もし私がアニメの監督だったら

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uroak_miku @Uroak_Miku

1)これが前から気になっていた。原作の精神を大切にしながら、私ならどうアニメ映画に仕立て直すか。 pic.twitter.com/t10bif5An1

2019-06-28 05:08:09
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2)第二次大戦風の世界で、しかし異世界。 別の銀河系の天体のお話…とかの前口上を使わないで(つまりSF色を表に出さないで)この異世界に女性客を導くには、どうしたらいいのかpic.twitter.com/ilWnK74fuH

2019-06-28 05:10:59
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3)空を見上げると月が二つある…ありがちな設定なので使えそうで使えない。 ひらめいた。月がふたつ、並んで空にある絵しか思い浮かばなかったのを改めて、東の空、西の空にそれぞれ離れて浮かんでいる設定にするの。

2019-06-28 05:13:26
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4)ふたりが夕方に着水してゴムボートで休憩する。ふたりが話をしていて、やがてパイロットくんが立ち上がって、東の空(ほぼ満月)を指差しながら「あっちに我々が出発した基地があります」 次に西の空(細い三日月)を指差して「あの向こうに、〇〇諸島があります」 そして

2019-06-28 05:18:07
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5)「いちおう基地で、説明は受けておいでだと思いますが、あの月とこっちの月が[以下略]」とかなんとか、姫様に向かって身振り手振りで語らせる。 説明を受けるときの姫様は、われわれ観客の代表としているわけです。

2019-06-28 05:20:39
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6)ふたつの月の位置関係によって、電離層が波打って、レーダーが昼間は効かなくなる数日間が生まれるので、この時を狙って姫様を本国の都に単機で脱出させる…こういう設定にすれば、夜間飛行ができない理由づけもできるし。

2019-06-28 05:22:58
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7)月がふたつあるわけだから、地球上の話ではないと伝わる。 それでいて宇宙ものの匂いは消せる。地上(というか海上のボート上)から見上げながら、ゼスチャー全開での解説だから、SF映画でよくある立体CGでの説明と違い、体感を刺激する。

2019-06-28 05:27:37
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8)女性客をつかむためには、宇宙ものや戦争メカものの匂いは脱臭したい

2019-06-28 05:28:58
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9)ああそれから、この世界の住人達は左利きをデフォとしたい。 パイロットくんやそのお仲間たち、ほかどなたも左利きで動くなか、姫様はボート上でちょっと気が緩んで、食事の際に右で食べ物を掴む。それにパイロットくんが気が付いて「もしかして、右利きですか?」と訊ねる。

2019-06-28 05:30:56
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10)姫様はどきっとして、そして打ち明ける。「実はそうです。いつもは左を使うよういわれていますが、本当は右利きなんです」 パイロットくんがいう。「右利きなら右のほうがいいです。右とか左とか、どっちが正しいかなんて、くだらないです。自分にとって使いやすいほうを使えばいいんだから」

2019-06-28 05:33:45
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11)これで姫様はパイロットくんを信頼しだす。自分のささやかな秘め事を知られてしまったけれど、このひとはそれをとがめたりしない、それどころかそのままのほうがいいと堂々と言ってくれるひとだ…

2019-06-28 05:35:10
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12)左利きがデフォという世界であることを観客に印象付けることでここが別の世界、私たちとは裏返しの異世界なのだと体感させる

2019-06-28 05:39:04
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12.1)こちらの世界では右利きがデフォですが、むこうの世界(このアニメのなか)ではマイノリティ。こちらの世界の女性は(男性もですが)大半が右利きだから、むこうの世界(アニメのなか)で自分はマイノリティになってしまうのか…とカルチャーショックを受けつつも面白がる。

2019-06-30 06:27:47
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12.2)そしてこの姫様に感情移入していく。自分と同じなんだ右利き、生まれる世界を間違えたひとなんだな、と。 左利きの観客も彼女に感情移入していく。ああ、私と同じでマイノリティなんだな、と。

2019-06-30 06:30:08
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12.3)矯正されて育ったこの姫様に、パイロットくんが「そんなのくだらない」と同情し励ましてくる。すると女性観客は、自分が彼にそういわれている気になってくる。

2019-06-30 06:31:36
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13)このやり取りの後に、東の水平線に満月、西の地平線に細い月を、パイロットくんがボートから立ち上がって、指さしながらあれこれ語るように工夫。 これで異世界であることを観客に体感させる。宇宙ものの匂いを出さないでこれを感じさせる。

2019-06-28 05:42:29
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15)「右利きのほうが常識の世界だって、あるかもしれませんよ。左利きが差別されていたりして」「あはは、そんな世界、面白そうですね」

2019-06-28 05:56:26
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15.1)『ナウシカ』のアニメで「誰が世界を、こんな風にしてしまったのでしょう」とつぶやきますよね。私たち観客はこれで胸を突かれる。「ごめん、それ私たちだよ」って。 あれと同じ演出です。劇中世界と観客世界が、ふっと地続きになる。

2019-06-29 02:52:33
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16)この姫様、幼い頃に召使のひとりを事実上の乳母として育っています。寝物語として、彼女の一族が支配する土地の、史実物語を毎晩楽しんでいた。 この召使が、パイロットくんの母親です。

2019-06-28 06:01:14
uroak_miku @Uroak_Miku

17)パイロットくんの語りのうまさは、母親譲りというわけです。原作では彼はむしろ話下手なのですが、私の改稿案では上の設定に変更。

2019-06-28 06:03:51
uroak_miku @Uroak_Miku

18)こう変更すれば、最後の一夜に彼女が彼に寝物語をせがんでくるのとうまく絡ませられるし。

2019-06-28 06:06:09
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母親譲りの語り上手、世話上手のパイロットくんと、お話大好き&実は冒険好きのひめさまのあいだに、空想世界の共通理解ができあがっていく。 それは観客である私たちの暮らす世界。

2019-06-29 03:14:26
uroak_miku @Uroak_Miku

何か危機を乗り越えるたびに、このふたりのあいだで、こんな世界があったらどうだろうと並行世界の空想を膨らませていく。 「この機のエンジンは、これまでのどんな燃料とも違うエネルギーでまわっています。今のところ大量生産はお手上げらしいんですが、もし発電所が作れるようなら面白いかも」

2019-06-29 03:18:09
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19)彼がパイロットになる前は高級ホテルの下働きをしていた設定に変更。母親と死に別れて食うや食わずの日々の中、ある神父に拾われて教育を受け、やがて高級ホテルに職を得て、あらゆる雑事を経験し、上流階級の接待の仕方を学んでいく。そして基地の偉い人に食事を運ぶか何かの縁でパイロット志望

2019-06-28 06:14:51