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2011年5月20日

トランスサイエンス・ポストノーマルサイエンス/「科学だけでは答えを出せない問題」にどう取り組むか/「公共的決定の主体の覚悟と責任」

【関連するまとめ】 "リスク評価・リスク管理における社会経済的視点の重要性" http://togetter.com/li/130027 "「正しく怖がるということ、科学/メディアリテラシー」を巡るやり取り" http://togetter.com/li/121723
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sivad @sivad

もう一度書いておくと、低線量被曝に関しては「データがない」のではなく、「複数のケーススタディはあるが、一般化するに至らない」というのが正確な認識です。

2011-05-20 15:32:04
sivad @sivad

疫学なので、個々の研究の条件はそれぞれ違いますが、チェルノブイリのケースや、原発労働者の調査で、低線量でも白血病などの疾患が有意に増加した、という結果は存在します。逆に、有意な差ではないとする結果もある。それが条件の差なのか、個人差なのか、精度のためなのかは、はっきりしません。

2011-05-20 15:38:56
sivad @sivad

そういう多様性を考慮した上で、閾値なしモデルが採用されているのです。したがって、データがないとか、低線量は心配ない、と言い切るのは、必ずガンになる、というのと同じく、ウソにあたると判断します。

2011-05-20 15:48:34
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

不確実性については可能な限り保守的=安全寄りで線を引くのが公衆衛生の基本でもありますしね。RT @sivad: そういう多様性を考慮した上で、閾値なしモデルが採用されているのです。したがって、データがないとか、低線量は心… (cont) http://deck.ly/~QX6Yi

2011-05-20 16:03:16
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

科学者ならともかく、平川さんが「可能な限り」なんて簡単に言ってはいかんと思いますが(^^ RT @hirakawah: 不確実性については可能な限り保守的=安全寄りで線を引くのが公衆衛生の基本でもありますしね

2011-05-20 16:06:36
あ〜る菊池誠(反緊縮) @kikumaco

@hirakawah むしろ、「可能な限り」とは何か、ということですよね。予防原則とは何か、とか。「予防原則に従って」とだけ言う人は信用がおけないわけで(^^

2011-05-20 16:10:15
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

まぁ、だって何するにしても自ずと制限はあってALARAとか持ち出して考えざるをえないわけですし。RT @kikumaco: 科学者ならともかく、平川さんが「可能な限り」なんて簡単に言ってはいかんと思いますが(^^ R… (cont) http://deck.ly/~M04K2

2011-05-20 17:32:03
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

で、ご指摘の通り「可能な限りとはどういうことか」がポイントなんですよね。そこは科学的・工学的にのみ決められなくて社会的にネゴシアブルな問題だよね、とツッコムのがSTSの役割であると。RT @kikumaco: @hira… (cont) http://deck.ly/~A9xsM

2011-05-20 17:33:40
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

そういえば一昨日の北大の講義(http://tinyurl.com/3gbz3wj )で触れた安全設計における「割り切り」の話。何年か前の浜岡訴訟で斑目原子力安全委員長(当時は東大教授)が「なんでもかんでも考慮してたら設計なんてできない。割り切りが必要」と証言した件。

2011-05-20 17:38:59
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)それについて3/22の国会で福島瑞穂タンに問われ「割り切り方が間違ってた」と斑目さんが答弁したわけだが、原理的に言えば設計者が犯した誤りはもう一つある。つまり千年に一度クラスの事象に備えて追加の事故対策をするかしないかは社会的交渉事項なのに、そういう扱いをしなかったこと。

2011-05-20 17:43:19
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そういう、本来は公共的に決定しなければならない社会的交渉事項であっても、大抵は専門家たちの判断(いわゆる「専門家判断」「工学的判断」というやつ)に委ねられている例はたくさんある。そしてそういう「専門家委任」は高度に複雑・分化した現代社会では避けられないことでもある。

2011-05-20 17:47:02
MasahiroKitagawa北川勝浩 @masahirokit

@hirakawah 専門家委任の実態を国民や在野の研究者がリアルタイムでチェックできるシステムが必要です。審議会や委員会のインターネット配信で衆人環視。RT @hirakawah: (中略)そしてそういう「専門家委任」は高度に複雑・分化した現代社会では避けられないことでもある。

2011-05-20 17:52:48
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)とはいえ専門家委任したままでは不味い問題もあるわけで、それを本来の社会的交渉の場に引き連れ出すのを少しでも容易にするにはどうしたらいいかを考えないといけない。NGOなど批判者や科学技術社会論の学者の役割もそうだけど、判断を委任される専門家集団自身の役割も相当に大きいはず。

2011-05-20 17:52:50
MasahiroKitagawa北川勝浩 @masahirokit

@hirakawah 国会はインターネット中継で公開されているが、委員会や審議会さらにその下の作業部会など非公開の場で、役人が恣意的に選んだ都合の良いメンバーだけで、法律同然の省令などが役人の意のままに量産されているのが日本。

