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望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
いわゆる「金融政策無効論」については、話が込み入っているので今一度包括的にまとめておきますね。
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まず、ゼロ制約において金融政策(この場合はいわゆる量的緩和のこと)が無効になるというのは、MMTに限らず、ニューケインジアンでも成り立つ話です。それが論じられたのがクルーグマンの新しい流動性の罠理論でしたし、あるいは井上智洋先生の信用創造の罠理論でした。
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実際、クルーグマンはかなり早い段階から量的緩和の効果には否定的 togetter.com/li/1120352 で、財政拡張が(有効であるのみならず)『不可欠』だと論じてきました。 このことでスコット・サムナーらと対立してネット上で大論争を繰り広げていたこともあるくらいです。
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また、クルーグマンの流動性の罠理論は、エガートソンらの長期停滞理論に拡張され、 himaginary.hatenablog.com/entry/20140411…himaginary.hatenablog.com/entry/20151028… でクルーグマン自ら言及しているように、中央銀行のフォワードガイダンスすら無効となると論じるようになりました。
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繰り返しになりますが、上記議論は、あくまでニューケインジアン内部の枠組みで既に出てくるところです。 以前から私がブログやツイッターなどで言及している議論は、もはやMMTを持ち出さなくても成り立つ話ということです。 上記を確認した上で、MMTerの議論を確認していきましょう。
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といっても、量的緩和無効論については、第一世代MMTer:ビル・ミッチェルの 『準備預金の積み上げは信用を拡張しない』 econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… 『準備預金の積み上げはインフレ促進的ではない』 econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… で十分かと思われます。
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あるいは、 『銀行融資は―準備預金ではなく―自己資本によって制約されている』 econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… も重要な記事になるかもしれません。 要するに、準備預金量の追加それ自体が、銀行融資量や融資余力を拡大することはなく、したがって総需要拡張には働かないことが実務面から整理されている。
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ミッチェルらMMTerが面白いのは、さらにその上で、金利政策の不安定性や不確実性にまで言及しているところです。 これは 『自然利子率は「ゼロ」だ!』 econ101.jp/%E3%83%93%E3%8… に整理されていますが、彼らは金利政策を間接的で、効果が鈍く、不確実な分配行動に依拠し、尚且つ不公平だと考えている。
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ミッチェルらMMTerは量的緩和政策が根本的に無意味であることに”加えて”、金利政策の不安定性、不確実性、効果の弱さ、不公平性をもとに、財政政策(特にJGPのような自動的・非裁量的財政政策)の拡充、および金利政策(金融政策)の破棄を論じているという次第になります。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
まとめますと、 ・MMTでなくとも、長期停滞理論を織り込んだニューケインジアンの場合は、ゼロ制約下における量的緩和やフォワードガイダンスが無効だと結論付けられる。 ・MMTは金融実務理解から量的緩和が原理的に無効であることを導出していることに加え、金利政策の有用性自体に疑義を呈している。
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ニューケインジアンの金融政策無効論、MMTの金融政策無効論 - Togetter togetter.com/li/1380539 上記まとめについて、「ニューケインジアンの金融政策無効論」について一応補足しておきます。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
リフレ派等によくある反論が 「名目金利のゼロ制約くらい分かっている。だから、インフレ期待を動かし、それによって実質金利を動かすんだ」 というものなのですが、”不能”になってしまった金融政策で、どうやってインフレ期待を動かすというのでしょう?
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
初期のクルーグマン型不況理論、つまり、代表的個人で描写された流動性の罠理論では、自然利子率の沈降が短期的だということになっていたので、フォワードガイダンスが将来の総需要を高め、それによって予想インフレ率を引き上げるというストーリーがあり得ました。 しかしながら、
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
エガートソンらにより3世代OLGに拡張されたことで、不況が長期的になり得ることが示されました。 (この点については、レン・ルイスの「長期停滞と3世代OLG(世代重複モデル)」econ101.jp/%E3%82%B5%E3%8… に詳しい) その場合、フォワードガイダンスがインフレ予想を引き上げることはできません。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
上記こそが、クルーグマンが 「日本は、マイナスのヴィクセル金利が幾分なりとも恒久的な状況となった国のように思われる。 もしそれが事実ならば、無責任になることを信頼できる形で約束しても効果は出ないだろう。」 himaginary.hatenablog.com/entry/20151028… と論じた真意であったわけです。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
MMTの金融政策無効論がまとまったものとして、Fullwilerの "Quantitative Easing and Proposals for Reform of Monetary Policy Operations" levyinstitute.org/pubs/wp_645.pdf というWPが分かりやすそう。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
Fullwilerは、量的緩和がうまくいかなかった理由として ①準備預金追加は銀行融資拡大に資さない。 ②民間はどのレベルの金利でも返済に勤しんで追加借入をしたがらなかったため、QE2による巧みな金利アプローチは無為に終わった。 (続く)
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
(続き) ③国債購入は満期・流動性の異なる資産のスワップに過ぎず、民間部門の所得を引き上げるものではない。 ④民間保有国債の満期短縮は、利子収入減少を通じて、どちらかというとデフレ的に働き得る。 という風に整理しています。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
また、産業への資金注入や失業者への支出が十分に行われなかったにも関わらず、民主主義的説明責任なしに中央銀行・財務省による金融機関への資金注入や資産購入が行われたことについても、Fullwiler、Wrayは批判的です。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
※訂正 WP著者はFullwilerとWray(ランダル・レイ)の2人 twitter.com/motidukinoyoru…
🐽すまん寝@財務省廃止・財政再建阻止 @sumannne
@rinard18 @hayashi_r @Katano_Naoge ケルトンも含めて異端派が能動的金融政策を嫌うのは、大雑把に言って「効果があるから」です。 「効果がないから」だと誤解している人が多いが。 賛否以前に正しい前提に基づかないと議論の土俵に上がれませんね。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
『ニューケインジアンの金融政策無効論、MMTの金融政策無効論』 togetter.com/li/1380539 でも散々詳しく説明したのに、”彼ら”は未だにこのレベルの認識なのですから、申し訳ないですけど唖然呆然ですよ。 この点については、またnoteを書く予定です。 pic.twitter.com/fL7wogSlAT
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🐽すまん寝@財務省廃止・財政再建阻止 @sumannne
@ayanami83797266 @motidukinoyoru @sorata311 ケルトンは「効果がないから」能動的金融政策に反対してるわけじゃないというのは、話聞いてれば分かると思いますが。 好ましくない効果の方を重視するから財政政策主導にすべきだと主張しているのが異端派の基礎ですよ。
望月夜 → 望月慎 @motidukinoyoru
@sumannne 低金利政策がリスキーな投資を惹起する可能性があるという話も確かにしていました togetter.com/li/1377929 が、金融政策(金利政策)が経済調節手段として効果不十分という話も講演で話していたかと。
🐽すまん寝@財務省廃止・財政再建阻止 @sumannne
@motidukinoyoru そちらの言葉では、そこまで聞いたうえで「金融政策には効果がない」という言葉を使うんですか? 私が知る限り、PKにせよMMTにせよ、金融政策を能動的に行うとどういう影響があるか踏まえたうえで、好ましくない点の被害が大きいから財政主導にせよと主張していると思いますが。
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