今回はあえて『日本に原爆を投下したのは間違いだったのか?』を訳してみた。いまだにこうした単純な「原爆は戦争の終結を早め、日米の死傷者の数を減らすために必要だった」というような空々しい言い訳が一部の米国人の間では説得力をもっているようです

語っているのはノートルダム大学歴史学教授のウィルソン・ミスカンブル神父です。
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tarafuku10 @tarafuku10

今回はあえて『日本に原爆を投下したのは間違いだったのか?』を訳してみました。いまだにこうした単純な「原爆は戦争の終結を早め、日米の死傷者の数を減らすために必要だった」というような空々しい言い訳が一部の米国人の間では説得力をもっているようです。youtube.com/watch?v=BmIBbc… pic.twitter.com/03xiqt2F6s

2019-06-30 08:16:54
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広島と長崎に原爆を投下するというハリー・S・トルーマン大統領の決断は、アメリカの歴史上、最も議論の分かれる意思決定となった。 年月を経ても、議論の激しさは増すばかりだ。アメリカ国内でも国外でも、この決断についてトルーマン大統領とアメリカを非難する声はさらに高まっている。 pic.twitter.com/Mci0M5qXP5

2019-06-30 08:17:36
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こうした批判が起きるのは、トルーマンが直面した状況と彼の決断の根拠について、歴史的な知識が十分ではないからだ。こうした分析に問題があるのは、いわゆる「原爆外交」論者のものも含め、不幸にも非常に間違った歴史認識に影響を受けたせいでもある。 pic.twitter.com/cd8YtlBUr8

2019-06-30 08:18:03
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これらの歴史家は、トルーマンは日本が降伏寸前であることを知りながら、既に始まっていた冷戦の中でソ連を威嚇するために、2 発の原爆を投下したのだとみっともなくも主張する。こうしたまことしやかな解釈には徹底的な反論が必要だ。 pic.twitter.com/V4ZpsTO92s

2019-06-30 08:18:57
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トルーマンが広島と長崎という主要な軍事的/工業的標的に爆弾を落とそうとしたのは、日本への上陸戦を避けるためだった。上陸戦が意味するところは、トルーマン自身の言葉を借りれば、「日本全体が沖縄のようになる」ことだと彼にはわかっていたからだ。彼の考えはまったく合理的なものだった。 pic.twitter.com/rFU5fz1fKy

2019-06-30 08:19:22
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1945 年 7 月までに、日本は既にアメリカの B-29 の壊滅的な攻撃を何か月にもわたって受け続けていた。首都や主要都市は甚大な被害を受け、海上封鎖により本土の食糧や燃料はますます枯渇していた。日本軍および民間人の死者は約 300 万人に達し、戦いが終わる気配はなかった。 pic.twitter.com/STbTd7q51b

2019-06-30 08:19:51
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こうした状況にもかかわらず、日本の指導者、特に軍部は決号作戦 (「決戦」) という考えに必死にしがみついていた。日本政府は全国的な民兵組織を作るために多くの国民を動員しており、国土を防衛するために彼らを展開する用意があったのだ。 pic.twitter.com/MHD3khwkM3

2019-06-30 08:20:12
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戦いを続行するという日本の決意は、広島と長崎に原爆が使用された後も、日本軍がこの絶望的なオプションを追い求めようとしたことからもわかる。原爆は、本土防衛の望みがないことを天皇に明確に理解させた。軍部の指導者はある意味、理解することを拒んだのだったが。 pic.twitter.com/fn2xcLAMtF

2019-06-30 08:20:38
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日本政府の行き詰まりを打破し、最終的な降伏の命令を下すには、日本の天皇による前例のない介入が必要だった。原爆投下があったからこそ、天皇と日本政府のいわゆる和平派は、戦争を終結に導くことができたのである。 pic.twitter.com/uQSe9Au1Cr

