自己責任ですからって抱え込む必要ないという話

「自己責任」なんて「自分ができる範囲と与えられた条件」での判断の結果だから、巨大システムの世界で全部なんか抱え込めないということ、そして「やり直しのきく」社会を作ればいいだけということ。
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岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

自己責任とは「それを選択した結果を受け止められるという判断」をするための条件が「そこそこそろっている」場合に成立することにすぎません。世界は常に不完全情報の下で判断を下さねばなりませんから、まず最初に「自己責任が成立するのは非常に限られた条件の下」ということになります。#自己責任

2019-07-14 10:01:34
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

だから若者が「金がないのは自己責任」と萎縮して内面化しているとしたら、それをほぐさなければなりません。「暮らしがままならない理由の全てが自分のせいである」と考える必要はありません。なぜならば、富を分配するシステムは巨大で、人はみなそれを十全に制御できないからです。#自己責任

2019-07-14 10:07:19
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

だからこのシステムのもとで生きることの前提は「完全に世界をわかっていない以上、うまく行かないことは誰にでも起こる」ということであって、貧困や貧乏の理由の大半は「自分ではどうしようもなかったこと」です。教育を放棄した親だった、生まれた時から借金を背負っていたなどです。自己責任

2019-07-14 10:09:49
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

親も、生まれた時代(戦争!動乱!)、与えられた才能(中世の時代なら天才!でも今は違うとか)も、人は選べませんから、与えられた条件の中で、できる範囲で判断して生きて行くしかないわけです。だから「努力することもできたはずだ」というのは、「その限られた範囲で」のことです。

2019-07-14 10:12:04
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

「その範囲の中ではそこそこ頑張っ」ても、誰も正確には制御できない巨大な資本主義のシステムの中で、そこそこの学校を出ているのに1979年にたまたま生まれて来て、就活の時に「個性!」とか言われてもどうしていいかわからなかった人たちは、自己努力を怠ったわけじゃありません。(教え子多数!)

2019-07-14 10:14:32
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

何しろ日本という国では個性を失わしめるような教育を小学校から高校まで12年も押し付けられているのに、いきなり大学3年で就活の時に「個性を出さなきゃだめだ!」と言われて、必死でスーツ買って、慣れない敬語使って、「御社は」なんて言わされれて、入った途端「個性は捨てろ」と言われるのです。

2019-07-14 10:16:50
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

そんな風に振り回されて、不完全情報のもとで、知恵も経験も「社会人HPがゼロ」の若者が色々うまく行かなくて、非正規被雇用者になって、年収300万かよ・・・なんて、どう考えても自己責任の範囲を超えているわけです。「こうするといいよ」と言われるままにやったんだよという気持ちです。

2019-07-14 10:19:41
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

いわゆるロスジェネ世代のかつての教え子たちの中には、姿を消してしまった者もいます。会える者たちは、「先生はいいですよね。好き勝手やっても食えなくなる心配なんて22歳の時になかったでしょ?」と言われます。ザッツ・ライト。考えたこともない。自己責任なんて言葉も無縁。ただの偶然です。

2019-07-14 10:22:22
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

若くて未熟で社会人HPが少ないという点において、30年前の若者と何も変わらないのに、2019年、れいわ新選組をテレビが一切報道しないこの梅雨空の下で、今を生きる若者は「自己責任っすから」と内面化させる。「あんたら、甘やかされた昭和のオサーンとは違うんすよ」とスネられる。切ない。

2019-07-14 10:24:21
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

人生は色々で、貧乏自慢なら自分もできるが(平成11年の年収100万年とか)、そんなのはオサーンたちの「後からする正当化」なので、違うことを言わねばならない。(いつの間にか敬体文が常態文に。失敬)それはやはり「このシステムでは誰もが突然貧困になりうるから、責任なんて一部!」となる。

2019-07-14 10:27:22
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

自己責任なんて「カレーにしたけどとんかつがよかった!」なんて言ってる奴に「そりゃ、お前自己責任だよ。とんかつ美味いって言ってやったのに、俺が!」という他愛もない会話で出てくるもので、そりゃ自己責任はある。あるけど、あくまでも「できる範囲で、与えられた条件で」の決断の結果だ。

2019-07-14 10:30:09
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

だから「できない範囲の、ちゃんと与えられるべきだったのに与えられなかっった」結果起こることについて、それを「俺の自己責任っすから」と抱え込むことは全くない、と言いたい。金持ってるオサーンの誰が「全部俺の自己責任でやってきたんだ」なんて言えるかよ。若い時に、色々大目に見てもらった。

2019-07-14 10:31:37
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

そういうこと全部忘れて、「ま、自己責任だな。だから言ったろ?ゲームばっかしてないでちゃんと勉強しろって!」なんて言う人は、ある日自分が「できる範囲で、与えられた条件で」必死にやった結果、どん底に落っこちても言うのかね。「俺の自己責任だ」なんて。言わなくていいよ。そうじゃないから。

2019-07-14 10:33:01
岡田憲治@『教室を生きのびる政治学』(晶文社)発売中 @ganaha22

自己責任なんて言葉はもう脇に置いて「やり直しのきくシステムを作ろう」とか「セカンド・チャンスがある社会を協力して作ろう」って考えれば良いのだと思います。全員失敗するはずだから。ツイッターのプロフ通りです。「僕らは間抜けな宇宙の塵だから根源的に平等です」。以上です。

2019-07-14 10:36:37