印欧語の人々の口伝/口語文学への執念とか言語雑学のお話

ひょんなことから言語雑学の話が聞けたのでまとめてみました。しかし、1000年以上口伝とか凄まじい。。。
18
紅月さん@がんばらない @koduki

ギリシャ神話とか古代ギリシャの時点で古代の事が語られていて、現代から見ると全部古代ギリシャだが階層があって興味深い

2019-07-23 14:55:20
紅月さん@がんばらない @koduki

日本で考えると、単純比較は出来ないが弥生時代くらいの話が古墳時代くらいに神話化され、飛鳥時代くらいがアレキサンダー的な時代か。その上で、江戸時代くらいに飛鳥時代の文化や学問を再発見しよう! と言ってる感じ?

2019-07-23 15:07:51
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki どれくらい古代ですかね。イリアスとかオデッセイアとかホメロスの場合、まずホメロスが紀元前8世紀で、ギリシアの黄金時代が紀元前5世紀とかでその300年前。でホメロスがトロイ戦争を語っていて、これが紀元前1200年とかそのあたりで、ホメロスからさらに4百年前。京都の人の応仁の乱くらい?

2019-07-23 14:59:54
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka 全部、ふんわりと「古代ギリシャ」とイメージしてたんですが、ちゃんと確認してみるとその期間の中で結構長いなぁ、と。確かに京都人にとっての応仁の乱くらいな感じなのかも、当時w

2019-07-23 15:09:45
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki 旧約聖書のノアの洪水神話の本になったといわれている、ギルガメシュ叙事詩はアッカド語で紀元前2000年くらいに遡るけど、このギルガメシュの名前は、ギリシア人の間で、「ギルガモス」としてしられていたりして、案外ギリシア人はいろいろなことしっていたのかな、と。日本人が三国志好きだったり。

2019-07-23 15:11:10
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka なるほど。旧約聖書の成立というかモーセの時代も紀元前1200年くらい前でギルガメッシュ叙事詩からみるとかなり昔だし、古代である当時の時点でいろんな伝承が語り継がれ多くの地域で知られてたのは面白いですね。日本は残ってる伝承が比較的新しいからあまり感じでないですし。

2019-07-23 15:18:15
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki 応仁の乱は、京都人の笑い話で、「先の戦争」といったら普通は大太平洋戦争だけど、京都人には「応仁の乱」というを思い出して、あんな600年近く前のことをいまでもどうこういうあたり。ホメロスの時代の人にとって「応仁の乱」にあたるのがトロイ戦争みたいな。

2019-07-23 15:13:21
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki この古代ギリシアのホメロスは口承文学で、古代ギリシアの時代に文字で書かれたけれど、同じ印欧語のペルシアでは、おそらく紀元前16世紀ごろのゾロアスターの話がアヴェスタ語で残っていて、文字記載はササン朝の3世紀。あとインドのベーダも前20世紀くらいかも、っていうのが残っている。

2019-07-23 15:15:42
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki インドとペルシアは紀元前2000年ごろはほぼ同じ民族ですが、これとギリシアを合わせた「中東周縁三印欧語族」の執念深い口伝、口承文学の恐ろしさっていうか、発音も固定して方言の違いもしっかりそのまま残す、しかも文字になるのは千年以上あとみたいなのは、恐ろしい文化だと思いました。

2019-07-23 15:17:55
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka 1000年以上、口伝で伝えていくというのは凄まじい文化ですねぇ。

2019-07-23 15:21:03
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki ちょいと書き足すと、インドの場合、サンスクリット語文法は、パーニニが作ったけど、これ、口承の文法書で、紀元前1000年よりは前でしょ。文法書だから、語尾変化とか、子音がどうの母音がどうの、名詞の性や数の一致だとか。同じことはギリシア語の文法もそうだけど、どうなってるん?と思います。

2019-07-23 15:20:19
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki もちろん、洪水伝説が本当はいつの話か?っていうのは、いろいろ諸説あるんですがね。人によっては氷河時代の終わりかヤンガードリアスで1万年以上前かも、という人もいるし、単に、チグリス・ユーフラテスの定的な洪水の話に尾ひれがついただけ、という人もいますが、でも、古いことは事実です。

