編集部イチオシ

セルアニメ時代の撮影と背景原図

かつてテレビアニメの仕事で使っていた勉強資料です。 死蔵していてもしょうがないので公開。現代の現場でも役に、、、立つ???
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suzuki mikio @mizuyon

その昔、アニメ業だった頃に仕事の資料として頂いた資料を発掘したので公開。 最初は撮影台の構造。これを理解していないと「撮不可」を量産してしまうので、撮影さんから提供されたもの。まずは基本から。 撮影素材のセルを背景と重ね、カメラで一コマ一コマ撮影してフィルムにするんだよ! pic.twitter.com/UUDhfmLHk2

2019-07-14 19:04:25
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suzuki mikio @mizuyon

ゴンドラはカメラの前に固定された台にセルが置かれて、カメラと一緒に移動するもの。手前のキャラの大きさが一定のまま背景に近づいたり遠ざかったり。 マルチプレーンはセル重ねの間隔をあけて立体的に見せるもの。別々に動かしたりピントを送ったり。 2段だけでなく多段式の大型撮影台もあった。 pic.twitter.com/WDGFJ86RPy

2019-07-14 20:20:58
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suzuki mikio @mizuyon

透過光。 「じか撮り」ってのはセルと透過光を同時に撮影するわけで、、、ライティングが難しそう。 「ダブラシ」は一度撮影したフィルムに光を二重に撮影するやり方。素材の作り方も違う。 ほかに斜めから光が差すような効果を「入射光」と呼んでたけど、どうやって撮影していたんだろ(^^; pic.twitter.com/bSP9kr41ri

2019-07-14 20:32:55
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suzuki mikio @mizuyon

やってはいけない撮影方法。枚数制限をクリアしようとして、つい無茶な引き方をお願いしちゃうんだよね。 巨大メカの発進シーンでクロス引きとか、、、。 pic.twitter.com/rVIAh1yOjK

2019-07-14 20:39:27
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suzuki mikio @mizuyon

最終ページの注意書き。セルのふき方向の指示もあることから、演出・作画への参考というより撮影所内部での資料だったのかもしれない。 撮影編、終わり。 pic.twitter.com/L4dYY2ElzM

2019-07-14 20:44:27
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suzuki mikio @mizuyon

続いて背景原図(レイアウト)編。当時のスタジオで先輩から頂きましたが、もとは別の会社のモノらしい。 著者のyamamotoさんは検索したものの特定できませんでした。時代的にタツノコプロに在籍していた方かもしれません。 全8ページ。 pic.twitter.com/LxGbvMCQFl

2019-07-15 10:48:30
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suzuki mikio @mizuyon

背景原図編後半。5~8ページ。撮影台を理解していないと5ページ目なんてワケワカランになりそう。 やはり一つの会社内に全工程が揃ってるってのは理想だよね。すぐ相談に行けるし。 というわけで古い資料でした。 pic.twitter.com/OGlJ85frbO

2019-07-15 11:06:50
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suzuki mikio @mizuyon

思い出したので追記。 これ、昔8ミリで特撮やってた時の移動台なんだけど、真ん中の黒くて長い(約70cm)ネジシャフトは本物のアニメ撮影台で使われていたもの。 知り合いの撮影さん(女性)から、「古くなった撮影台を解体したので」と飲み会の席でシャフトだけ渡されたんだっけ。 ネジのピッチは5㎜ pic.twitter.com/V3bszHlJNR

2019-07-15 14:23:46
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というわけで、シャフト1回転で台が5ミリ移動するらしい。

suzuki mikio @mizuyon

止め絵で長セリフ(口パクのみ)の時など、1コマ0.1㎜で引いてもらったりしたけど、計算めんどくさかったろうな。 宮崎さんのレイアウトでよく見かけた「1コマ0.25㎜」は、ハンドルの回転を均等に割り振ったものと聞いたことがある。「1コマで4分の1」とか。

2019-07-15 14:43:47
suzuki mikio @mizuyon

逆に流線の背景で1コマ3cmだと、ハンドルを回すよりも手で引いた方が早かったり。 1980年当時、台の移動をコンピュータ制御で自動で行う撮影所もすでに存在していた。 制御システムは撮影所のオリジナル。 ただ失敗するとタップ穴を引きちぎることもあったらしい(^^;

2019-07-15 14:56:35