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お好み焼き屋浜風 浦風アナザーエンド編【艦これSS】

陽炎型駆逐艦、浜風さんがお好み焼きを作る話。 その、アナザールートの最終回的な内容。#お好み焼き屋浜風 ※トゥギャッタ―のカテゴリー機能終了に伴い、今後のアップロード先を検討中です。 お好み焼き屋浜風 エントランス 続きを読む
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紅吏珠名 @chrishna_c2
――深海棲艦との戦いは終息した。 大和型ネームシップ・大和とアイオワ級三番艦・ミズーリの立会いの下、人類と深海棲艦との講和条約が結ばれる。 深海棲艦の大幹部・中枢棲姫らが人間の興した文化に触れ、共存する道を模索し始めたことがきっかけだ。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
すべての始まりは誰もが寝静まったあの夜。突如おきた深海棲艦による襲来だった。 以来人類はあらゆる祭行事、とりわけ海岸沿いにおける一切の行事の自粛を余儀なくされていた――が、深海棲艦との講和が成立するや徐々に元通りの活気を取り戻しつつある。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
最前線基地であった呉鎮守府跡地は呉教育隊の施設となり、未知の脅威から文字通り水際で食い止める防人を鍛える場として今後も役立てられるという。艦娘であった少女達。教育隊に残る者もあれば去る者もいた。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
航空戦艦・日向は教育隊の教官として後進の育成につとめており、初雪や伊58などは「夢の恩給生活だ~でち~」などと心底嬉しそうにはしゃいでいた。 艦娘として、この国を護る想いの下に集い、こうして想いが果たされた後、それぞれの在り方に還っていこうとしている。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「うちは呉の街が大好きじゃ。街から離れることはせん」 陽炎型駆逐艦の十一番艦・浦風はといえば、呉教育隊の建物より北へと伸びる大通り、蔵王通りに面した商店街の一角で変わらずお好み焼き屋を営んでいた。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
栄光の第十七駆逐隊。 “大戦”において轟いた彼女たちの勇名は深海棲艦との決戦においても健在で、艦隊決戦の要ともいえる護衛の任を見事果たし、生還を果たした。 そんな英雄同然の彼女達も終戦を迎えた今、各々の望んだ日常へと身を置くこととなる。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
妹艦の磯風はマイアミまで料理の修行に行くと言ってそれっきり。 同じく妹艦の谷風もなにやら怪しい稼業に手を染めている様子。 十七駆の年長者として、彼女達の姉艦として心配で仕方がないが、強かな彼女達が取り返しのつかないことにはならないだろうと一種の安心感はある。 #お好み焼き屋浜風
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浜風はといえば、女性だらけの鎮守府において高倍率の競争を勝ち抜き、見事提督のハートを撃ち抜いてケッコン(カッコカリではない)を果たし、最近になって待望の第一子を身籠ったとの報告があった。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「ふふ。すっかり妹に先を越されてしもうたね」 夜空の景色を思わせる青の浴衣にエプロン姿。屋台の端にかけてある十七駆の写った写真を眺めながら浦風はひとりごちた。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
対深海棲艦の最前線として脅威に曝されていた瀬戸内の海も、人類と深海棲艦が互いに共存する道を選択することによって華麗に復活を遂げた。 現在妖精の取りまとめ役であるヒラガ技術中将とその弟子である明石の陣頭指揮のもと、深海棲艦の持つ未知の技術の解析が進められている。 #お好み焼き屋浜風
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――それはそうと。今夜行われるのは呉恒例の夏まつり。海上花火大会。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