2011-05-20 17:56:39
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)ちなみに委任された専門家集団自身が、問題の社会交渉性に大変自覚的だった一例は、米国産牛肉の輸入再開問題のときの食品安全委員会プリオン専門調査会での議論。とくに第25回調査会の議事録にはそれがよく示されている。 http://tinyurl.com/3jyjwq2

2011-05-20 17:58:02
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)同会合で寺田委員長(当時)はこんなふうに発言されている。「私はもう本当に科学的な評価というのは、政策決定には大事だけれども、全部でない部門だと思うんです。ほかの部門はどこで担保しているのかというとリスクコミュニケーションですね。」(第25回会合議事録p.25-26)

2011-05-20 18:01:11
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)こうした寺田委員長ほかの発言は、人によっては「科学者が官僚や国民に責任を転嫁しようとしてる」と読む者もいるかもしれんが、それこそ科学を過大に評価し、本来公共的な問題を隠蔽してしまうパターナリズムかつテクノクラシズムを補強するだけのアホな指摘。

2011-05-20 18:03:29
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)ちなみに科学的・工学的判断に潜む社会的・公共的問題の次元は、科学技術社会論では「トランスサイエンス」とか「ポスト・ノーマルサイエンス」と呼ばれてる。今書いてきたことには後者のほうが使いやすい概念で、科学が関わる問題には次の3種類がある。

2011-05-20 18:07:18
MasahiroKitagawa北川勝浩 @masahirokit

@hirakawah 僕には苦い経験がある。総務省の高速電力線搬送通信(PLC)研究会で、まさかそんな馬鹿な結論は出さないだろうと「専門家」を信用していたら、そのまま審議会にあげてしまった。2つの審議会で科学的根拠に基づいて反論したが、強行突破して出鱈目な省令を作ってしまった。

2011-05-20 18:08:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)軸としてA「システムの不確実性」とB「イシューに社会的利害が関わる程度」を設けて整理すると、ABともに低いのが一つ目の「ノーマルサイエンス」で、法則等の科学的な知識をそのまま応用して解ける問題。二つ目はABどちらかがある程度高い「専門的コンサルタンシー」。

2011-05-20 18:11:32
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)専門的コンサルタンシーの好例は臨床医の判断。医療現場では既存知識の応用だけで対処できない、その意味で成否に不確実性のある問題があり、患者の命・傾向という強い利害もある。そこで医者は専門知識やスキル、長年の専門職としては経験を踏まえつつ、機械的な応用を超えた「判断」を行う。

2011-05-20 18:14:44
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そして三つ目が不確実性も利害関係もともに大きい「ポスト・ノーマルサイエンス(PNS)」。これは専門家だけでは解けないことが明白で、利害関係者や非職業的専門家(lay experts)も含めた「拡大されたピアレヴュー」が必要となる。

2011-05-20 18:16:59
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

以上の分類はジェローム・ラベッツらのものだが、これを使うと、先ほど書いた問題は、専門家コンサルタンシーの範囲のものとして専門家にお任せしちゃっていい問題と、PNSとして公共的に会う使わねばならない問題の仕分けを誰がどうやるかという問題ということになる。

2011-05-20 18:18:45
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)ちなみにもう一つの「トランスサイエンス」という概念は「科学に問うことができるが科学では答えられない問題の領域」を指すもので、米国の核物理学者アルヴィン・ワインバーグが1972年に提案したもの。

2011-05-20 18:20:52
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

(続)そんなワインバーグがトランスサイエンス的問題の一例に挙げてるのが過酷事故対策の例。「安全装置がすべて故障したなら過酷事故になるかどうか」については科学者の意見は「イエス」に一致する。それは科学に問えて科学で答えられる問い。次に「そういう事故の発生確率は?」と問うとやや変化。

2011-05-20 18:23:36
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コメント

ねこつかわれ(he/him) @sunaoh 2011年5月20日
咀嚼しきらずにとぅぎゃっている部分があるので変な部分へのツッコミとかいただけるようでしたらお願いします。自分でも読み返しながら手直しするかもです。ちなみに「誰でも編集可」に設定しています。
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sivad @sivad 2011年5月21日
『「予防原則がだいじだ」とかいうだけの人』って誰なんでしょう
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sivad @sivad 2011年5月21日
まあ、それが予防原則に基づくべきケースである、という合意も必要なわけですから、予防原則が必要とだけいったとしても無意味ではないですね。
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Hideyuki Hirakawa @hirakawah 2011年5月21日
「予防原則が大事だ」と考えてない人、否定的な人もまだまだ世の中多いですからね。「大事だ」と言うこと自体にも、あと10年は大いに意味があると思います。
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