、リング上の2人が睨み合った。ボディチェックが行われる。下の人はスルーされた。6
2019-06-23 21:14:00ルールは60分一本勝負、シングルマッチ、ギブアップ、またはフォール3秒で決着。――決戦のゴングが、鳴った!「ぽぁーっ!」同時にいもちゃんが飛び出し、のっぽちゃんの膝にドロップキック!思わぬ奇襲にダウンするのっぽちゃん!そしてフォール!このまま決着か!?7
2019-06-23 21:16:00「ぽいっ」のっぽちゃんはいもちゃんを軽々と投げ飛ばした。当然だ。まだ序盤も序盤、体力は有り余っている。いもちゃんもそれはわかっているようで、慌てることなく冷静に着地した。起き上がったのっぽちゃんと改めて睨み合い、じりじりと近付くと、両手を組んで力比べを始めた。8
2019-06-23 21:17:00「ほぽぉ……!」「いもぉ……!」初めは互角のように見えたが、やがてのっぽちゃんがいもちゃんを押し込み始めた。やはり体格差が厳しい。「ふんすっ!」のっぽちゃんは力任せにいもちゃんを倒した。そして、両腕で力こぶを作り、観客にアピール!「ぽっ!」「「「ウオオーッ!」」」9
2019-06-23 21:18:00「むむ」いもちゃんは立ち上がり、のっぽちゃんに向かってダッシュ、そして足にチョップ!「イヤーッ!」チョップ!「イヤーッ!」更にチョップ!組み合わず、打撃で戦うつもりだ。しかし、体の大きいのっぽちゃんには効果が……。「弁慶……!」あった!深海棲艦でも脛は痛い!10
2019-06-23 21:21:00うずくまったのっぽちゃんに向かって、いもちゃんは改めてダッシュ!その横を通り抜け、ロープの反動で勢いをつけてから、改めてのっぽちゃんにフライングボディプレス!「オイテケヨーッ!」「ぽわーっ!?」これにはたまらず、のっぽちゃんは倒れた。11
2019-06-23 21:24:00すかさずフォールするが、のっぽちゃんはこれも返した。両者とも起き上がり、リング中央で睨み合う。「ウオオーッ!いもちゃーん!」「頑張れのっぽちゃーん!」一進一退の見事な攻防に、観客の熱気もノーブレーキで高まっていった!12
2019-06-23 21:27:00「『あなご』の様子はどうだ?」「3海里後方を航行中。武器を準備する様子はありません」「フン、さっきはガッツのある連中かと思っていたが、結局はただの腰抜けだったか」『マクマホン』は北方棲妹を核攻撃するために、AL海域に向かっている。艦橋内の緊張も高い。14
2019-06-23 21:30:00「目標まであと何分だ?」「丁度60分です」「よし、トマホークを準備しろ!」「……キャプテン。本当に宜しいのですか?」副長が確認する。「当然だ!この海域で、これ以上深海棲艦を野放しにするわけにはいかん!」艦長は核ミサイルのキーを取り出した。その時である!15
2019-06-23 21:33:00「何者だ!?」「止まれーっ!」「グワーッ!」廊下がにわかに騒がしくなった。直後、ドアごと歩哨がブリッジ内に吹き飛ばされてきた!「フン!」艦長は飛ばされてきた兵士を受け止め、ボディスラムの要領で床に投げ落とす。そして、やってきた乱入者に目を向けた。16
2019-06-23 21:36:00異様な風体の男だった。上半身は裸、下半身はパンツ一丁、顔にはマスクのように赤い塗料を塗りたくっている。「何者だ」艦長の問いかけに対し、その男は答えた。「グレート・ムタ」「Great...?」艦長はムタに見覚えがあるような気がしたが、どこで会ったかは思い出せなかった。17
2019-06-23 21:39:00ムタの前に兵士たちが立ちはだかった。「怪しい奴め!」「艦長はやらせん!」兵士の1人が殴りかかる!ムタはそれを掻い潜ると、振り返った兵士の膝に低空ドロップキックを放つ!「おうっ!?」「この野郎!」別の兵士がムタを後ろから羽交い締めにした。18
2019-06-23 21:42:00「ぬっ!?」「くらえっ!」別の兵士が動けないムタに連続チョップを放つ!しかしムタは動じない!「オラアッ!」逆に兵士を蹴り飛ばす!更にその反動を使い、自分を羽交い締めにした兵士の頭に跨がり、太股で挟み込んだ。そのまま落下しつつ前転、遠心力で兵士を床に叩きつける!19
2019-06-23 21:45:00