それは海上から三千発もの花火が打ち上げられる花火の一大イベント。 元々日本は技術力が高く、従来品の加工や応用に向いている国柄。そこに未知の文明が加わることで国力も飛躍的に向上することだろう。地元住民と深海棲艦の合同で行われる今回の花火大会も、その一環と言える。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「ずいぶんと精が出ているわね。浦風さん」 浦風の屋台に姿を見せたのは、すっかり店の常連となった加賀に、その妹の土佐。二人とも今夜のために誂えた浴衣姿がとても様になっている。 今夜は普段店先に出している調理法とは違う、お祭りの屋台用にアレンジしたものを出している。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「広島のお好み焼きは元々戦後復興に貢献した象徴的な食べ物じゃけ。深海棲艦との終戦記念に、うってつけの食べ物じゃろ?」 「そうね。貴女が作る鉄板料理を口にすると、どこか心あたたまる思いがします」 #お好み焼き屋浜風
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「はい。土佐の分もしっかり焼いてもらったわ。よく味わって食べなさい」 「じゃあ加賀姉さま。あーんさせて?」 「……仕方がない子ね。口を開けなさい」 「あーん。はむはむもぐもぐ……」 加賀の妹、改長門型二番艦の土佐は見た目に似合わず、どこか子供っぽいところがあった。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
そんな二人のやり取り。遠目で見ていた瑞鶴がジト目をしながら、秘めていた感情を隠しもせず明らかに拗ねた様子でヅカヅカと入りこんでくる。 「へー、そーですか。加賀お姉さまに本当の妹さんが戻ってきてくれて、それはもうよござんしたねー」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「大丈夫ですよ瑞鶴さん。加賀姉さまは本当は五航戦のお二人のことをとても気にかけていらっしゃって。普段からお二人の話ばっかりなさっておられるんですよ」 「へ? そうなの?」 「はい。それはもう妬けてしまうくらい」 土佐と瑞鶴のやり取りに、加賀が頬を膨らませていた。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「あのつんつんしていた加賀さんが、ずいぶんと丸くなったみたいじゃね」 「……それはきっと、己自身の過去ばかりと向き合って重みを背負いこむことよりも、前を向いて歩きだすことを選択したからでしょうね」 呆れまじりの浦風のつぶやきに対し、浴衣姿の翔鶴が答える。 #お好み焼き屋浜風
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「斯く言う私も人のことは言えません。私は私で頑張るから、翔鶴姉は自分の事を考えなよって瑞鶴に怒られちゃいました」 「元気な妹を持つと大変じゃね。うちも人のことは言えんけど」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「ええ。あの子の姉として恥じないよう、益々気を引き締めないと」 ……。これはもう根っからの性分じゃね、と浦風は思った。 「また妹と一緒にお好み焼きを食べに伺いますね」と言い残して、少々騒がしい二名を含む四人組は浦風に別れを告げて、お祭りの雑踏にまぎれていく。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「久シイナ 艦娘」 ややあって、空母ヲ級が赤城に車椅子を引かれながら姿を見せる。 艦隊の壁として幾度となく立ちはだかってきた彼女だが、最近は赤城の付き添いを受けながら腰のリハビリ生活をしているらしい。 間近で見るとスタイルも良く、同性として妬けてしまうほど美人だ。 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「赤城さんにヲ級さん。いらっしゃい。お好み焼きさ食べてく?」 「艦娘 オ前ト ソノ姉妹ニハ 世話ニナッタ」 ヲ級は店の常連である以前に、主力艦隊の護衛についていた陽炎型姉妹と戦場で幾度となく顔をつきあわせた関係だ。 「ま。お互い色々あったけど、結果オーライじゃね」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「主二 糧食方面デナ」 見た目に反して中身は相変わらず不思議な人だった。ヲ級は浦風との会話の最中、杖をふるい艦載機に命じて料理を運ばせていたのだった。 焼きもろこし。りんご飴。チョコバナナ。光る綿菓子。などなど。 「光る綿菓子? 珍しい食べ物があるんじゃねぇ」 #お好み焼き屋浜風
紅吏珠名 @chrishna_c2
「輸送ワ級ノ チューブカラ出タ モヤモヤヲ 箸デ掬イ取ッタ深海名物ダ 意外ト珍味ダゾ ――オマエモ食ウカ?」 「い、いや、うちはええよ」 「残念ダ オマエガ仲間二ナルナラ 大歓迎ナノダガ」 (――ひょっとして、断って正解だったものなん?) #お好み焼き屋浜風
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