小学館の学習漫画『少年少女日本の歴史』の凄さ

まとめました。
書籍 文学 マンガ 歴史
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うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
きのう、本屋で朝日の「マンガ日本史 第二シーズン創刊号」を立ち読みした。「まさに深夜アニメ」みたいなヤマトタケル。鮮やかなCG。ハッタリ効いたジャンプ漫画の構成。「これがイイんです!」という若い人も多いんだろうなあ。僕には合わないみたいでした。でも売れてるんなら、イイんじゃないの
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
「マンガ日本史」が学習漫画なのかどうかは、知りませんが。「勉強に役立つかどうか」をよく考えて作ってある感じはしなかったな。親として、子供に与えたい「歴史学習漫画」としての最高峰は、「小学館版 日本の歴史」と「人物 日本の歴史」。発売から相当たってるけど、いまだに最強。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
「小学館版 日本の歴史」は、監修の大学の先生が、「嘘や間違いは一切許さない」と、重箱の隅つつくように監修したため、漫画なのに、「おそろしく地味」になってしまった。「漫画的魅力」に乏しい。でも、漫画家さんが、「伝統工芸士」のような熱心さで仕事していて、内容の本気度は空前絶後。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
「小学館版 日本の歴史」は、5〜6人の優秀なスタッフが、よってたかって、何年も費やした事業。本が出ようと出まいと、お金はどんどん出て行くわけで。どう考えても、版元が最大限に「前向きに早いうちにお金を出していかないと無理」だったはず。それに答える漫画家の責任とか覚悟も半端ない。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
・・・てな感じのことを頭において、「小学館版 日本の歴史」をジックリながめて見てください。絵描きならば、漫画家ならば、その「異常なひたむきさ」に驚くはず。ただ単にボーッと眺めてると、そういう凄さには気づかない。「地味な漫画だな」ってだけだと思う。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
まあ、とにかく「小学館版 日本の歴史」は、学習漫画の金字塔です。そのわりには「学研 ひみつシリーズ」とかに比べると、そのすごさが世の中に伝わってない。読んでいた子供たちには伝わっていたはずの「良さ」 がイマイチ。世間的には認知されてないようなとこがあり、残念に思います。

うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
学習漫画のマエストロ、あおむら純先生が亡くなったそうだ。小学館版「日本の歴史」は、「考証の確かさ」「ディテールの再現性」で、いまだに燦然と輝く金字塔。なんか、目を悪くされてる・・・とか、病気らしいとか人づてに聞いてたけど。ご冥福をお祈りします。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
前にも書いたが、ついでなので、またつぶやきます。小学館版「日本の歴史」は、小学館の創立なんたら周年の記念事業とかいうお題目で。80年代、バブルでやたらに景気が良かったころ、小学館が湯水の如くお金をツッこんだ「大阪城みたいな学習漫画」。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
監修の先生が、学習院の歴史(とくに貴族文化が専門)の先生で。「イイカゲンなものを描くのは絶対に許さない!」空前絶後の厳格な時代考証で描かれた歴史学習漫画。ありとあらゆる資料を駆使して、貴族の服の柄まで、考証して、手書きで再現している。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
漫画執筆の作業の前に。専門のカメラマンさんが、監修の先生の支持で全国の史跡や博物館、歴史研究家を訪ねて、丸一年だかの歳月をかけて、山のような資料写真を撮ったという話もある。お話は、監修の先生の指示により、専門のライターさんが編んだらしいのだが・・・。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
「文書として残っている史実」に拘って、「想像力でごまかし、無責任に盛り上げる」ようなことを、排除するような姿勢で書かれているため。全般的にハッタリやメリハリがない。印象はやたらに地味で、良く読まないと「伝わって来ない」ようなとこがある。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
あおむら純先生は、アニメの仕事をしていたとか、フジオプロにいた・・・とか、経歴はよく知らないのだが。この「文化事業みたいな学習漫画」の作者として、5〜6人だかの「ちゃんと漫画が描ける漫画家」のスタッフを束ねて、全巻を5年(だったかな?)かけて書ききった。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
小学館のほうも、仕事場を用意したり、資金を用意したり。普通じゃ考えられないバックアップ体制だったそうだ。今の時代だと「ページ○○円しか出ないよ。漫画家が自分で、ネットとかでいろいろ調べて。そっちで全てなんとかしてくれ」という、安いし、丸投げだし・・・って、そんなのばっかだが
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
そういう「激安なデジタル環境」とはまるでちがう、「バブルでアナログで異様に手間ひまかかった」学習漫画でした。伝統工芸品みたいな学習漫画。こんなに手間ひまかけるのなら、なんでオールカラーにしなかったんだろ・・とか思うくらい。ま、そのへんは「昔」だからしょうがないけど。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
1ページ作るのに10万くらいかかってんじゃないのかな? まあ、お金の話はよくわかんないんだけどさ。昔はとにかく、資金面でも「本気だった」ってことだね。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
大事業「小学館版 日本の歴史」が終わって。集まった資料を有効活用しよう・・・みたいな感じで、切り口と、製作体制を変えて出たのが「人物 日本の歴史」。歴史上の人物の「伝記漫画」として、歴史を学ばせる学習漫画。こっちのほうが、内容はこなれてて、読みやすい。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
「人物 日本の歴史」を書いてるのは、あおむら先生はじめ、「小学館版 日本の歴史」に関わったスタッフの漫画家さん。今度は「よってたかって」じゃなくて、「個人個人バラで」一人ずつ何冊か分担してる。そのせいか、背景もわりとあっさり。「小学館版 日本の歴史」の異様さは引っ込んだ。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
ハッキリ言って、「漫画的な面白さ」で言ったら、小学館版より前に出てた集英社や学研の歴史学習漫画のほうが、面白いよ。子供読者を喜ばせようと、わかりやすくメリハリつけてるから。でも、時代考証はかなりメタメタで。戦国時代の甲冑が源平の頃の箱鎧だったり。まあ、「そんなもん」な感じでした。
うおりゃー!大橋@最後のレトロ派漫画家 @uorya_0hashi
あおむら先生のやった「小学館版 日本の歴史」が、学習漫画のグレードとプライドのターニングポイント。「学習漫画なんか、売れない漫画家の仕事だ」という常識に、本気で抵抗し、チャレンジした・・・「学習漫画界のアントニオ猪木」が、あおむら先生でした。

