エッジ・オブ・ネザーキョウ #8

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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「スピアフィッシュ＝サン！見てないとガキが沈んじまいやすぜ！楽しめなくなっちまう」ゲニンの一人が慌てた。だがスピアフィッシュはニンジャ第六感由来の鳥肌を首筋に立てていた。敵意ある存在の接近を感じ取っていた。睨む先の水面……夕暮れを受け、オレンジの髪がなびくのがわかった。 0

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「こっちに来やす！」「わかっておる！」スピアフィッシュはヤリを手に取り、身構えた。UCAか？不可解である！「敵襲……」彼は見た。オレンジ髪の女が運転するモーターボートにはワイヤーが繋がっており……水上スキーが水しぶきをあげていた。ワイヤーを掴んでいるのは、赤黒のニンジャだった。　0

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【エッジ・オブ・ネザーキョウ】#8 pic.twitter.com/NX3mdhq5G4

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「イヤーッ！」スピアフィッシュはヤリを振りかぶり、モーターボートを目掛け、投げた！そのときボートの後ろで、赤黒のニンジャの水上スキーが高く跳ねた。「イヤーッ！」空中で彼は風車めいて一回転し、その回転の中からスリケンを投げていた。スリケンはヤリに当たった。狙いが逸れた！　1

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KRAAASH！狙いが逸れたヤリは土手に放置されていたウドン屋台を貫き、原動機を爆発せしめた。「何ッ」スピアフィッシュは唸った。「死ねーッ！」ゲニンがイカダに搭載されたガトリングスリケン砲で攻撃！BRRTTT！「ハイヤーッ！」モーターボートは旋回！ジェットスキーのニンジャは小刻みに跳ねる！　2

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背中を向け、再び正面を向け、再び背中を向け……そのステップは幻惑的ですらあり、スリケン砲が命中することはなかった。既に水上スキーのニンジャはワイヤーを手放し、フリー状態だった。慣性の速度で十分なのだ。モーターボートは弧を描き……もがきながら沈もうとしていたザックに接近！　3

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「ハイヤーッ！」モーターボートはドリフトしながら停止！コトブキは溺れかかったザックを急いで救出した。「助けに来ましたよ！」一方、ゲニンは必死にガトリングで水上スキーを掃射するが、命中しない！水上スキーはムーンサルト跳躍回転！「イヤーッ！」天地逆さ状態から放たれるスリケン！　4

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KA-BOOOOM！「グワーッ！」ガトリング砲の機関部にスリケンが命中！爆発！「アバーッ！」爆発に呑まれたゲニンの額にトドメのスリケンが突き刺さる！「邪魔だ！」「グワーッ！」スピアフィッシュは隣のゲニンを川に蹴り落とし、次なるヤリを構え、投げた！「イヤーッ！」　5

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「イヤーッ！」トリックジャンプの勢いを乗せた回転蹴りでヤリの側面を弾き、くるくると空中で放物線を描いて、赤黒のニンジャはモーターボートの舳先に着地。そしてアイサツした。「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」KABOOOM！川岸に停泊していた無人の武装ボートがヤリに貫かれ、爆炎を噴き上げた。6

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「ドーモ。ニンジャスレイヤー＝サン。スピアフィッシュです」スピアフィッシュはイカダ上でアイサツを返した。そして呟いた。「UCAのニンジャではないな。……まあ、よかろう。よほど死にたいと見える。イヤーッ！」宙返りして川に着水！既に両足にはミズグモ！ホバリング開始！　7

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「ガボッ……ガボッ、どうして姉ちゃん達がここに」モーターボートではザックが水を吐き、息も絶え絶えに尋ねた。「見えたので！」コトブキはグッドサインで応えた。「ザック＝サン、事情は訊くまでもありません。そこで休んでいてください。落ちないように」ウインクし、操縦を再開。「荒れますよ」 8

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「イヤーッ！」ホバリング接近しながら、スピアフィッシュはヤリを投げた。螺旋回転する凄まじき投射物！ニンジャスレイヤーは舳先でかろうじて上体を逸らし、ヤリを避けた。しかし螺旋状に回転するヤリは恐るべき真空をまとっており、彼の装束の肩は抉れた！アブナイ！　9

