橙乃ままれ『まおゆう魔王勇者』とパターナリズム(とゼロ年代の問題点とかなんとか) #maoyu

読み返してもあまり噛みあってないやりとりで、自分用のメモとしての意味合いが強いのですが、一応まとめ。 発端としてはこちら↓からの流れですが、 「『ヒーローの承認問題』から見る特撮ヒーローもののシリーズと『まどか☆マギカ』」 http://togetter.com/li/137005 話題が随分元の承認云々から離れていっているので別のまとめにしました。 続きを読む
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BigHopeClasic @BigHopeClasic

さて、最も能力に比して時機に恵まれないのが王弟元帥なら、大主教はその対極というか。絶対に巡ってこない時機を、天運ごとひっくり返して破壊して、強引に抱き寄せる事の成功にあと一歩まで近づいた、最も「人間臭い」敗者、という物語上の勝者たるキャラかな。

2011-05-19 22:29:13
BigHopeClasic @BigHopeClasic

まおゆうの世界で最もどうにもならん天運は、魔王になることだろう。「紅玉の瞳」さんは、およそか細い隙間を通り抜けて魔王になったわけだけど、それでも彼女は、その隙間が与えられただけ、幸運であったわけで。そこには、それを天と呼ぶか神と呼ぶか、その意思が厳としてある。

2011-05-19 22:31:51
BigHopeClasic @BigHopeClasic

誰もが、その天なり神なりの意思とも言うべき世界のルールを疑わない中で(魔王さえ、その部分まで否定しようとはしていない)、ルールごと覆して神に喧嘩を売って神を殺しかけたのは、大主教一人だけだった。それって結構痛快じゃないかと思う人はいないのかな。

2011-05-19 22:36:39
BigHopeClasic @BigHopeClasic

あ、ちなみに自分、勇者だけは、「人」としては見てない(魔族も等しく「人」として見てるけど)。勇者は地震とか台風とかゴジラとか、そういうガジェットとして見ないと、少なくとも俺としては物語を読めない。

2011-05-19 22:38:34
BigHopeClasic @BigHopeClasic

んだからまあ、まおゆうに文句をいう人は、「保守」は王弟元帥に、「真の革新者」は大主教に注目して読むと、意外と気に入ると思うんだけどなあ、俺は。だから、こいつらに言及してない奴は、基本的に吠えてるだけと思っていいんだと。

2011-05-19 22:40:16
BigHopeClasic @BigHopeClasic

そうは言っても大主教負けるじゃん、ってツッコミもあると思うけどさ、そこがこの物語において、個人的に最もままれさんの優れていた点の一つだと考える点で、勇者と魔王に大主教倒させないでしょ。特異点たる勇者と魔王は人の世には関わらずに、物語世界という神と対峙する役割を負う。

2011-05-19 22:43:28
BigHopeClasic @BigHopeClasic

大主教という「人」を殺したのが、同じ「人」によるものだった。大主教、あと一歩で負けたのは負けたけど、彼が「特異点」に負けてたら、それはもう報われようがないですよ。彼を殺したのが人だった、これ、ゲームではできない、小説というメディアだからできた、それはまおゆうの優れた点と評価すべき

2011-05-19 22:45:33
BigHopeClasic @BigHopeClasic

まーそういうわけで、まおゆう、足りないところもそりゃあるけど、一応全体を読み流してキャラクターと物語腑分けしていくと、決定的な缺点まではないと思うのよね。一年前の段階で、そこまで言っておければよかったかなあ、というのは多少の反省点。

2011-05-19 22:48:03
相楽 @sagara1

おんや。橙乃ままれ「まおゆう魔王勇者」関連まとめhttp://p.tl/rPHt にコメントが。王弟と大主教に着目したもの。「ですよねー」と思いつつ、その役割分析で大主教の対極に「女魔法使い」がいて、アレが作中最大の反則キャラである事は付記されるべきでは、と思ったり。#maoyu

2011-05-22 00:29:25
相楽 @sagara1

なお、元々のまとめられたコメント中で自分の「当初の変革者のコントロールを離れた味方・敵双方での変革の波及ぶり」で意識したのは勿論、なによりまず王弟元帥。彼の勝利で終わっても(大主教絡みの特殊性はあるけど)それはそれで面白いのも注目、とも触れてます。

2011-05-22 00:29:34
相楽 @sagara1

他にも作中全般における「登場人物たちを最初の仕掛け人たる魔王・勇者の操り人形にしない」ことへの執念は当然、意識して読まれるべき。それも、まとめコメントで触れた系譜というか「型」の良き伝統。

2011-05-22 00:29:41
相楽 @sagara1

あと、同じコメント内の「自立後の各々の承認の獲得」というのは「魔王や女騎士、メイド長等の弟子たちが教育された以上のことを自力で開拓していく」ことがあの物語において燃え&萌えポイントにおける高い占有率を誇るけど、つまり、そこら辺の話のこと。

2011-05-22 00:29:48
相楽 @sagara1

ところで「弟子」たちは(メイド姉を筆頭に)「教えられた内容の発展・拡大」をするのだけど、(多分)メイド妹だけは「教えられてもいない料理で独自の境地を開拓する」特異なキャラで、全編に渡る「食べる」ことの多方面に渡る重視とあいまって面白い位置にいると思う。

2011-05-22 00:30:14
相楽 @sagara1

ちなみにこのまとめにおいて一貫させている、『まおゆう魔王勇者』を基本、一つの伝統的な「型」に押し込めて眺める自分の観方は当然、狭くもあれば見落としてる点も多いと思います。

2011-05-22 00:30:34
相楽 @sagara1

なお、僕自身の観方という話に限っても、当然にこの「型」を援用したもの以外の視点から、色々他の感想もあるんですよ?例えば「戯曲に似た型式と匿名掲示板での小説投稿という出自の関連の面白み」とか「それによるリズム感」とか。散漫になるので絞った論だけ出してただけで……。

2011-05-22 00:30:44
相楽 @sagara1

ただ、提示した観方においても「難しい「型」において高い完成度と異様に広い要素の詰め込みを実現した素晴らしい作品」という基本、絶賛に近い評価だということは付記したいな、と。いえ、まとめへの言及で「褒めてるのか貶しているのかわからん」といった感想も見掛けたので……。

2011-05-22 00:30:58
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