コメント

セルフ執事 @SF_yomi 2011年5月18日
でも庶民が貴族の生活史学んでも意味無いと思うんだよね。儒教的に偉い人の生活は偉いって時代でも無いと思うし。誰が何をしでかしたかを知って置けば良いとも思うんだけど。
セルフ執事 @SF_yomi 2011年5月18日
貴族社会をそうやって「良い物」かのように認識させちゃうのはどうかなって思うんだよね。あと歴史で物凄く気になってるのが、欧米だと「ペスト」とか優れた作品が有るけども。
セルフ執事 @SF_yomi 2011年5月18日
日本の場合祇園祭は疫病が流行ったから始まった。とか数行で終っちゃうんだよね。東日本の津波とかもそうだけど、一般人にとってはそっちの方が重要な歴史だと思うんだ。そこに政権の邪魔が何如にからんでるのかって視点で歴史は見たいよね。
“かも”@おカネは百薬の長 @negigakamo 2011年10月15日
RT @uorya_0hashi: 「小学館版 日本の歴史」は、監修の大学の先生が、「嘘や間違いは一切許さない」と、重箱の隅つつくように監修したため、漫画なのに、「おそろしく地味」になってしまった。「漫画的魅力」に乏しい。でも、漫画家さんが、「伝統工芸士」のような熱心さで仕事していて、内容の本気度は空前絶後。
さとうのりよし@次は東京文フリ @satohnoriyoshi 2016年5月14日
この本のおかげで日本史に興味持つようになった消防の頃の私、既に多くの方が言われている通り『俗説排除』『史実忠実』に徹底していたのと、文化文政時代でオ長屋住まいのリキャラを中心にその後の水野忠邦時代まで2世代で描いていったのが印象的、あと、大正時代でも第一次大戦時に出版社や商社マンなどのオリキャラで展開して行ったのも覚えてます。
ぬこ田ぬこ道(国民脇差協会会長) @nukomiti 2017年3月21日
あおむら版の『漫画 日本の歴史』が地味だと言いますが、4巻の早良親王の死を描いた画面は立派なトラウマ製造機ですよ。…消防の頃、『読んでいい漫画』がこれだけでしたもので。
nekosencho @Neko_Sencho 2017年3月21日
見てないから作品に関する論評はしないが、そこまでの力作ならとりあえず見てみたいね。
さとうのりよし@次は東京文フリ @satohnoriyoshi 2017年10月29日
今更ながら大坂夏の陣で『真田幸村』を登場させた経緯が知りたいと思います。史実では本人が『幸村』と名乗った形跡は無い訳ですし。その後江戸時代中期時点で俗説が史実を乗っ取ってしまった経緯があったのだとは思いますが。
さとうのりよし@次は東京文フリ @satohnoriyoshi 2018年9月19日
そういえば黒西郷、闇落ち西郷で一部界隈が騒がしいですが、本シリーズでは16巻第四章(113-114ページ※昭和58年2月初版)でキッチリ載ってますよ。慶喜を挑発していく冷酷な策略家の側面を描いてます。この頃は一蔵さんとの黄金(暗黒?)コンビで徳川を追い詰めていった訳です。
かにゃ〜ん @kanako_o 2020年1月4日
全巻持って帰ります
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