2019-07-23 15:22:12
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki そうなんです。昔、ホメロスのイリアスとかオデッセイアが、ギリシアのどういう方言がベースか?って調べたら、「いろんな方言がつどそのまま出てくる」っていう話であちゃーっと思ったんですよ。方言の違いまで口伝でつたえるんかい?みたいなおどろきです。

2019-07-23 15:24:50
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki でもって、こういう、執念深い、方言やら文法やらも含めて、1000年以上にわたってかなり正確に口伝で伝えているのは、たぶん、ペルシア、インド、ギリシアくらいだと思います。つまり、この印欧語の人々の恐ろしい言語への執念みたいな。それが現在、世界を制覇している理由なのかもしれません。

2019-07-23 15:27:44
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka サンスクリット、文法規則ですもんね。それを口伝で伝え続けるとは。。。

2019-07-23 15:28:50
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki で、現在のヨーロッパ語文法のベース(用語とか形式とか)は古代ギリシア語文法ですが、これもおそらく最初は口伝ですね。だいたいソクラテスは文字の読み書きができなかったか拒否した人で、あの時代で文字の普及がその程度なら、最初は口伝だったと思うんです。パーニニと似た雰囲気を感じています。

2019-07-23 15:32:17
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka 面白いですね。同じく歴史ある中国/東アジアがどうかも気になりますね。ギリシャとかに比べると言語執念は低い気もしますが。割と地域/部族ごとにバラバラだし、主要言語も変わってるはずなので。

2019-07-23 15:33:12
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki ギリシアもミケーネ時代は線文字Bとか使っていたし、ペルシアもインドも中東のアッカド人やシュメール人との関係はあったので、文字を知らないはずはなかったんですがね。でも文字なしで、口承にしてしまう。

2019-07-23 15:35:51
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki 中国は、またもっと話が面倒で、もともとたぶん、中国語は、シナ・チベット系やオーストロアジア諸語(タイ、クメール系とかいろいろ、ベトナム語とか、さらに印欧語とかも含めて、いろいろな言語を話す人がいて、そこに文字が最初みたいな。口承文学始める前に文字が言語集団を超えて普及したとか。

2019-07-23 15:38:46
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka 確かに文字自体はその時代もあるのに口承なのも面白いですね。まあ、粘土板とかだと作成コスト高すぎるとかもあったのかもですが。広めるために。

2019-07-23 15:38:47
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki つまり、甲骨文字は、殷(商)の王族が使った。その他のいろいろな民族がそれぞれ自分の言語を適当に文字で表現していた、で、それが戦国時代くらいには通用して、文字言語ができて、その文字が通用する範囲が、中国人としての意識をもつ範囲になって、共通言語ができた、みたいな。

2019-07-23 15:41:01
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka 口語は分布が多すぎて、共通表記として文字に各言語の発音や内容を当てはめていった、と。タイミングはだいぶ後ですが日本語と感じもそんなところありますしね。訓読みとか。

2019-07-23 15:44:51
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki そうなんです。いわゆる、漢字の成り立ちの六書でも、転注あたりがそれだという説があります。異なる言語で違う発音だから、それで文字に数種類の発音がくっついて(いわば訓読ですね)、でそれを偏旁くっつけて整理して分けたみたいな。説文解字の時代には、かなり混乱していたと思いますけどね。

2019-07-23 15:49:56
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@koduki メソポタミアの文字は、その発達段階のトークンからおいかけられて、経理文書から先にあらわれて、やがて言語記録になるんですが、その過程から粘土トークンと粘土袋と、粘土袋の表書き、それと封印の円筒印章がセットなんで、材料としては安かったと思います。紀元前6000年くらいです。

2019-07-23 15:43:28
紅月さん@がんばらない @koduki

@KentaroOnizuka そうすると、どちらかと言うと事務用言語として見られてたのかな、とも感じますね。もちろんギルガメッシュ叙事詩とかもあるけど、伝承の主流は吟遊詩人や古老の語りの形で普及したのかなと。

2019-07-23 15:47:32