ア㊙️イさんのお尻と学ぶ東ドイツ(全10回)
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この研究の推計によれば、オーストリア・日本・オランダ・スイス・アメリカにそれぞれ重み付けをして足し合わせると、「再統一前の西ドイツ」に近い「仮想西ドイツ」を作ることができるのだ。表(Table 2)をみると、GDP以外もかなり良い線いっているのだ! (6/10) pic.twitter.com/7SdjLjrHmE
2019-07-07 18:54:21この仮想西ドイツと本物の西ドイツ(再統一後は旧西側部分のGDPを使用)を比べてみると、再統一前はほぼ同水準だった一人当たりGDPが、再統一後に明確な差が現れていることがわかるのだ。両者の差を見ると、2003年時点では本物の西ドイツは仮想西ドイツよりも12%も一人当たりGDPが低いのだ。 (7/10) pic.twitter.com/ylerjMar5r
2019-07-07 18:55:13注釈を入れておくと、この合成コントロール法で作り出す「仮想」の比較対象はあくまで仮想だから、「観察不可能な値」の近似値でしかないのだ。観察可能な部分(ここでは再統一前)と同じトレンドを持っていることでしか近似度は確かめられないのだ。 (8/10)
2019-07-07 18:55:41とはいえ、合成コントロール法の面白いところは、「歴史のif」をかなり明確に扱えるところだと思うのだ。使える場面は限られるけど、ある特定の出来事の因果効果を知りたい時には有効なツールなのだ。「ifが無いなら作っちまえばいいんだよ!!」という漢気に惚れるのだ…。 (9/10)
2019-07-07 18:56:42今回の話は doi.org/10.1111/ajps.1… からなのだ。 実はこの論文はテクニカルな解説がメインでドイツ再統一はその例としてあげられているのだ。実際に合成コントロール法を使うのは結構慎重を要することもわかるから、使ってみたい人はまずこの論文を読むといいのだ〜。 (10/10)
2019-07-07 18:58:55[補足] ロバストネスに興味がある人向けに紹介しておくと、メインの結果(ドイツ再統一の効果)は妥当なんだけど、その頑健性のチェックの仕方に関しては疑問符がつくという論文も最近出ているのだ〜。 link.springer.com/content/pdf/10…
2019-07-07 19:08:52