2019-06-30 08:20:56
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アメリカを勝利に導くために実行可能なその他のシナリオでは、どれを選択したとしても、アメリカおよび連合国の犠牲者、そして日本の民間人と軍人の犠牲者がはるかに大きくなったはずだ。当時のアメリカ軍の推計によれば、こうした犠牲者の数はゆうに100万人を超える。 pic.twitter.com/pW7MPcBjla

2019-06-30 08:21:18
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受け入れるのは難しい考えかもしれないが、こうした爆弾投下がなければ日本の損失はさらに大きく広がっていただろう。そして、全体的な犠牲者の中には、上陸戦が現実のものとなったら日本が処刑しようと計画していた何千人もの連合軍捕虜も含まれただろう。 pic.twitter.com/1ROtlIkm7E

2019-06-30 08:21:45
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トルーマンが選択可能だったオプションの中で、最も惨たらしくないものが、爆弾の使用だったのだ。 1945 年にトルーマンが直面したプレッシャーから遠く離れた現時点においても、彼を批判する者から、犠牲者を減らす実行可能な代替手段について、真剣で説得力のある提案はまったく出てきていない。 pic.twitter.com/lcdhfaHgGm

2019-06-30 08:22:15
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歴史の判断は明確で、曖昧なところはまったくない。原子爆弾は戦争の終結を早め、上陸戦の必要性を回避し、血まみれの争いを繰り広げる両陣営で原爆の犠牲者よりも多くの数えきれない命を救い、征服されたアジアの人々への日本の残虐な行為を終わらせた。 pic.twitter.com/9JQleQ3nhs

2019-06-30 08:22:37
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代替手段を考慮した場合、道徳的な人間がトルーマンの立場におかれたならば、いったい何を行っただろうか? ノートルダム大学歴史学教授のウィルソン・ミスカンブル神父でした。(了) pic.twitter.com/sFAksIRLIc

2019-06-30 08:23:04
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tarafuku10 @tarafuku10

(翻訳は以上です) 原爆投下に至るまでの連合国側の動きや、降伏に至るまでの日本の動きを知るには、公文書研究者の有馬哲夫氏による「原爆 私たちは何も知らなかった」(新潮新書)をお勧めします。以下、この本から私なりに要約します。 pic.twitter.com/B6P8pJCUhT

2019-06-30 08:24:03
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tarafuku10 @tarafuku10

動画では、日本が戦争を終わらす気配がなかったというが、これは誤り。(1) 国体 (天皇制) 護持が保証されること、(2) ソ連の仲裁を期待できなくなくなること、この2つが現実になれば日本が降伏する可能性は非常に高く、この情報は米国ももちろんリアルタイムで手に入れていた。

2019-06-30 08:25:02
tarafuku10 @tarafuku10

原爆を落とすにしても、(1) 無人島などに落として威力を見せつける、(2) 軍事拠点に落として大量破壊する、(3) 市街地に落として大量殺りくする、そして(A) 事前警告あり、(B) 事前警告なしの選択肢があったが、トルーマンは最悪の 3-A を選択した。

2019-06-30 08:25:35
tarafuku10 @tarafuku10

国体護持の保証をポツダム宣言から削ったのはトルーマンの意向。日本を降伏しにくくさせ、原爆の使用を実現するため。有馬氏は、トルーマンの人種的偏見と、戦後の世界政治を牛耳ろうという野望が、大量殺戮兵器として原爆を使用した理由だと結論付ける。

2019-06-30 08:25:53
tarafuku10 @tarafuku10

動画では「広島と長崎という主要な軍事的/工業的標的」と言っているがこれも誤り。広島と長崎は市街地。広島の軍需工場は軍服工場/倉庫しかなかった。 (以上)

2019-06-30 08:26:30
tarafuku10 @tarafuku10

3つ前のツイート、大事なところを間違えてしまった。トルーマンが選択したのは、3-Aではなく、もちろん3-B。「大量殺りく兵器としての使用」&「事前警告なし」です。

2019-06-30 18:17:05