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「チィ……！」ニンジャスレイヤーはボートのフロントガラスを掴んだ。肩から腕に駆けての装束が裂け、神秘的な刺青が夕日にさらされた。コトブキはボートを急発進させた。ドルルルルル！だがスピアフィッシュの接近は凄まじい！「イヤーッ！」ミズグモでジグザグに水面を跳ね、襲いかかる！　10

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「アイエエエエエ！」ザックが悲鳴を上げる。ニンジャスレイヤーは振り返り、懐からさらなるスリケンを掴んだ。「イヤッ！イヤーッ！」放物線を描いて投じられるスリケン！「イヤーッ！」スピアフィッシュは回転ジャンプして回避！ジャンプ中にミズグモは足甲に格納され、いささかの支障も残さず！　11

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ついでとばかり、モーターボート後部へ着地に任せてスピアフィッシュは踵落としを繰り出し、ザックを殺そうとした。「イヤーッ！」そこへ飛びかかるニンジャスレイヤー！ヤリめいたトビゲリでそれを阻む！足と足がかち合い、スピアフィッシュは鼻を鳴らして後方へ飛び離れた。再びミズグモだ！　12

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「油断できんな、ニンジャスレイヤーとやら！」スピアフィッシュは敢えて追わず、横へスライドした。「だがアケチ水軍きってのセンシであるこの俺に挑むほどのカラテかな？」「スピアフィッシュ＝サン！ドーゾ！」川岸のゲニンが予備のヤリを投げ渡す！コトブキのモーターボートは旋回！　13

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「いけますか！」コトブキが叫んだ。ニンジャスレイヤーは再び舳先へ移動し、カラテを構えた。「いけ！」「ハイ！」「アイエエエ！」急加速にザックが悲鳴を上げる！スピアフィッシュとモーターボートは騎士のジャウスト競技めいて互いに向かい合い、突進を開始した！　14

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……「ブフーッ……！」ウドン屋台の残骸の陰、肥ったニンジャが放置されたウドン玉を手で掴み、ムチャムチャと音を立てて咀嚼しながら、川の戦闘を見やった（既に店主は失禁しながら土手を逃げ駆け上がっている）。「何の騒ぎと思えば、ブフン、ニンジャ同士の争いか……ム？あれは」　15

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そのニンジャ、モモジ・ニンジャは、モーターボート上のニンジャスレイヤーに特に注目した。「なんと。あれはニンジャスレイヤーか？ソウルのアトモスフィアが奇妙だが……ワシの目には明らか」彼のニューロンにシトカのヒャッキ・ヤギョの記憶が去来する。「そうよな、シトカ……ウッ、ヒャッポ！」16

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彼は苦しげに胸を押さえ、首を振って気持ちを切り替える。そして不敵に笑った。「しかしまあなんと、情に棹さす愚か者は如何なりやと思えば、ニンジャスレイヤーとは。くだらんのォ」彼は先程からのアケチ水軍の狼藉行為を楽しく眺めていたのである。　17

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彼は新たなウドン玉を残骸から掴みあげ、咀嚼する。「ともあれ……ムチャ、ムチャ……その手並みをば拝見。シトカでは多忙であったゆえに、アレのカラテのほど、直接見る機会もなかったわい」彼の眼差しの先、スピアフィッシュとモーターボートが……交錯する！「「イヤーッ！」」　18

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KRAAASH！モーターボートのフロントガラスが半ばほど砕け散り、スピアフィッシュは頭上でヤリを振り回しながら制動、向き直る。一方、舳先ではニンジャスレイヤーが脇腹を押さえていた。えぐるような近接ヤリ攻撃にチョップで応じ、無傷では済まなかった！ニンジャスレイヤーは眉根を寄せる！　19

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「なんと！弱し！」モモジはウドン玉を飲み込み、腹を掻いた。「ニンジャスレイヤーめ！ワシならば今の切り結びでアレを四度は殺せる機会があったぞ。ブフーッ。おかしなソウルのありさま通りの状態じゃな。ナムアミダブツ」彼は手を合わせ、もはやイクサから背を向けて歩きだした。　20

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「ニンジャスレイヤー＝サン！」コトブキはモーターボートをドリフトさせながら、思わず気遣った。ニンジャスレイヤーは舳先で膝をつき、しかし、スピアフィッシュを凝視し続けた。「もう一度だ。行け」「……わかりました！」コトブキは再加速をかける！　21