【鴻門の会】項伯は項羽を破滅に追い込んだ裏切り者? 公正な心優しい義人? 項羽のおじ・項伯について語る
- mamesiba195
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項伯のwikipedia記事と史実上の事績について
項伯のwikipedia項目を改変しました。鴻門の会でよく知られ、項羽の悪役イメージ、劉邦の善玉イメージがあるために美化されがちな項伯ですが、実は鴻門の会の後、劉邦と張良から賂を受けて、漢中を劉邦に渡すように項羽に進言し、後の項羽の敗北の原因の一つをつくっています ja.wikipedia.org/wiki/%e9%a0%85…
2019-06-30 06:51:58これは司馬遼太郎先生の「項羽と劉邦」に記載がないため、世間一般には知られていません。また、英布の妻子は人質にせずに皆殺しにするなど、慈悲深い性格では決してありません。実際、「通俗漢楚軍談」では原作になかった項伯への批判を付け加えるなどがされています。
2019-06-30 06:55:05いささか、批判に傾きがちな項目となったとは否めないですが、研究者である佐竹靖彦先生と江戸時代における項伯批判として、大事な記録と考え、記載しています。項伯は、項羽の悪玉化のために段々と美化された人物像です。
2019-06-30 06:57:41項伯の2019年7月段階のwikipedia項目内容です。 赤字・・・項伯が劉邦と張良から贈り物を受けて、劉邦に漢中を与えるように項羽に進言した部分。 青字・・・項伯が後世から受けた厳しい非難。(通俗漢楚軍談の非難は日本で付け加えられたオリジナル) です。 pic.twitter.com/taS1FzwgIz
2019-07-06 01:43:25また、こちらが三省堂「高等学校 古典 漢文編」に掲載された「鴻門の会」の絵です。中央左で剣を振るっているのが項伯です。 pic.twitter.com/72uVTaxkHn
2019-07-06 01:48:08義侠の人・項伯という側面について
@mamesiba195 項伯の行い「項伯常殺人,從良匿」を見る限り、軽侠という感じです。項氏一族との繋がりは薄く、腕一本で生きてきたから、鴻門の会の前に張良に一緒に逃げることを勧めたような。 投降や仕官を勧めていないのは項羽と項伯の関係を考える示唆に富みますね。項羽の評価低い。
2019-06-30 07:46:10@rivereastbamboo 確かに。 私も河東さんとDMでお話した通り、項伯は侠的な意味で生きる人間であり、「困った恩人の頼みなら自分の命や地位を捨てても報いる人物」であると考え、佐竹先生や通俗漢楚軍談の評価は後世の君臣の義にとらわれ過ぎとは思います。
2019-06-30 07:59:43@rivereastbamboo 贈賄を受けた件も、「侠の理論で生きる人間は、恩を与えれば与えるほど返すためにやっきになる」という心理を利用した劉邦と張良の策である可能性は高く、財物で動いた可能性は実は低いと考えています。司馬遼太郎先生はそれを意識していた可能性もあるでしょう。
2019-06-30 08:01:27@rivereastbamboo もちろん、劉邦と張良も、項伯を『裏切り者』として切り捨ててないことから、侠の理論は分かっていてそれを都合よく利用しているだけではなかったから、項氏にかなりの優遇を与えたのでしょう。
2019-06-30 08:04:04@rivereastbamboo ただ、漢中を渡した進言が知られていないことは、結果的に項羽の悪役化、項伯の善人化としての理解は進んだものと考えます。項羽は范増の意見を聞かなかったのではなく、項伯の意見に従ったわけです。批判すべきは進言者の賢愚と目的の見定めであり、項羽は進言に耳を貸さなかったわけではないです。
2019-06-30 08:05:57@mamesiba195 項羽の世界観では、項伯>范増だったのでしょうね。 項羽は君臣の義の人ではないし、侠の人でもなかった。侠の人なら項伯は張良を連れて帰ったはず。 そう考えると、項羽はあくまで一族を軸として世界を見ていたのかも知れません。そういう意味で面白いです。
2019-06-30 09:06:08@rivereastbamboo 項羽は項梁に「桓楚の居場所は項羽が知っている」と嘘を言われるぐらいには侠とのつきあいはあって、それについて理解はあったでしょうけど、一族の長やら公人やら将軍やら従長(諸侯の盟主)やら楚人やら、色々まじっていたのでしょう。
2019-06-30 09:18:07@rivereastbamboo 死ぬまで、破綻しなかったのはさすがですが、残念ながら、気は天を蓋っても、その政治性は楚国だけならまだしも、天下を蓋うほどではなかったと思われます。
2019-06-30 09:20:16@rivereastbamboo 正直、今回の評価は数年の短期的にはいいが、現行ネットの李世民の粉飾や兄弟殺害、非難のように定着したら行き過ぎになりそうな可能性もありますね。項伯評価で、侠の理論から擁護した文献や論文があればいいのですが、気にしては見ます。
2019-06-30 09:37:24@mamesiba195 増淵説もずいぶん昔の話になってしまいましたからねえ。知らない人も多そう。近代のギルドや華僑の研究でも、侠で説明できる部分もありそうなので、通史的な侠の研究が出ると面白そうなのですが。なかなか難しいのでしょうね。
2019-06-30 11:53:30@rivereastbamboo 読通鑑論でもなく、「中国遊侠史」も読んだが項伯についてはなかったですね。司馬遼太郎先生の小説は、佐竹靖彦先生は俗説を抑えており評価していますから、そこから採るぐらいしか今は思いつきませんね。私としては、小説家の意見は注釈としても余り採用したくはないので考えておきます。
2019-06-30 12:19:39※ここで、小説家の意見をwikipediaの注釈にいれたくない理由は、小説における人物評は、「その小説における設定なのか」、「小説家が考えるその人物の評論なのか」が判然としにくいためです。随筆や評論だとしても、司馬遼太郎先生が「史記」における項伯を語っているのか、小説「項羽と劉邦」における項伯像を語っているのか、断定はしにくいという問題が残ります。
項伯の人物像
スレでも書いたが、項伯は劉邦に味方したという点で無条件にいい人補正かけられてる気がする やってること見てるとわりとう~~んな点あるよね
2018-10-05 20:14:22あと項伯が項羽&項梁をどう思ってたかってのも気になる 項伯が項梁の兄か弟かは記述が混乱してるんだが、「伯」という名前からして兄(長男)だった可能性が高い 長男なのに軍団のトップやってんのは弟や甥っ子なわけですよ その辺、どう思ってたのかにゃー
2018-10-05 20:12:44項伯はほんと、劉邦主体で描かれることがめっちゃ良い人みたいなイメージあるけど、項羽陣営視点で見たら「待てやこら」な行動してるよね… twitter.com/mamesiba195/st…
2019-06-30 18:23:28@saihinoti 鴻門の会はまだしも、漢中の地を押し売りされた恩を返すために渡してしまったのですな。漢中の地を章邯がもらっていれば、時間を稼ぐことができ、結果は分かりませんでした。項羽の最大の弱点は、婦人の仁でも恩賞がけち臭いことでもなく、項伯>范増であることだったことでしょうね。
2019-06-30 18:46:48