土佐日記まとめ

「元祖ネカマ」と名高い土佐日記。受験のために冒頭にざっと目を通したくらいの付き合いでしたが、全文(訳文)を読んでイメージがらっと変わったし、まあラッキースケベ描写や下ネタもあるけど、赴任先で亡くした娘のことが何度も出てきたり、そういうことを踏まえると歌も展開もガチで泣きたくなるほど切ない物語だったので、忘れないようにまとめました。バラバラの次期に呟いたものなので、内容が重複していたり、前後の文章はあまり繋がっていません。
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ミケ太郎 @bokumike

土佐日記、女の視点で物語が書かれてるけど、貫之が「赴任先で亡くした娘が生きてたらこのくらいの年齢かなって想定して書いた説(ある解釈)」を見つけていま泣きそう

2016-09-11 22:39:26
ミケ太郎 @bokumike

最近は土佐日記っていうと、ネカマwwとか下ネタwwとかばっか取沙汰されてるような気がするけど、「都を出るときは一緒にいたあの子が今はもういないなんて」って亡くした子供の事を思うところは、普通に現代の感覚でも泣きそうになる

2016-09-11 21:15:42
ミケ太郎 @bokumike

あと土佐日記が書かれた当時、都で内乱が起こる直前(承平天慶の乱)だったり、海賊がいつ襲ってくるかって道中ずっと怯えてる描写があるので、貴族ののほほんとした旅路みたいなの想像してたのに結構殺伐としてて緊張がぴりぴり伝わってくる…

2016-09-11 22:44:54
ミケ太郎 @bokumike

国を出る時に、何度も役人が見送りに来てくれた、ってとことか、現代の感覚だとちょっとしつこいなって思うかもしれないけど、いつ海賊が報復に殺しにくるか分からない状況下で、無事に生き延びられるか分からないような相手だったってことを考えると、旅の行く末を案じまくるのも納得いく…

2016-09-11 22:52:36
ミケ太郎 @bokumike

「寄する波うちも寄せなん我が恋うる人忘れ貝おりて拾わん(浜辺に寄せる波よ、どうか忘れ貝を打ち寄せておくれ。もし浜辺に打ち寄せてくれたなら、私は船から降りて相手を恋う思いを忘れさせてくれる忘れ貝を拾おう)」→死んだ子のことを思い出すたびに悲しいからいっそ忘れたい、という心情。辛い

2016-09-11 22:56:45
ミケ太郎 @bokumike

でもそんな歌に対して別の人が「忘れ貝拾いしもせじ白玉を恋うるをだにも形見と思わん(私は浜に忘れ貝が打ち寄せられたとしても決して拾いはしない。真珠のように愛らしかったあの子を恋い慕う気持ちさえも、あの子の形見だと思いたいのだ)」って歌を詠んだりする。どっちも悲しいし美しい…

2016-09-11 22:59:04
ミケ太郎 @bokumike

(あと、天候が悪くてなかなか船が出せなくて日記に「船頭のバカー!」って書いちゃったイライラが船頭に伝わっちゃった的な描写があってそこはちょっとかわいい…)

2016-09-11 23:02:51
ミケ太郎 @bokumike

あと土佐日記、船が進められなくて途中で嫌になったのか、日記がどんどん短くなってついには「昨日と同じ」って一行で終わってる日があるとこ、ものすごく人間くさいと思う

2016-09-17 00:55:23
ミケ太郎 @bokumike

土佐日記は、第三者(女性)視点だけど、その中には貫之も妻もいるので、貫之の自虐ネタ(こんな歌詠まなければよかったー!ってふて寝したり暴言吐いたり)とかも、ネタとして扱えてるし、もしここに娘が生きてたら自分はこんなふうに見えたのかなって想定で書いたんだとしたら、ほんと冗談抜きに泣く

2016-09-11 23:14:29
ミケ太郎 @bokumike

そして貫之の妻はやはり娘を片時も忘れられないのが辛くて「住の江の船さし寄せよ忘れ草しるしありやと摘みて行くべく(住吉の入り江を通る船よ、どうか浜に船を寄せておくれ。住吉の地に生えているという忘れ草が本当に憂いを忘れさせてくれるのか摘んで確かめながら行きたいから)って鬱な歌詠んでる

2016-09-11 23:07:23
ミケ太郎 @bokumike

貫之の妻は都に到着しても、「都にいた時はまだ子どもがいなかった人が赴任先で親になって子供を連れて帰ってきてるのに、都を出る時に子供を連れて行った私は子どもと一緒に都に帰ってこられないなんて」って悲しむので、やっぱりいつの時代も子供を失った人のエピソードは見ててつらい

2016-09-11 23:21:35
ミケ太郎 @bokumike

(そういえば海の船旅が川に切り替わった時、川の水量が足りなくて船が進められない&牛車頼んで余計な出費がかさむのもなあって悩んでるとこ見ると、貫之たちには「自分で歩く」っていう選択肢が無いのでそういうとこ貴族~~~~~~って思う)

2016-09-11 23:25:07
ミケ太郎 @bokumike

土佐日記は、フィクションだろうなって部分の他に治安悪い時代のぴりぴりした緊張が伝わってきたり、貫之本人と思われる人を第三者目線から書くことで、気取らない素の(主に彼のやばい部分)を見事に書ききっているところが好きだよ。何ていうか、小説の技術的にすごい

2018-07-24 17:23:41
ミケ太郎 @bokumike

最近ずっと、人間の普遍性について考えてる。子どもを亡くした人が「こんな辛いなら、いっそあの子の事すべて忘れてしまいたい」って嘆いた時、「私はそうは思わない。この辛い気持ちもあの子の形見だと思いたいから」って応えたりするの、土佐日記。冒頭ばっかり有名かもしれないけど。

2016-09-17 00:33:11
ミケ太郎 @bokumike

古文の授業や受験くらいでしか土佐日記を読んだことが無いひとは、まさかあれが、いつ海賊に襲われないかびくびくしながら内乱寸前の状況下で都を目指す、ポロリありの話だとは思わないだろうな…(私も思わなかった)

2016-09-17 00:45:11
ミケ太郎 @bokumike

土佐日記は最後まで娘のことを思う歌が詠まれてたり、「とてもではないけど、すべてを書き尽くすことはできない。まあ何はともあれ、こんなつまらない日記は早く破り捨てちゃおうっと」って締めくくられてるから、スタンドバイミーのラストシーンみたいな無常を感じるし、凄いセンスあるなあって思う…

2016-09-11 23:32:39

 土佐日記は、いまだにネカマとか言われてるけど、(過去の自分に対するブーメランでもある)書き手を架空の女性目線にすることで、紀貫之自身の失敗や醜態をネタに昇華する技術が成立しているので、現代目線で読んでも学ぶところが大きかったです。
 また、その書き手とされる女性は幼くして亡くした自身の娘を成長させたものなのではないかとも言われていて(死んだ自分の娘が活きてたらこのくらいの年だったのかも的な)、土佐日記は様々なテクニックと下ネタに隠しきれない、緊迫した時代の片鱗や、親としての哀しみが盛りだくさんで、魅力的な古典でした。

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